トレイルにシクロクロスの起源を見る

以前は乗車できたトレイルに倒木がある。シクロクロスのバイクで走れるシングルトラックのコースは私のお気に入りだ。自然の中で走っていると、1日とて同じ顔は見せない。昨日はいけた道が今日はいけない。昨日なかった石が今日はある。同じ条件が続くわけではなく、刻一刻と姿を変えていく。

一つの倒木を見てふと思う。「道がふさがれてしまった」と判断するのか、それとも「これはシケインだ」と天然のバリアと喜ぶのか。サイクリストの脳が試される。もちろん乗車で行けるなら乗車で。うまく担いで行くのかはテクニック次第だ。

木の根っこも行ける人もいれば、いけない人もいる。バイクコントロールという世界の中でどれだけ乗車して、1秒でも長く乗れるのかを試される。もしかしたらシクロクロスの起源は山や少し街中から離れた野山にあるのかもしれない。倒木も一つの遊びでどう攻略するか挑戦する。

遊びは広がり、人口が増え、今では世界選手権、そして一つのビジネスとして成り立っていく。ルールがないところから生まれた競技は遊び心を残してバイクを操る難しさと、自然を相手にする楽しさを教えてくれる。オンロードでは体験できないような世界を我々に与えてくれる。

土曜日挑戦しうまくいかなかったテクニカルな下りがある。でも日曜日下ったら全て乗車できた。この「できた」という成功体験がやみつきになる。オフロードは「できない」「できた」が無数に繰り返される楽しみがある。その無数の引き出しを持っている者が強く速いシクロクロッサーなのだろう。

フィジカルだけではどうにもならない、テクニックが試されるフィールドがそこにある。今度ここを通る時はどんな違う顔を見せてくれるんだろうか。一つ一つ難しいセクションを攻略ことで、1秒の差を生み出していく。