今クリンチャータイヤに夢中だ。ホイールをトータルで考えた場合、チューブの種類やタイヤの幅と、組み合わせで転がり抵抗が変わることが解ってきた。ブチルよりもラテックスのほうが、抵抗値としては小さい結果が得られている。
様々な実験データーを漁っていると、どうやらコンチネンタルのタイヤにおいてはクリンチャーの方が(幅は1C違うが)転がり抵抗が低く出ている。チューブラーの利点は何なのか、再考した内容は別記事に起こす予定だが、今回はコンチネンタルのGP4000S2のみに特化して考察してみたい。
GP4000S2というタイヤ
様々なタイヤを使ったが、ベストなタイヤはGP4000S2だと言いたい。理由は幾つかあるが、タイヤの山に無駄なパターンが無い事がまずあげられる。一般的に勘違いされやすいが、『25Cと23Cを比較転がり抵抗が小さいタイヤはどちらか』でいろいろ調べていた際に、知ったことがある。自転車のタイヤの場合、雨天時に滑りにくいタイヤは、溝を排除した接地圧が高いタイヤである。
こう書くと、こんな連想をしないだろうか。少なくとも私は次のような発想をしていた。「雨天時は溝が水を排出してくれる」と。結果として溝があった方がグリップがよく、滑りにくい(ような気がする)と盲信していた。
ところが、そのタイヤの話は自動車やモーターバイクには当てはまるが、自転車には当てはまらない。理由はタイヤの太さだ。自転車のタイヤは極端に細い。結果、設置面積がひじょうに小さく、溝を入れても水の排出効果の多くは期待できない。
国産パナレーサーのタイヤはチューブラーを除いて、パターン自体が無い。本来であればパナのようなタイヤが性能が良いのだろう。これらの話は別の機会に掲載予定だ。『溝の模様がないと売れないから』という、悲しい結論なのだが。
話は長くなったが、私がGP4000Sを選んでいる一つの理由である。
GP4000S2の重量と幅
太いタイヤが転がり抵抗が低いとわかっているので、使わない理由は無い。GP4000S2のタイヤラインナップと重量を確認する。なお、海外のデータであり、国内代理店が取り扱っていない場合もある。
- 20c, 185g
- 23c, 色無205g
- 23c, 色有215g
- 25c, 225g
- 28c, 235g
やはり、タイヤは黒に限る。色が着くと10g増えるとは最悪だ。もし、この事実を知らない人がいたら教えてあげて欲しい。小さなことかもしれなないが、例えばキシリウムのリム重量が400gと390gとではその意味の大きさがわかるはずだ。
GP4000S2の転がり抵抗
以下にGP4000S2の空気圧別転がり抵抗値を記載する。値は50kgの圧を加えた時のCrr(転がり抵抗係数)である。Crrという値が小さければ、それだけ抵抗が少ないと考えて良い。
要するにタイヤ毎に特性があって抵抗が変わる。それらを抵抗の係数として表している。厄介なのは、ここから記載する値は温度や、ゴムの個体差など、様々な条件で値がフレるのでおおよその値だと理解して頂きたい。
GP4000S2 空気圧6.5bar
私(体重59kg)がよく使う空気圧がフロント6.5barである。最近では登る時は後7.2bar/前7.0barも多い。やはり、太いタイヤの方が空気圧が低い場合は有利なデータが得られている。なお値は四捨五入しているので、厳密な値ではない。
- 20C, N/A
- 23C, 0.00500
- 25C, 0.00446
- 28C, 0.00425
以上が、GP4000S2の6.5barにおけるCrrである。28は使わないが、やはり25Cは少なからず転がりやすいようだ。20Cは比較対象にならないほど値が抜けているので割愛。
GP4000S2 空気圧7.0bar
空気圧を0.5bar上げて7.0barにした場合だ。同じく、空気圧が低い場合は太いタイヤの方が有利なデータが得られている。こちらも値は四捨五入しているので、厳密な値ではない。
- 20C, N/A
- 23C, 0.00485
- 25C, 0.00435
- 28C, 0.00410
25Cは空気圧を上げることにより、28Cの6.5barと同等のCrrになっている。
GP4000S2 空気圧7.5bar
空気圧を0.5bar上げて7.5barにした場合だ。同じく、空気圧が低い場合は太いタイヤの方が有利なデータが得られている。こちらも値は四捨五入しているので、厳密な値ではない。
- 20C, N/A
- 23C, 0.00470
- 25C, 0.00425
- 28C, 0.00400
25Cは空気圧を上げることにより、28Cの6.5barと同等のCrrになっている。
GP4000S2 空気圧8.0bar
空気圧を0.5bar上げて8.0barにした場合だ。同じく、空気圧が低(以下略。こちらも値は四捨(以下略。
- 20C, 0.00490
- 23C, 0.00460
- 25C, 0.00415
- 28C, 0.00390
20Cが登場してきた。この値は、8barにも関わらず、6.5barの23Cと同等のCrrである。従って、GP4000S2の20Cを使う場合、8.0barまで上げないと同等レベルまで達しないことになる。ただ、これらのデータは『非常に路面状況が良い一定負荷の実験室』のデータであることを忘れてはならない。
まとめ:GP4000S2で覚えておくべきこと
ここまでで、GP4000S2のCrrのまとめをしよう。やはりどうしても太いのが好きな人や、細いのが好きな人が居るのは仕方が無い。そこは空気圧でCrrを吸収して少しでも楽をして欲しい。
- 0.00500, 6.5, 23C
- 0.00490, 8.0, 20C
- 0.00485, 7.0, 23C
- 0.00470, 7.5, 23C
- 0.00460, 8.0, 23C
- 0.00446, 6.5, 25C
- 0.00435, 7.0, 25C
- 0.00425, 7.5, 25C
- 0.00425, 6.5, 28C
- 0.00415, 8.0, 25C
- 0.00410, 7.0, 28C
- 0.00400, 7.5, 28C
- 0.00390, 8.0, 28C
最後にまとめだ。GP4000S2で重要なのは次の二点。自身が使う「太さのタイヤ空気圧」の関係と、重量を気にするなら「色付きは選ぶな」のふたつだ。この二点だけは覚えて帰ろう。
- 色はただの重り
- 細くてもなんとかなる
もし、周りにGP4000S2ユーザがいたら教えてあげて欲しい。もしかしたら、大事なレース前の機材調整に役立つかもしれない。
ただし注意がある。太いモノを無理やり推し進めてはいけない。ようは使う本人の趣向次第なのだ。決して太ければ良いというものではないのである。
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