もはやこの大きな潮流は止められないところまで来た。シマノ、スラムのディスクブレーキシステムの台頭により、残るカンパニョーロもついにディスクブレーキシステムに舵を切る。UCIもプロレースに試験的に投入することを許可していることからも、ようやくリムブレーキから新たなシステムへと変わろうとしている。
ただ、ロード向けのディスクブレーキシステムといえばスラムやシマノが先駆けて開発と販売を進めているもののどこか無骨で無機質な感じは捨てきれなかった。カンパニョーロユーザーは彼らのスタイルがやはりあり、ディスクブレーキシステムなど毛頭考えなかったはずだ。
カンパニョーロ ディスクブレーキ
今回カンパニョーロ ディスクブレーキシステムを見て好印象なのは、カンパニョーロらしさが残っているところだ。特に同時開発されたディスクブレーキシステムのホイール。。。これは今まで見たディスクブレーキ対応ホイールの中では特別美しい。
Photo:velonews
な、なんと「前後G3組」というディスクブレーキホイールのみが許された前後G3組のホイールだ。通常ディスクローター側は制動力を考慮したタンジェント組が一般的である。その部分をカンパニョーロはG3組というなんともわかってるホイールを用意した。
ただし、うまく考えられていて横から見たらG3っぽいが(もちろんリムへの入り方はG3だ)よく見てみるとハブは我々がよく知るBORAのそれと違う。無骨な印象の、どちらかといえばシマノのハブで採用しているタイプのハブだ。
となると、フルクラムのディスクブレーキシステムも、、と考えてしまうが今現在MTB用のフロントホイールは例の組み方を採用していない。今回のディスクブレーキシステムのホイールは地球上でカンパニョーロだけに許された構造体と言えるだろう。まだこのホイールの名前は付いていない。
campi tech lab
とだけ記載されたホイールはおそらくプロトタイプだろう。もしかしたら、まだテスト中でこれから強度やそれらホイールとしてのバランスを煮詰めていく作業があるのかもしれない。今回、カンパニョーロはEPS電動システムを採用している。もちろんどれほど軽いのかは定かではない。
おそらく「カンパニョーロ x EPS x ディスク」という全盛りのコンポーネントはびっくりするような価格で我々の目の前に登場するだろう。カーボンをふんだんに使い、高級路線を突き進む。それらは軽さを実現するだろうが、サイクリストのお財布の軽量化も懸念される。
もう一つ最後に気になることがある。「カンパニョーロって油圧ディスク作れるの?」というそもそも論だ。私は今回ローンチされたカンパニョーロのディスクブレーキシステムの「ディスクローター」に着目した。嗚呼、これはMAGRAのstorm SL 140mmのソックリさん。。
MTBやってなかったら、判別つかずに「さすがカンパニョーロらしい肉抜きだ」と言っていることだろう。あ、なんかキャリパーはまったくマグラっぽくないのでこれは自社開発なのだろうか。しかしながら、同社のディスクブレーキシステムは初物ということもありその性能に不安は残る。
また、現在のロード向けディスクブレーキシステムの議論の的は「ハブ規格」の悩みである。特にシクロクロスのマシンではフロントクイック9mm、スルーアスクル10mm、12mm、15mmとさらにリアは135mmQR、142mmスルーアスクルと、まさに規格乱立状態。ではカンパニョーロは?となったが、どうやらスルーアスクルを採用している。
カンパニョーロがスルーアスクルを採用した理由は定かではないが、明らかに市場は動くはずだ。ロードディスクブレーキシステムに今望まれるのは、いち早く規格が落ち着き(デファクト)スタンダードが決まることだ。そうしないといつまでたっても感じのサイクリストは落ち着かないし、手が出せない。/p>
いっそのこと3社で話し合って規格を一本化・・・なんて事は不可能だろうが、今年発売予定のDURAACEのディスク仕様の噂もあることだし、規格がどこに落ち着くのか見ものだ。もしからしたら・・・というたらればの話になるが、自転車界の思惑は別のところにあるのかもしれない。
規格で惑わせ、互換性をなくし「機材を売る」事。そのぶんユーザーはメーカーに振り回され資金を投じる。ま、まさかここにUCIや各メーカーの真の思惑が!?なんて想像をしながら我々サイクリストは冷静に各社の動向を今は見守るべきだ。
カンパニョーロ(CAMPAGNOLO)
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