ポガチャルのバイク構成は?ENVE、GP5000 STRにチューブを使用?

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最速&最強のライダーと呼ばれるポガチャルが操るバイクは、どのようなアッセンブルなのか。2023シーズン、UAEチーム・エミレーツはColnago V4Rsのフレームをベースにして、それ以外のコンポーネントを大きく変更した。

大きな変更点は、カンパニョーロからシマノのグループセットへの移行だ。同チームは、シマノから直接グループセットを”購入する”ワールドツアーチームのひとつだ。実は、正式なシマノのスポンサーチームではない。

理由として、スポンサーを受けると、シマノのホイールやPROコンポーネントを使用する契約義務が発生するため、一部のシマノパートナーブランドを使用することによって、スポンサーとしての義務を軽減している。ホイールやステアリング周りはENVEだ。

グループセットはDURA-ACE、ホイールはCAMPAGNOLOからENVEに、タイヤはPIRELLIからCONTINENTALに変更された。このバイクを操り、ポガチャルは様々なレースで圧倒的な勝利を収めている。

同チームの機材構成について、最近物議を醸した出来事があった。引退したクラシックライダーのトム・ボーネンがColnago V4Rsと機材に対して、

「Colnago V4Rsは、ライバルたちが乗っている他自転車ブランドと比べると同じレベルにはない」

と主張したのだ。当然ながら、コルナゴ社はボーネンの主張を否定し根拠がないと反論した。そして、コルナゴ社はボーネンに対し「会社に招くから、Colnagoに乗ってみてくれ」と大人な対応をした。後にボーネンも謝罪し、コルナゴへのリスペクトを語っている。

皮肉なことに、ボーネンの発言が当初あったその日に、ポガチャルはパリ~ニースの第4ステージの山頂ゴールでライバルを圧倒している。強く速い人(ポガチャル)が乗るバイクは、どんなバイクだって速い。

とはいえ、どのようなアッセンブルなのだろうか。

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ポガチャルの機材アッセンブル

  • フレーム:Colnago V4Rs
  • グループセット:シマノDURA-ACE Di2 9250 12速
  • ホイールセット:ENVE45(トレーニング)、ENVESES 4.5(レース)
  • タイヤ:Continental GP5000 TR(状況に応じてS、TT、ASを使い分ける)
  • コックピット:ENVE SES
  • クランクセット: シマノ FC-9200P – 54/40T – 172.5mm
  • ペダル シマノ・デュラエースR9200
  • サドル Prologo Dimension
  • ボトルケージ:エリートカスタムレースプラス
  • バーテープ:コルナゴ
  • コンピュータ:ワフー
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ENVEホイール

シマノ完全サポートではない証拠に、ホイールはENVEを使用している。以前、イネオスもシマノホイールではなくプリンスンカーボンワークス製のホイールを使用していた。ENVEを採用した理由としては、チームが独自に風洞実験を行い、他ホイールメーカーと比較した結果、ENVEが選ばれたという。

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ポガチャルのホイール選定で特徴的なのは、練習用とレース用でホイールやタイヤアッセンブルを変更していることだ。

  • 練習用:ENVE45(旧ファンデーション45) + GP5000 STR + チューブ
  • レース用:ENVE SES 4.5 + GP5000 STR(チューブレス)

練習用は、GP5000 STRにチューブを入れている。レース用は、GP5000 STRをチューブレスで使用している。チューブを入れることによって転がり抵抗が増加するため、レースでは使用されないようだ。

 

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コクピット

コクピット周りは、ハンドルとステム共にENVEのAERO ハンドルバーステムを使用している。このハンドルバーは、ライダーの前面積を減らすハンドルバー形状で、市場にあるほとんどの内部配線式フロントエンドとの互換性がある。

ステムに貼られた「Richard Mille(リシャール・ミル)」のステッカーは、時計会社でポガチャルのスポンサーシップを表している。

ENVEコックピットは、フロントはスリム、リアは切り詰められたエアロフォイル形状だ。レムコのブラケットセッティングと同様に、ブラケットを内側に向けることで、より狭く、よりエアロなポジションを可能にしている。

バーの上部はフラットな空力形状で、前縁は丸みを帯び、後面は四角く仕上げられている。これは、風洞で広範囲にテストされ、エアロダイナミクスに最適化されたものだ。

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クランク長 172.5mm

クランク長は172.5mmで、177cmの身長に対してはごく標準的な長さだ。最近はプロライダーでもこれまでよりも短いクランク長を使うライダーが多い。マチューファンデルプールも172.5mmを使っており、一般的な身長から算出するよりもクランク長は短くなっている。

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まとめ:フレーム以外は空力を重視

UAEチーム・エミレーツはColnago V4Rs以外のアッセンブルで空力性能をとても重視している。シマノの完全スポンサーにすると、空力性能が期待できないC50やPROハンドルバーを使う必要があるため自費でコンポーネントだけ購入するという回避策を行っている。

その代わりに、空力性能がいいENVEのエアロハンドルバーや、ENVEのSESホイール、そして転がり抵抗が小さいCONTINENTALのGP5000 STRを使用している。

確かにトム・ボーネンが言うように、フレームの空力性能は北米ブランドと比べると劣ることが風洞実験結果から明らかになっている。しかし、それ以外の機材は空力性能がトップクラスの機材であり、フレームの空力性能の悪さを補う形だ。

「プロが自費で買う機材」

の意味の逆を行き、使いたい機材を使用するためにシマノコンポーネントを自腹で購入、ハンドルやホイール、タイヤのサポートを受けているという面白い機材選択をするチームだ。

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