ラファ、アソス、デマルキ、エチュオンドと高級サイクルウェアは2万~3万円もする。しかも上下で買うと5万はくだらないだろう。サイクルウェアにはこだわりがどのサイクリストも強い。しかし、その高級ウェアを洗う為の洗剤にまで気を使っているだろうか。
サイクルウェアには撥水、防水といった様々な機能がある。家庭用洗剤の場合は、それらの機能を考慮せず「強力な洗浄力」に特化した洗剤も存在している。このような洗剤は、様々な機能を持つサイクルウェアにダメージを与え、性能劣化をしてしまう場合も多い。
そのような、意外とおろそかにしがちだが必ず使う洗剤について今回はパーウル スポーツを紹介したい。この洗剤の特徴は「スポーツウェア専用洗剤」ということだ。繊維を保護し、防水、防風効果をキープする。そしてウェアの匂いを落とすのだ。では早速見ていこう。
ヘンケル パーウルスポーツ
製造はドイツのヘンケル社。ドイツと言えば日本と同じく工業立国である。そしてLightweight社やメルセデス・ベンツもドイツだ。このヘンケル社は135年の老舗日用品メーカーである。世界に100年以上も続く企業は、日本が一番多いらしい。その中でもドイツで100年以上も企業が続くのは珍しい。
ヘンケル社は日本ではあまり知られていない。しかし世界第二位の総合日用品メーカーなのである。そして、「合成洗剤」を世界ではじめて作ったのもヘンケル社なのだ。自転車で大きなマーケットでもあるヨーロッパにおいて、ヘンケル社は洗剤でNO.1のシェアを誇る。
そのヘンケル社が開発したパーウルスポーツとはどのような洗剤なのだろうか。
パーウルスポーツの効果
ヘンケル社が謳うパーウルスポーツの効果はいかの3つだ。
- ニオイ防止成分配合:ウェアの嫌な匂いを防ぐ
- メンブレン効果:ウェア防水と防風効果の維持
- 皮脂や汗の汚れを落とす
以上の3点だ。
おそらく「メンブレン効果」がスポーツウェアの性能を落とさないようにしているようだ。この効果は水分の通過を許容しつつも、防水や防風の性能を持つ繊維の性能(撥水加工など)を流しにくくする効果を持つ。
成分表は以下の通りだ。
様々な洗浄に寄与する物質が入っているが、スポーツウェアに優しく汗を落としやすくする成分だ。
ナノックスとの比較
私が普段愛用しているのはナノックスだ。実際に使って比較することにした。対象は普段着ている仕事用のワイシャツだ。これならば、普段との違いがわかる。早速洗って見た。
液体は青い。ナノックスよりも粘度は明らかに高い。早速普通に洗って見た。洗濯を取り出すと、まず香りが着いていることがわかる。匂いやヨゴレが落とされているかもしれないが、合わせて石鹸のような匂いで上書きされるようだ。
早速干す。部屋にやや匂いが広がるが、私は外に干すのが好きなので部屋干しはしていない。翌日を待つことにした。
実はこの記事を書いている出勤時に着ているシャツはパーウルスポーツで洗ったものである。袖を通すと一発でわかることがあった。シャツがやや硬めに仕上がっている。普段のナノックスなら柔らかく仕上がるがそれとは異なり硬いのだ。
フレームと同じく硬い柔らかいは好みがあるが、私は硬めが好きなのでこれには好印象だ。また、エリの汚れもいくらか落ちているようだ。スポーツの汗をや油脂の汚れお落とす機能は意外なエリの汚れにも効果がある様子だ。
なお、メーカーもスポーツウェアと一緒に一般衣類を洗っても良いと公表している。なので、ワイシャツも問題ないと言える。
まとめ:高級ウェアこそ良い洗剤を
私は今までラファやアソスといった高級ウェアにこだわっていたが、それらを洗う為の洗剤にはこだわっていなかった。今回重要なのは、高級ウェアの性能や機能を落とさない洗剤の重要性だ。もしかしたら、ホームセンターの洗剤はそれらを劣化させるかもしれない。
既に、私のラファのパンツは生地が薄くなり本来の性能は落ちている様子だ。何万円もするウェアが数百円の洗剤によって壊されて行くと思うとまさに灯台下暗しである。
高級ウェアを長く使うため、そして防水、防風性能を劣化させない為にパーウルスポーツを継続的に使って行こうと思う。価格も1.5lで900円と、通常のナノックスが375mlで350円ほどだと考えると安い。普通のワイシャツも洗えるし、家の衣類も洗うのも良さそうだ。
間違いなく、サイクリストは機能性に富んだウェアを着る。それらの機能性や、高級な素材で作られたウェアを末長く使う配慮はできていただろうか。基本的な洗剤という存在、私も見落としていたその重要性に今一度気づかされたのだ。
何万円も出して買ったそのこだわりのウェアは、本当に正しくメンテナンスできているのだろうか。ウェアの機能と性能を落とさないよう「必ず使う洗剤」もこだわった方が良さそうだ。