秋口から初冬に最適なウェア ASSOS MILLE GT Spring Fall C2 インプレッション

5.0
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後継機種を買ってよかったと思える製品はそれほど多くない。今回紹介するウェアはそんな稀な存在だ。今使用している秋冬用Assosウェアが気に入ってずっと愛用していたが心機一転アップデートした。秋から冬、春先まで使い回せるウェア「ASSOS MILLE GT Spring Fall Jersey C2」だ。

AssosのレイヤリングシステムのCLIMA CODE 2/3のモデルで秋から冬の初め、春先のコンディションでエンデュランス系ライディングを行うために最適化されている。インナーウェアやベストなどを組み合わせレイヤリングしながら様々な気温に対応する基本的な装備として設計されている。

秋の服装でもう悩まない。薄くても暖かい、アソスウェア全天候レイヤリングシステム
寒い冬の時期になると、外の気温と身につけるウェアに悩まされる。 朝家を出るときは寒く感じるが、気温が上がると汗ばみ、峠を登って運動量が上がると服を脱ぎたくなる。だから寒くなる時期のウェア選びがとても難しく感じていた。そんな悩みを持っているのならば、一度アソスの気候に応じたウェア調整を試すといいかもしれない。 7年程前から秋、冬、春先までの7ヶ月間アソスウェアを使いまわして対応してきた。その内容は以...

新しくなったMILLE GT Spring Fall Jersey C2は、通気性、保温性、速乾性の3つが高められた。秋用のウェアに特化するために施された改良ポイントは以下だ。

  • 肌寒いコンディションでも快適かつドライ
  • 日中に暖かくなっても息苦しさを感じさせない
  • 袖全体にRX素材を採用
  • 体温調節機能を高めて冷涼なコンディションをカバー
  • 胸、肩、腹部のフィット感を向上
  • サングラスを収納できるアイウェア・ガレージ

素材やカットを改良することで秋~初冬の気温に最適化したウェアに仕上げられている。エンデュランスメインのライディングポジションを想定した快適性を高めつつも、バイクを降りたときの肌寒さを低減するように素材も工夫されている。

image: Assos

袖口はレースモデルから着想を得たすっきりとしたローカット仕上げだ。グローブやシェルの下に重ね着できるよう袖口のボリュームを抑えている。

昔のウェアといえば、袖口を折り返したダボッとしたモデルが標準的だったが、最新のMILLE GTは袖口が切りっぱなしでグローブを身に着けたときや、さらに着こんだときでも違和感がない。

不要だと思っていたが、あると使ってしまう不思議。

右袖にはサングラスを収納できるアイウェア・ガレージを内蔵しており、薄暗くなった際にサングラスを外すことも想定したウェアになっている。

今回は、プロが契約外で使うことでも知られるウェアの王様AssosのMILLE GT Spring Fall Jersey C2をレビューする。

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Assos独自の機能素材

image: Assos

  • 250g/m²のRXファブリックをフロントパネルに使用
  • ポケットはハニカム構造の218g/m²テキスタイル
  • UPF50+プロテクション

素材に使用されているのは250g/m²のRXファブリックだ。RXファブリックはサイクリングの環境や特徴に特化した特殊ファブリックで、運動強度の変化にともなう体温上昇と、向かい風などの外的要因による体温低下のバランスを上手に調整してくれる。

image: Assos

体温上昇にともなう発汗を生地が素早く吸い上げつつ、意図的に外気や風を通気させることで生地を乾燥させるという相反する性能を合わせ持っている。体温が上がらない場合のライドも考慮されており、フリース素材と肌との間に空気層を作ることによって保温性も高められている。

これらの通気性、保温性、速乾性のバランスをRXファブリックによって実現している。

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フィット感

新型のMILLE GTはAssosのレギュラーフィットだ。エンデュランス走行を行うポジションを主に想定しており、ブラケットポジション位置で最もフィットする。レイヤリングしてもダボつかないきれいな流線型のシルエットを維持している。そのため、胸部の圧迫がなく着やすい設計だ。

腰回りにはゼロプレッシャーウエストという柔らかく伸縮性に優れたウエスト構造が採用されており、腹部の快適性とサポート性を向上している。

image: Assos

アグレッシブなライディングポジションでも、アップライトなライディングポジションでも可動域を広げる仕組みであるセットインスリーブが採用されている。下ハンドルを持って走行をする場合でも柔軟にウェアが変化してくれる。

跳ね水を防止する作り。

バックポケットは3つあり、 ポケットに縫い付けられた柔軟なファブリックパネルが「蓋」になることで、中身を固定し安定させる機能がある。またリアタイヤの水の跳ね上げや、降雨から中身を守る配慮もされている。

