土井雪広選手の「敗北のない競技」を読んだ感想

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敗北のない競技

土井選手の書籍敗北のない競技をどうしても読みたくて、発売は明日だけど書店を探し回って買ってきた。ジュンク堂は夜になると次の日に発売する可能性のある書籍が並ぶ場合がある。

書籍検索のパソコンで検索したら、在庫なしだった。でも、在庫のデーターベースに登録されていないが、棚に並んでいる事を私は知っている。一冊だけ置いてあった。帰りの電車で読みふけった。

土井選手と意外な共通点があった。スキーのアルペンのジュニアということと、オフトレで始めた自転車だ。妙に親近感がわく。アルペンは自転車と似ている。あるコースを一番早くゴールした選手の勝ち。単純だ。空気抵抗も考慮してワンピを着る。あと、同い年だ。

最高速度はダウンヒルの場合80km以上出ることもあるので、スピードと下りの耐性は着いているはずだ。土井選手と自分は同い年らしい。同じ時期に、同じスキーをして、オフトレで自転車に乗って、とそういうパターンもあるのだなと思った。同じだけ生きてきた土井選手と、自分の生きてきた道を重ね合わせると感慨深い。

また、年齢的な将来の事も共感できるそんな本だった。では、少しづつ読んでみて率直な感想を書いていこう。

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土井選手の自叙伝ではない

はじめ、自叙伝という風に聞いていた。だが違った。確かに生い立ちは書いてあるが、走ってきた中での事実が綴られている。割とタブーも恐れずに書かれている。

自転車競技はマイナーだ。競技人口も少ない。そのことも本書で触れられている。この本は珍しい。数少ない1人のロードレースの選手の本として構成されている。マイナースポーツなのにだ。

だからこそ、我々サイクリストにとって「向こう側」の世界を伝えてくれる貴重な本である。マイナー競技(日本においてだが)の日本人選手が書いた本は別の意味で走る人間にとっては価値がある。

市場が狭いことも作用して、今までこの手の本(ある特定の日本人の本)はなかったと記憶している。万人受けする本ではない(自転車に乗っていてもだ)。ただ、ロードレースもしくは自転車競技に取り組むものとして(限られた範囲)必ず読んでおきたい内容だ。

土井選手の練習や、プロ時代の役割と、我々がテレビの中で走る土井選手はそこにはいない。だから余計に読んでいて面白い。別府選手との話も書かれている。

読み進めて行くうちに、広島中央森林公園や実際に全日本選手権で勝った時のエピソードなど、そんなことがあったのかと少しジーンとくる描写もある。どこか得体の知れないロードレースを走る「超人」の人間的な面と人間的な努力を知ると見え方が変わる。

本当はついさっき超人になったわけではなく、努力の上の力だと読み進めて行くうちに理解できた。

いづれにしろ、今は仕事が溜まって時間がないので白浜にこの本を持って行って夜に読むつもりだ。と、書いたが、通勤時間の電車で読み終わった。確か、白浜に土井選手も出場する。もし、可能なら発売したばかりだし、この本を持参してみよう。こっそりマッキーを持参して。

(翌日に追加)今日は仕事に早く行く必要があるので5:30に起きてローラーを回しながら読む。土井選手は書籍「トッププロが教えるロードバイクトレーニング 」でパワーについて語っていた。日本人はパワーパワー言い過ぎ、と。私もその中の一人なのかもしれないが、土井選手は当ブログなんて見ているはずもないので私はその中には含まれていないはずだが(笑

土井選手が実施していたトレーニングの詳細な内容は多くない。ただ、要点だけポツリポツリと記載されている。そこから読み取れることは多くはないが、少しのヒントにはなった。「LSDはもはや違う手法に変わっている」、「パワー基準」、「ウェイトレシオ基準」とある。

しかし一つだけ本書を読んでわかったことが有る。それはパワーを理解し、運動生理学を理解し、活用できる「頭の良い運動しない科学者トレーナー」がいて初めてパワートレーニングは成り立つものだと。

土井選手が行っていたパワートレーニングと比べると、日本のアマチュアサイクリストはほぼ全員(一部は違うだろうが)「パワーを見て楽しむサイクリスト」だ。パワーは苦しむものだと、そして自転車選手の仕事は「苦しむこと」と本書で書かれている。

パワートレーニングの残酷さも考えさせられる内容だ。

あと、ドーピングについても実名をあげて触れている。シークレットレースにもあるように「やらないと勝てない環境がある」と赤裸々に書かれている。そして、土井選手がSRMを使い始めてどのようなトレー二ングをしていたのかその一部が書かれている。

その点でも、リアルなロードレースが伝わってくる。ロードレース、いや自転車に乗る人全てに読んで欲しい。読み進めるのが楽しい。私はおよそ5時間ほどでほとんど読み終わってしまう、そんな引き込まれる本である。

土井選手は、三十代の人がどんな生活をしているのがわからなく興味があると書かれていた。私からすると平凡に会社に行って毎日仕事して帰宅する。それらの掃いて捨てるほどいる母数からすると、土井選手が歩んできた数える程しかいない人間の経験の方が私は価値があるように見える。

結局サラリーマンや、プロロードレーサーから見た隣の芝は、あおあおと生い茂っているのだろう。ただ、本書「敗北のない競技」」を読んで決してそうではないのだと、同年代のサラリーマンサイクリストの私は改めて考えさせられたのである。

土井選手は怖いイメージがあったが、同い年、スキーのJrというつながりで少し親近感が沸いた。白浜では応援しよう。

敗北のない競技:僕の見たサイクルロードレース
土井 雪広
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