菖蒲谷での90分MTB耐久レースに出場した。龍野MTBの小野さんが主催するレースで、テクニカルかつ毎回コースレイアウトが異なる面白いレースだ。年末と年始に使用したコースとほぼ同じコースを使用したが、スタート地点とゴールだけ同じで、当時のコースの面影もなく新規レイアウトという感じ・・・。
スタート前に雨雲レーダーを見ると、レース時間中は雨が降り出す感じだった。雨が降ると赤土は粘土質で超マッドコンディションになりそうだなと予想していた。さらに人数も多く、土が掘り起こされてペースト状になると滑る。
と、レースが進むにつれてコンディションが悪くなると考え、ノブとノブの距離が広いタイヤを選択した。
純粋なマッドタイヤではないのだが、XC用としては比較的ノブが高く、ノブ配置が広めのシュワルベのロケットロン。某プロから譲ってもらった2.25インチでいつも使っている2.35インチよりも比較的細めだ。
泥で細めのタイヤと言えば、シクロクロスでもDugastのライノをあえて30Cで使うプロ選手がいる。細いわだちを通すためと、まとわりつく泥を減らすため、泥を切り裂く抵抗を減らす為など、理由は諸説ある。
MTBの場合はドロの質(シャバシャバ、粘土質、ぬたぬた)で答えが異なる。どうなのかは正直試さないとわからない。だから今回は良い機会だった。2.35よりも2.25のほうが細く、ドロつまりも防げるかもしれない。
シクロクロスの場合は泥のデーターがあるが、MTBではほとんど実戦でテストできていないので非常に良い機会。雨のトレイルを合法的に走れるまたとない機会だったので、結構楽しみだった。
思うところがあって、ステム長を70mmに変更した。
写真
Arihiroさんが、レース中の写真を撮ってくださいました。参加した方ご自身の写真があればお使いください。
テーマと戦略
テクニックとフィジカルとキャラに優れたアジアチャンピオンのたつーみがいるので、あわよくばラップされないように走りたかったが(いや無理やろ)、それは私には無謀なな話。ということで、これまでのレースでの反省や改善からテーマを決めて実戦で走ることにした。
- ラップタイムを後半に上げる
- つなぎ区間だから速く
- 走りやすい泥を探りながら走る。
- できるだけ乗る
とはいえ、タイヤとドロの挙動がわからなかった。からだにタイヤの挙動を叩き込みたかったため、試走は8:40から10:05のスタートギリギリまで80分程走った。走ってい間にどんどん状況が変わっていき楽しい状況に。走るラインを何パターンか試していった。
これまでのXCOのレースで、移動区間の速度が遅かったため意識的に踏むように走った。とはいえ、そのままのスピードだと泥でスリップしてしまうのである程度惰性で進ませるなど意識的に変える。やはり、泥コンディションは考えることが増えてたのしい。
登り区間は10秒弱だが、短い登り区間を瞬間的にダッシュするような走り方ができていなかったので、意識的に10倍ぐらいのパワーでダッシュを試みた。ただ、実際の泥の登りは8~9倍ぐらいでギリギリトラクションかかる感じだったので毎周回意識的にダッシュするように心がけた。
乗車が1回もできなかった区間は1か所だけあった。右に曲がる際に木の根っこがあり、どうしてもリアが滑ってしまう押し上げをした。何回やっても走れなかったが、リアアップができていない証拠だろう。
このクリアできない右に上る根っこ区間をもう少し進むと、乗車がレース前半はできず、後半はラインを変えると走れる区間に変わる場所があった。外側に大きく膨らませてから横にトラバースするとクリアできた。
ここまでの内容の通り、普段走れないコンディションで練習と割り切って丁寧に走ることを心がけた。もちろんレースなので順位も大事なのだけど、普段走らないコンディションでどう考えて走るか、いろんな走り方を試せるよい機会。単純に楽しい感じ。
90分耐久 -2Lap
レースはトップから-2Lapだった。最終順位は4位だったが、たつーみ、かいじの二人の日本の若者トップクラスと走ると、もはや私などはコース上の動く障害物でしかないので、ラップされるときは邪魔しないように自重する。
どんなレースでも、スタート前はいつも緊張するので相変わらず口数は少なめになる。
