ヒートテック極暖の速乾性は「綿以下」という実験結果

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ヒートテックは冬の定番アイテムとして広く認知されている。街で着るにはたしかに暖かい。そして値段も安く入手もしやすい。ただ先般お伝えした、「ヒートテックを山岳ガイドが使わない理由」でも紹介したとおり、汗を大量に書くスポーツなどには向かない傾向にある。理由としては速乾性が低いからだ。

では、最新の「ヒートテック極暖」では改善されたのだろうか。今回は洗濯機で3分の洗濯後、1分の脱水を行い120分間乾かしその速乾性を確かめることにした。今回ヒートテック極暖比較対象として、ミズノブレスサーモ、モンベルジオラインLW、モンベルジオラインEXP、アンダーアーマーコールドギア、アンダーアーマーコールドギアメタル、ユニクロヒートテック、ユニクロ綿100%を用意した。では早速その結果を見ていこう。

なお読む前に留意して頂きたいのは、普段使い用途というよりもスポーツウェアのアンダーとして使えるか?という点に着眼し記事を記した。

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ヒートテック極暖

ヒートテック極暖はヒートテックの上位モデルであり、ヒートテックに比べて1.5倍の暖かさというのが目玉だ。特殊な編み方で厚みのある生地を採用しており、裏起毛になっている。ヒートテック極暖を使用するシチュエーションは、寒さの厳しい季節と、長時間の野外作業やレジャーと有る。

実験に際し今回購入したものは「ヒートテック極暖」と「ヒートテック」だ。

ヒートテック極暖の素材を確認してみよう。

  • アクリルが55%
  • レーヨン23%
  • ポリエステル18%
  • ポリウレタンが4%

製造国はベトナムだ。ヒートテック極暖にも乾きにくい繊維とされるレーヨンが使われている。しかし、キャッチコピーで「汗がすぐ乾くのでムレにくくいつも快適」とあったため実際に検証してみることにした。

インナー速乾性実験

今回、速乾性を確かめるために実験前に洗濯を行う。洗剤は使用せず真水で5分洗った後、1分間の脱水を行う。そして一定間隔で重量を計測していくという手法を取った。部屋の気温が影響しないよう乾きにくい部屋干しで、窓は閉め切った。計測にはタニタのキッチンスケール(0.1gまで計測できるパン用)を用いている。

ヒートテック極暖を含めた今回の速乾性検証の比較対象は以下のインナーウェアである。

  • ミズノブレスサーモ
  • モンベルジオラインLW
  • モンベルジオラインEXP
  • アンダーアーマーコールドギア
  • アンダーアーマーコールドギアメタル
  • ユニクロ綿100%シャツ
  • ユニクロヒートテック
  • ユニクロヒートテック極暖

以上のインナーだ。では早速結果からお伝えしたい。実際に洗った直後の結果はこちらだ。

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まずは内容の説明から行きたい。「乾燥重量」は洗う前の完全に乾いた状態の重量だ。次に洗濯をした直後の重量は「洗濯後0分」である。まずわかることは、インナーの厚みや編み方、素材が違うため水分増は異なっていることがわかる。

「水分割合」はインナー全体の重さに対する水分の割合を%で表している。脱水した時に水分割合が低ければ、水を放出しやすく、水分割合が高ければ水っぽいと言える。カラリと乾くものも有れば、「乾きが悪い」インナーとそれぞれ特徴が出ている。

やはり「水分割合」が高かったのは綿100%の下着(半袖)である、山での汗冷え対策で「着用してはいけない下着」は綿100%と言われている。普段の仕事の際に使用されることは多い。続いてヒートテック極暖はどうだろう。

残念なことに、綿100%よりも「ヒートテック極暖」が僅かながら「綿100%」よりも水気が多いデーターが得られた。しかし、家庭用洗濯機の脱水機能を使っている為必ずしも平等な条件では無いかもしれないが、綿100%とヒートテック極暖とヒートテックは衣類全体に占める水分量が特に多い。

速乾性実験結果

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速乾性実験の全データーはこちらだ。まず、洗濯して脱水直後が先ほど紹介した「0分」である。次に5分後、10分後と続き90分後と続く。

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ここで非常に興味深いことを記載したい。インナーの並び順は「0分時点」での衣類の重量に占める水分量の割合が多い順番でソートしている。しかし90分後には「速乾性」に差異が生まれ「衣類全体に占める水分量の割合」の順位に差が生じている。

注目すべき点は2つ。1つめはジオラインLWが最終的には15.1%台まで乾いている。圧倒的なのはミズノブレスサーモだ。そしてヒートテック極暖は乾きが悪く90分乾燥時点で「綿100%」よりも衣類全体に占める水分量が多かった。

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データーをグラフ化したものがこちらだ。簡潔に説明すると、90分で衣類全体に占める水分の量が少なくなったのは「ミズノブレスサーモ」の9.7%だ。ヒートテック極暖は36.9%も水分を含んでおり、時間とともに大きな差が開いてしまった。

続いて「mont-bell ジオラインL.W」である。

続いて、90分で衣類全体に占める水分の量が多かったのはヒートテック極暖、ユニクロ綿100%、ヒートテックであった。以外にもアンダーアーマーの薄手よりもアンダーアーマーコールドギアメタルの方が衣類全体に占める水分量が少なかったのは興味深い。

実はアンダーアーマーコールドギアメタルは、コンプレッション効果と防寒性を好んで私が山で使っていたものだ。数値ではわからなかったが乾きが良いなと言う感覚が、こうもデーターとして出ると頷ける。

まとめ:自分にあったインナーを選択するためには

得られたデータから、ユニクロヒートテック極暖は汗をかく運動には向かないといえる。水分や汗を離しにくく、汗冷えによる体温低下が懸念される結果だ。したがって、スポーツの使用は避けたほうが良いといえる。ただ間違ってはいけないのは、汗を大量にかかない「普段着」として使用するならば優れたインナーといえるだろう。

自分が使用するシチュエーションをよく理解し、条件に沿ったインナーを選択することがインナーの性能を活かすことにつながると言える。ただ単に暖かさを求めればヒートテックで良い。しかし汗をかく運動や、活動量が一気に下る登山からの下山の場合は綿100%よりも劣るヒートテック極暖は選択しないほうが良いといえる。

この実験ではデーターとして明確な値がとれたこと、そして90分間で乾き方に開きがあり、0分目と90分後では水分量が逆転しているインナー(モンベルジオラインLW)が有ったことは興味深い。

なお、私の所有物のジオラインは2006年に購入で既に8年、ミズノブレスサーモは2007年購入の7年だ。正直な所、インナーは高いものを買って長く使う事をおすすめする。安物買いの銭失いで、汗冷えの寒い思いをしてもしょうがない。

なおミズノブレスサーモのシャツは「Amazonランキング大賞 2015」において4位を獲得している。名実ともに今年を代表するインナーの隠れた逸品と言えるだろう。価格も1200円ほどと非常に安い。

この冬のインナーは適材適所、自分の条件にあったインナーを選択して欲しい。「速乾性」というキーワードにフォーカスして行った実験は以上である。この冬の自分の使用環境に合ったインナー選びの参考にしてはどうだろうか。

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