タイトルで釣りつつ、実は本当に今回修理して存命することになったライトがある。「BB Boro MT-1.0」だ。2013年の4月に購入し、早2年半以上が経とうとしている。紆余曲折があり、私の中でライトの決定版として今でも使い続けているのだ。納得の行かない機材はすぐに放出する私が特に気に入っているロングセラー(個人的)商品だ。
今回2年間以上にも及ぶ使用が重なり、USB充電口が壊れてしまった。もちろん通常使用による経年劣化であるが、本当に高いだけあって本当に頑丈なライトだった。壊れてしまったものの実際に直せないかと分解してみることにした。早速分解すると非常に簡素な構造となっている。
BB Boro MT-1.0を直す
ご覧のとおり「ぽろり」と外れたUSB接合部が虚しく横たわる。この四方向と小さな3つの並列接合部を繋げれば治りそうだ。ここからが問題で残っているハンダを取り除き、実際にハンダ付けしなくてはならない。もちろんハンダゴテが無いと話にならない。
もちろん家庭に一つはあると思われる(?)ハンダゴテであるが、さらにハンダ吸取線も完璧な施術の為に用意しておきたい。ハンダ吸取線は毛細管現象を利用して不要なハンダを吸い上げる。壊れた際に残っていたハンダを綺麗に吸い取ってサラ地にして新しいハンダを流し込む。
はるか昔の話になるが、学生の時にギターを買った(誰しもが一度は通りすぎる青春だ)。その際に弾くことよりも、私はギターのエフェクターを自作する方に(やはり)走った。これが結構面白く、音質や美しいディストーション(歪んだ音色)を追求するにはなるべくムダな抵抗を排除しなくてはならなかった。
その為に抵抗値が低い銀ハンダを使ったり、回路数を少なくしたりと結構楽しかった記憶がある。自分で回路図を書き頭の中で歪む音を想像したが、現実はそう甘くはなかった。ただ、この頃からパワーメーターに代表される「ひずみ」に取り憑かれていたのかもしれない。
そんなことを思い出しつつ、ひとつひとつ丁寧にハンダ付けをしていく。自分のお気に入りのエフェクターを作っていた若いころを思い出し、今は夜練習するためのライトを修理する。時代は変われど時間と、手間をかけ、男子の夢とロマンはいつの時代も変わることはない。
「修理」という行為は一つのゴールがある。ある状態に戻すこと、もしくは自身の望ましい状態に持っていくこと。エフェクターであれば「良い歪んだ音」を出すことが目的だった。今はライトを「もう一度輝かせる」それが到達地点だ。
直してからそっとUSBの口にケーブルを刺し込み、充電をする。緊張する一瞬である。ぼんやりと青いLEDが輝き始める。普通に買っただけならこの青いライトに感動はまずしない。しかし、自分で「修理した」という行為が再び光りだした青いライトに不思議な価値を持たせる。
わりとサクッと修理出来て拍子抜けしたが、200ルーメンを放つ「BB Boro MT-1.0」はさらに私のお気に入りなった。どうにか直したいと思える機材だということ、長く使ってもなかなか壊れない機材は愛着が湧いてくる。今後もこのライトは私の闇夜を照らし続け、夜練を快適な空間へと変えていくだろう。
本ライトに関する詳細とインプレッションは「BB Boro MT-1.0インプレッション 明るく小さいライトの決定版 」に纏めてあります。
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