スタートは邪魔にならないように後ろから。どう考えても、藤川さん、宮崎さんより速く走る自信は無いので、明らかに速い人たちよりも後ろに。おーがさんもパワーあるしMTB最近結構乗ってるので、早々に前に上がっていくだろうなと。
とはいえ、泥コンディションは対人よりも、単純にコンディションと泥処理の戦いになるからゆっくり丁寧に行く。序盤は6~7番目ぐらいでスタートした。序盤はたつーみ先頭で緩やかに走っていくが、スタートしたと同時に一気にペースアップする。
とはいえ、まともにやってもあかんので、淡々と走ることに。
試走段階とコンディションは変わっていないが、変わるのは速度域と時間経過と共にバイクに泥がまとわりついてくる。特にタイヤには粘土質の泥が付着してモコモコに。シクロクロスでもそうなんだけど、泥のレースは、はじめ憂鬱、走っていると気分があがってくる。
序盤は7~8番手まで下がってしまったが、走れそうなラインを見定めつついろんなラインを試す。意外と木の根っこは滑らないが、泥がスリッピー過ぎてバイクコントロールが難しい。完全にロックしないように、タイヤを転がす必要がある。
ブレーキを当て効きするようにするのと、意識的にブレーキから手を離した。
キャンバー区間は脚を出してバランスを取りながら走行するのがいいが、一番効いたのはドロッパーを下げて重心を低くすること。低重心になると、バランスがとりやすくバイクとタイヤを縦方向から押しやすくなる。やっぱりドロはライダーを成長させてくれるなぁ。
下りで思いっきりかっ飛ばしてタイヤの泥を飛ばしてから、スタート地点手前の水たまりにあえて突っ込んで、タイヤを綺麗?にしてから周回を重ねる。泥はやっぱり楽しい。前方に居た選手は序盤先に行ってしまい見えなくなってしまったが、この日はメカトラで多くの選手が苦労していたようだ。
特にドロ詰まりがひどく、タイヤの扱い方やタイヤチョイスが失敗すると走るのが困難になる様だった。私は、比較的細めのタイヤでクリアランスを確保していたことと、ノブの間隔が広いタイヤトレッドだったこともあり、停止するようなドロ詰まりは無かった。
しかし、リアバックとクランク周りに堆積するドロはどうしようもなく、下りと水たまりでなんとか泥を落とすことに専念した。あと、Eagleトランスミッションは、泥こそパワーを発揮する。終始、変速性能の低下はなくクランクも回し続けることができた。
私自身のテクニックはゴミ以下なんですが、機材に助けられた感はある。
後半になると、ドロも乾いてきてラップタイムが上がってきた。前半は無理だったが、右に曲がる木の根っこ以外の区間は、試したラインが生きてきて乗車できるようになった。
いい感じで楽しくなってきたところで、90分のレースだったが小野さん判断で60分で終了。もともと、時間も押していたのでしょうがない。とても楽しかった。
トップ2名から-2Lap、4位だったが私としては、レース前の天候からレース中の変化を色々考えてその通りにはまったのが面白かった。シクロクロスの予行練習にもなった。
シクロクロスは朝の試走、昼の試走、その後自分のレースの時には土の状態がこんな感じになるかなと、想像するあの楽しさがあった。
合法的に泥のトレイルを走れる機会は普段ゼロに近いので、タイヤ選定や空気圧調整などデーターが取れたことも大きい。ロケットロンの空気圧はフロント1.08bar、リア1.13barで丁度良かった。
泥のレースはとにかく走るのが難しい。脳の酸素も多く使ってしまうが、テクニックや引き出しの幅も広げてくれる。完全に自分と泥の戦いになったが、とても実りのあるレース(ほぼ単独で練習していたようなもんですが)だった。
10月5日も開催されるので出たいのですが法事で出られず・・・。まじで走りたかったんですが、まだエントリーしてますので皆さんもぜひ参加してみては。
次回はCJで近場の美山で最終レース。まだ、一つだけやり残したことがあるので絶対に達成したい。今年は全国各地のMTBのレースに参加した。初めはどうなる事かと思ったんだけど、昨年末の菖蒲谷耐久に出てから早10ヶ月が経ち少しは成長できたかもしれない。
来月からシクロクロスにシフトしていくけど、寒い時期こそトレイルで練習しようと思っている。ああ、ロードとMTBとシクロクロスやってると、気分転換出来て最高だ。少しづつではあるが、地道に改善して少しでも走れるようになりたい。