避妊具メーカーのオカモトがSOYOラテックスチューブを作った結果

4.5
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私はこの画像を見て度肝を抜かれた。出典:R.G.MILANO(http://rgmilano.exblog.jp/17182819/)

避妊具メーカーの世界のオカモトが作ったラテックスチューブの実験画像だ。製品自体はSOYOが販売している「SOYO ラテックスチューブ」である。チューブといえば、ビットリアやコンチネンタル、シュワルベがメジャーであることは間違いない。

ただ、国産の避妊具メーカーが作ったラテックスチューブは安心度が感じられる。今回はオカモト製のラテックスチューブについて調べ、実際にラテックスチューブと、通常のブチルチューブでどれほど転がり抵抗が違うのか調べてみることにした。

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ラテックスチューブとは

ラテックスチューブとは何だろうか。その前に普段我々がよく使っている、安い黒いチューブのブチルゴムについて復習したい。ブチルゴムは人工的に作り出された合成ゴムだ。ブチルゴムは、「イソブチル」と「イソプレン」を混ぜ合わせることにより作られる。気体の透過率が小さいため、空気が抜けづらい。

対して、ラテックスとは、天然のゴムの木から採取できる乳液(樹液)のことである。ブチルと異なり天然ゴムと考えればよい。利点は伸びと反発の弾性が良い点だ。ただし、空気が抜けやすい。これは気体透過率が大きいためである。

ラテックスチューブの厚さ

通常のブチルチューブは0.5mm-0.6mmである。対して、ラテックスチューブの厚さはおよそ0.35mm-0.4mmである。避妊具のオカモトのラインナップを見ると、0.02-0.03mmであるから、自転車用は10倍の厚みを持っている。そのしなやかな性質上、薄く仕上げることができる。

ただ、薄くなるとパンクが気になるがラテックスチューブのほうがパンクしにくい。ただ一言にパンクと言っても原因はいくつかある。良く有るパンクは小さな針のようなものを指す場合だ。この場合は、ラテックスの特性である伸びである程度は耐えられる。

しかし、リム打ちパンクのように強い衝撃が発生した場合は、ラテックスも耐えられない。しかし、小さな穴でパンクしてしまうブチルよりも、パンクしづらいことは確かだ。

ラテックスチューブの重量

ラテックスチューブはその伸縮性により、薄く仕上げることができる。SOYOラテックスチューブの重量は48gだ。実測重量は45gとも言われている。外周部分の重量が軽くなるメリットは大きい。

例えば、私が常用しているパナレーサーのR-Airはおよそ68g-72gだ。ホイール外周が20g軽くなるメリットは大きい。

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ラテックスの転がり抵抗

ラテックスの転がり抵抗はどれほどあるのだろうか。例えば、Vittria Open Corsa CX の23Cのタイヤに、ブチルからラテックスに変えた場合を考えてみる。どれぐらいタイムが短縮するのだろうか。

Vittria Open Corsa CXとブチルの組み合わせの場合、Crrは0.0039である。Crrについては、『GP4000S2の23Cと25C 空気圧別転がり抵抗比較』を参照して欲しい。

ittria Open Corsa CXとブチルの組み合わせの場合、Crrは0.0034である。数字上の値は小さいが例えば以下の条件であれば、理論値としてタイム差が顕著に現れる。

ブチルを使い、車重と体重の合計70kgの人が40kmの距離を60分で走った場合、ラテックスに変えると17秒短縮できる。転がり抵抗係数が低いということは、それだけタイヤのロスが少ない。ブチルチューブの弾性抵抗はラテックスよりも劣るのだ。

なお、肝心のチューブラーはどうだろうか。実際のところ、Vittria Corsa CXのチューブラーのCrrは0.0038だ。クリンチャーのラテックスよりも劣る。ちなみに、私のツイッターで散々言っていたが、コンチネンタルコンペティションよりも、GP4000Sの方が転がり抵抗係数は小さい。

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まとめ: ラテックスの使い所

ここまでで、ラテックスについて非常にポジティブなことを書いてきた。ただし、ラテックスチューブのデメリットも当然有る。ブチルに比べて高価であることと、気体透過率が高く空気が抜けやすい。従って常用することはブチルよりも、敷居が高い。

一発レース専用として考えるか、それともチューブラータイヤを使うよりも安いと考えるかは人それぞれだろう。ただし、一度乗るとわかるほどに乗り心地が良かったりするラテックスは是非とも常用したい機材の一つだ。

もし、毎日空気を入れることが苦ではなく、シーラント剤などで空気の抜け対策を施すことをした場合は、かなり使える機材ではないだろうか。

少なくとも、ブチルしか使ったことのない人は、一度ラテックスチューブを一度使って見て欲しい。ブチルでは絶対に味わえない「ラテックスの乗り心地」を一度体感してはどうだろうか。

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