ドリンクも自分に合う合わないがある。特に糖質の濃度や量は試してみないと本当にわからない。わたしも昔、レース当日用にめちゃくちゃ高価なジェルを購入していた。しかし、ぶっつけ本番で使用することはやめたほうがいい。
その昔、レース当日に「高価なスペシャルドリンク」を飲むことを楽しみにしていた。ただ、当日飲んでみるとクソマズでさらに気持ち悪くなってしまいレースが終わってしまった。それ以来、レースに使うあらゆる機材、補給は練習で試したものじゃないと使わないようにしている。
練習で試してからじゃないと、本番では使ってはいけない。何が起こるかわからないからだ。ソフトウェアのリリースも、バグフィックスをしてから本番用をリリースする。いきなり本番用として動作がわからないソフトウェアを出すわけがない。補給も同じだ。
糖質はエネルギーの主要な供給源だ。運動中に体は糖質を速やかに燃焼し、そのエネルギーを筋肉の動きに変換しする。糖質濃度が3~8%のスポーツドリンクは、エネルギー補給と血糖値維持の観点から最適と言われている。
ただし、過剰な糖質摂取は逆効果になることがある。糖質濃度が8%を超えると、胃内容物の排出速度が遅くなり、吸収速度が低下する。これにより、エネルギー供給が遅くなり、さらには胃の不快感を引き起こす可能性がある。
一部のメーカーは、この問題を解決するために16%程度の高糖質濃度のスポーツドリンクを製造しているが、これらの飲料の効果についての科学的根拠はまだ不十分だ。
実際に、自分の体に合う配合は試してみるしかない。よく参考にしている書籍スポーツ栄養学でも濃度8%以上で吸収が飽和してしまう実験結果が掲載されている。したがって、はじめは糖質濃度は8%のドリンクから始めたほうがいいだろう。
一例ではあるが、私の場合はデュアルソース飲料を自作して以下の比率でドリンクを作っている。
- ドリンク:500mlに対して90gの糖質(濃度15%弱)
- ジェル:200mlに対して120gの糖質(濃度37%弱)
- フラスコ:サロモン250ml用
4時間の運動であれば、ジェル1本(120g)と700mlのボトル2本(126gx2)でちょうど足りる計算だ。しかし、実際に自分の体が受け付けるかどうかは試してみないとわからない。
実際のところ、5月〜6月の気候で6時間ほどの練習であれば上記で補給とドリンクはまかなえている。ただ、繰り返し自分の体で人体実験して反応を確認してから、レースで使うようにした方がいい。
レース当日に、数回しか使ったことのないスペシャルなドリンクやジェルを試す人がいるが、ある意味罰ゲーム、毒だ。レースは試す場ではない。練習で試して、良いものをレースに投入する。そうしないと、大事なレースを棒に振ってしまいかねない。