タイヤがついた乗り物で、今だにチューブが主流なのはロードバイクだけだ。その”レガシー”なチューブをなぜロードバイクだけ使うのか。私はMTBでチューブレスが主流であることを今年初めて知った。そして、車もバイク(モーターバイク)もチューブレスが主流であると”今日”知った。
FBで「クルマのタイヤってチューブレスなんですね」と私がアホ発言したことから話は始まる。
このブログは私の疑問からできている。
なぜ車はチューブを”使わない”のか。そしてロードバイクはチューブを”使うのか”考察する。
それぞれのシェアはどれくらいか
チューブが入ったタイヤと、チューブレスタイヤそれぞれのシェアは、ママチャリでは99%チューブが入っている。ロードバイクでは98%がチューブタイプ、残りの2%がチューブレスと考えて大幅な誤差はない。車やバイクを考えると(大型車を除)、ほぼチューブレスだ。なぜこんな分布になったのだろうか。
私はちょうど先日の飲み会でこんな話をしていた。「舞洲で空気圧を8bar~6barまで0.2barづつ落として一番倒せる気圧をテストした」と。この話は後でするが、そもそも空気圧とは何か。
空気圧は”圧”の通り、圧力のことだ。その圧力単位はbar、psi、paで表す。空気入れには”bar”という単位がある。barは”バール”と読む。バーと読むメカニックがいたら教えてあげよう。bar(バール)は今では使われなくなった。以前はスタンダードな気圧などの単位として使われたが、今はPa(パスカル)を用いる。
バールとパスカルの関係は
1 bar = 106dyne/cm2 = 100 kPa
もう一つ、psi(pounds per square inch)がある。経済産業省取り決め上、表記してはいけない。
参考資料:経済産業省「新計量法とSI化の進め方」より
さらに以下にぱっと見渡せる空気圧の単位表と正しい読み方を用意しておこう。
- kPa : キロパスカル
- PSI : ピーエスアイ
- BAR : バール
1bar=100kPa
1bar=14.2PSI
bar | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
psi | 15 | 29 | 44 | 58 | 73 | 87 | 102 | 116 | 131 | 145 |
気圧 | 0.99 | 1.97 | 2.96 | 3.95 | 4.94 | 5.92 | 6.91 | 7.90 | 8.88 | 9.87 |
厳密には1気圧=1barではないが、おおよそ≒(近似)だから問題はない。しかし敏腕メカニックなら引き出しの一つに入れておいても邪魔にならない。
話がまた私の興味にずれたが、自転車の空気圧はだいたい7気圧(700~800kPa)ほどだ。では車はどうだろうか。私は、”車”の空気圧を確認し驚いた。
220~270kPa ⇒ 2.2気圧~2.7気圧
自転車の3分の1以下の空気圧である。
※車種やタイヤによって全く異なる
チューブ式と、チューブレス式において明確な”数値”の違いは空気圧だ。チューブは密閉した形状である。したがって、高気圧でも耐える。だからチューブラー>チューブ>チューブレスの順番で高気圧に対応する。
しかし、チューブにも弱点がある。それはパンクした時の減圧スピードだ。一気にバーストして終わる。原因は、タイヤとチューブの間の隙間から一気に空気が漏れるからだ。ところがチューブレスは、異物が刺さってもスローパンクするにとどまる。
下りで何十キロも出ていたら、どちらが安全かわかるだろう。
まとめると、自転車と異なり車は高速だ。一気にバーストしてしまわないチューブレスタイヤを使うことは安全面から理にかなっている。また、長時間タイヤが高速回転することによる物質温度の上昇も、チューブがない分だけ放熱効果が高いといえる。
したがって、
・安全面
・発熱も低い
・低い空気圧
条件から、車はチューブレスを使うことが理解できる。
人間よがりの別角度からも考察する
デファクトスタンダードという言葉がある。皆が使い市場競争の結果、最終的に選ばれ(他に秀でているものはあるが)主流になった基準。対して国や国際機関が定めた標準規格のデジュリスタンダードがある。
デファクトスタンダードの例は、ブルーレイ、VHS、Windows
デジュリスタンダードの例は、JISやDINだ。
自転車は、自動車の世界においても同じである。
1つの何気ない「なぜ自動車はチューブレスが主流なのか」という疑問から多くのことを考えるキッカケを得た。まとめると、自転車界において(高性能だが)チューブレス化が進まないのは、以下の点にまとめられる。
・めんどくさい
・わりとパンクするのでチューブの入れ替えのほうが早い。
・選択できるメーカーが少ない
したがって、”めんどうだから・不便だから”と、
人間が性能を置き去りにし、チューブレスを受け入れていないことが主流にならない原因と位置づける。
チューブレス化してみた記事
私は逆に使ってみたくなった。
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