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インプレッション

秋口でも快適な着心地。

「ここまで変わってしまうのか」

と、4年前に買ったAssosのウェアと比べて率直に感じてしまった。私の思考の中に「ウェアは大幅にアップデートされない」という固定観念があったのだが、あっさりと崩れ去って、逆に良い思いをした。知識も思い込みもアップデートされたからだ。

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MILLE GT Spring Fall Jersey C2は、もはや同じ会社が製造しているウェアとは思えないほどの進化を遂げていた。おなじ気候条件を想定しているウェアだったはずなのに、最新モデルは薄くて暖かい。

「薄さ」+「暖かさ」

この相反する性能を最新モデルで達成している。だからこそ、初めて使ったときに新型MILLE GTの生地の薄さが気になった。こんなに薄くても暖かさが保てるのだろうかと。4年前の素材よりも薄くてしなやかだ。この心配が無用なのは、先程紹介したRXファブリックの説明にもあるとおりだ。

image: Assos

私は秋冬問わずAssosの Spring Fallモデルだけで10月~4月を過ごすのだが、MILLE GTをベースにしてレイアリング(インナーとアウターの組み合わせ)で解決している。

Spring Fallモデルをベースにして、外気温とトレーニング強度のバランスを考慮し、厚手と薄手のインナー、ウィンドベスト、ダウンベストのレイヤリングを組み合わせて調整する。RXファブリックを採用した新型MILLE GT は、確かに不思議なファブリックで、運動量増加による体温上昇と、入ってくる風のバランスをうまく整えてくれる。

袖口はシームレス。グローブの段差を気にしなくなる。

袖口はもはや別物だ。切りっぱなしのたローカット仕上げになっている。4年前の昔のウェアは、袖口を折り返した厚みのある袖が一般的だった。ローカット仕上げではグローブやシェルの下に違和感なく重ね着できる。例えば、上着をさらに着るときも引っかかることはない。

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なにより、グローブを付けても段差が感じられないのがいい。

フィット感は言わずもがな、Assosはライディング時の姿勢で最も快適になるように設計されている。直立時は若干違和感を感じるかもしれないので、ウェアのフィッティング時は乗車姿勢をエンデュランス系、レース系と複数ポジションをとって細部のフィット感を確認するといい。

大幅なアップデートが施された新型MILLE GTであっても、Assosを好んでいる理由、良い部分が引き継がれていた。

  1. 作りの良さ
  2. 品質の高さ
  3. 着やすさ
  4. 裁断の良さ
  5. チャック開けたとき、締めたときの美しさ

ジッパーを開いた時に、内側からビラビラが出てきて空気が入り込みにくくなっている。

実は5番目がAssosの良さを表している。そこまで考えているのか、と初めてAssosを着た頃は驚いたのだが今では当たり前になっている。例えば、チャックを胸元まで開けたときは、鎖骨辺りに「ビラビラ」があえて出てくるようになっており、外気の入りを抑えてくれる。

image: Assos

チャックを閉めたときは、前傾姿勢を考慮したやや頭が下がり気味の位置が考慮されており、アゴ下に突くような感じもなく、首にまとわりつく不快感もない。

サイズ感に関してだが、169.5cm体重57.5kgの私の場合はSサイズがぴったりだった。実際に試着することが望ましいが、Assosが公開しているウェアのサイズを参考にしてほしい。

ジッパーの細かい末端部分にもAssosが宿る。

Assosのウェアは、カタログに記載されていないような細かな配慮が多い。着た時のフィット感、運動中の汗処理、チャックを開け締めした時のウェアの見栄え、バックポケットの防水性、袖口のカット、チャックを上げきった時のプロテクター、タグの切り取り線など、上げればきりがない。

だからこそ、Assosウェアは高価だ。

ただ、高価であるだけの理由が詰め込まれている。私も数年前にAssosを一式購入した。今でも現役だ。高品質、かつ耐久性にも優れたAssosウェアを一度使ってみてほしい。サイクリストなら、使えば必ず価値がわかるはずだ。Assosは乗る人を第一に考えた製品を生み出している。

【ASSOS / アソス】MILLE GT SPRING FALL LS JERSEY C2 black(春秋・初冬向け フリース生地で柔らかな長袖ジャージ)
暖かさ指数 ★★☆☆☆ 春秋~初冬の主役、心地良い暖かさを生む裏起毛ジャージ 夏のジャージ、冬のジャケット、その間を埋めるミッドウェイトの裏起毛ジャージの定番がこちら。「C2」バージョンへ移行して、対応温度域をより低い気温へとシフトさせました。春と秋の寒暖差に対応しつつ、真冬の一歩手前まで対応出来るよう、各部位の保温性を底上げ。全体を構成するフリース素材は、通気性・速乾性にも優れいることから、気温...
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