UCI認証のフレームリストに、ビッグプーリーで有名なドイツのBERNER社が開発したシクロクロスバイクが登録された。同社はシクロクロスバイク以外にもロードバイクやMTBのバイクを開発している。
BERNER CXTeam Discは、シクロクロスを走ることを想定しながらもホイールを交換することによって、ロードでもオフロードでも走れる汎用性の高いバイクに仕上がっているという。完成車とフレームセットの販売が行われており、専用の一体型ハンドルバーも付属する。
- Di2、機械式に対応
- プレスフィットBB86
- 最大タイヤ幅:42mm
- ヘッドセット: FSA (1 1/2 – 1 1/2)
- フレームサイズXS – S – M – L – XL
- カーボン製ディレイラークランプ付属
- 重量:フレーム(54)1020g、フォーク420g
シクロクロスで重要なジオメトリーについても確認していく。シクロクロスバイクはMTBバイクと同じように、ジオメトリー設計がバイクの挙動やコントロール性能を左右するため重視されている。
気になるのは、BERNERの説明にもあった「ロードでもオフロードでも走れる汎用性」というジオメトリ設計だ。グラベルにもロードにもという、どっちつかずの曖昧なジオメトリ設計はシクロクロスバイクとしての特徴を薄めてしまいかねない。では、BERNER CXTeam Discはどうだろうか。
サイズ | ヘッドアングル | フロントセンター | チェーンステー | BBドロップ | リーチ |
---|---|---|---|---|---|
XS | 70.4 | 592.9 | 425 | 65 | 367.8 |
S | 70.4 | 592.9 | 425 | 65 | 367.8 |
M | 71.5 | 601.6 | 425 | 65 | 379.7 |
L | 71.8 | 611.2 | 425 | 65 | 386.2 |
XL | 72.5 | 626.2 | 425 | 65 | 394.3 |
バイク設計の基準にもなる標準的なMサイズを確認してみよう。チェーンステーは標準的な425mm、ヘッドアングルも標準的な71.5だ。フォークオフセットが不明なためトレール量がわからない。したがって、ステアリングまわりの味付けは数値だけでは確認できない。
フロントセンターは601.6とMサイズにしてはやや長めだ。SPECIALIZEDの旧CRUXも601mmと同じ値を採用していた。実際に乗ってみなければわからないが、どちらかといえばX-NIGHTやINFLIGHTのようなクイックなバイクではなく、大味な乗り心地の設計だと想像できる。
BBドロップは、65mmと一般的なシクロクロスバイクの中でもやや小さめだ。TCXの60mmやX-NIGHTの62mmと比べると、CXTeam Discの65mmは相対的に大きめといえるが、他社のCXバイクと比べるとBBドロップはX-NIGHTやTCXに次いで小さい。
グラベルバイクのような70mm台のBBドロップになっておらず、BBドロップだけみれば重心が高く設計されている。
やや長いフロントセンターと、やや短めのBBドロップのバイクは珍しくBERNER CXTeam Discがどのような乗り心地になるのか非常に興味が湧くところだ。ロードでもオフロードでも走れる汎用性というキャッチコピーがあるが、まっとうなシクロクロス用のジオメトリのようだ。
価格は、日本円でフレームセットがハンドル付きで40万、一番安いGRX完成車が50万ほどだ。人と被りたくないシクロクロッサーはBERNER CXTeam Discを試してみてはどうだろうか。
¥70,400