豚に真珠、サイクリストにパワーメーター。

「パワーメーター」はもはや何ら珍しくない存在になった。特に、日本人サイクリストにとって本当に身近になってきた。ここまで一般的になったのも、特に国内ではパイオニアが健闘しているからではないだろうか。ペダリングモニターが製品としてこなれてきたことは確かだ。ただ、パイオニアは私達が気づかない重要なことに、メーカーとして気づき、そして取り組みを続けている。

それは、「データーの活かし方」である。

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データーを「使えている」か

あらゆる測定器というものはデーターを取得することに主眼が置かれている。たとえば、車の「メーター」なんてのもそうだ。パッと見るだけで、どれだけスピードが出ているか、どれだけ回転数が上がっているのかがわかる。ただ、無機質に表示され続ける数値も、蓄積されていけば姿形をかえ「データー」に変わっていく。

問題はここからである。データーは確かにひとつひとつの数値の集合体である。しかし、それら一見同じように見える「1つの数値」たちは、行列を作り並びはじめると「特異な傾向」が浮かび上がってくる。

その傾向には、後半数値が低く落ちてしまったり、はじめの五分間は数値が高かったり、といった様々な「動き」がある。しかしそれらを「可視化」するためには解析するソフトウェアが必ず必要だ。測定者がしばしば見落としがちな大事な道具は、このソフトウェア面である。パイオニアのシクロスフィアはその中でも特にこまめなアップデートがされ、日々改善されている。

私は、毎日トレーニング後に見ているがシクロスフィアは頻繁にアップデートが繰り返されている。この開発の速さとリリースのフットワークの軽さは、ユーザーからは見えないところだが実際に観察しているととても素晴らしい取り組みである。ある種、畑は違えどわたしも似通った開発に携わるものとして、パイオニア社は相当な開発力を持っていると見ている。

ただ残念なのは、今の自転車界隈においていまだに「パワータップと比べた精度」や「何グラム軽い」といったハードウェアに特化した話題が「旬である」ことだ。それらは黎明期でも同じように盛り上がった懐かしい話題だ。しかしそれらは今でも続いている。

いまだにこんな情勢の中だから、身近なサイクリストで解析ソフトや、データーの扱い方、数値の傾向やフィードバックについてあまり議論したことは無い。周りは「パワーメーターなんておもちゃ」という人がいるが、活用し解析していなければ、その意見は正しい(パワーメーターを過分な装置として自分の身に余るものという理解もできる)。

本来、測定器はデーター取得して、解析せねばただのおもちゃだ。数値を見て楽しむだけなら、使わないほうがいい。得られたデーターから傾向を読み取り、解析する。それらをフィードバックして、「より良い数値」に改善していく。それらのルーティンを繰り返すためにパワーメーターは「測定器」として、存在している。

せっかく買った高額なパワーメーターなのだからその価値を知り、使いこなさなければ意味はない。まさに価値を知らないような使い方などわたしは今後したくはない。というのもいままで私は、そんな使い方をしていたのだ。

だから、本当に重要なのは「データーを取得したあと」とここで言いたい。私はいまパワーデーターを解析するために、シクロスフィアの使い方を勉強している。目的はひとつ、更にフィジカルを高めていくことだ。やり方は様々だが、測定器と自分自身の体を使って「あそぶ」事はなかなか他のスポーツではできない。しかし、それらはとても魅力的でいつまでも興味が尽きない、自転車の特殊な面なのだ。

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