エアロダイナミクスのコンサルティングや空力機材を開発するaerocoachが、ハンドル幅を狭めた場合にどれだけ空気抵抗が改善できるか実験結果を公開している。
aerocoachの機材といえば、マチューがTDFで同社のTTホイールAEOXを用い、最近ではレムコがブエルタのTTでホイールを用いた。
実験は3種類のトラック用ハンドルバーを用いられた。3名の異なる選手がベロドロームで様々な速度域で走り空力性能の測定が行われた。
以下が用いたハンドル幅。
- 280mm
- 330mm
- 380mm
以下は体型の異なる3人のライダー。
- 女性エンデュランス系:53kg / 165cm
- 男性エンデュランス系:75kg / 180cm
- 男性スプリンター系:90kg / 184cm
女性エンデュランスライダーの場合、ハンドル幅を380mm→280mmに変更すると10w以上の空力改善が見込める結果になった。
- 45km/h:11.3w
- 50km/h:15.5w
- 55km/h:20.6w
男性エンデュランスライダーの場合もハンドル幅を380mm→280mmに変更すると大幅な空力改善が見込める結果になった。
- 50km/h:35.6w
- 55km/h:47.4w
- 60km/h:61.5w
最後に男性スプリンターの場合だ。トラック競技の種目によっては速度が70km/h以上にもおよぶ。75km/hの領域ではハンドル幅の違いで100.3wもの空力改善が見込める結果となった。
- 60km/h:51.4w
- 65km/h:65.3w
- 70km/h:81.6w
- 75km/h:100.3w
トラック競技は幅の狭いハンドルが愛用されており、梶原選手が実際に280mmのハンドル幅を使用している。大柄な男性選手でも350mmを用いる選手もいる。
同社が販売しているAeroCoach Lann track handlebarsのトップ幅は300mmと340mmの2種類を展開している。
10月発売予定のAeroCoach Ornix road handlebarsはトップ(ブラケット取り付け)幅が325mm、ドロップ幅が375mmで世界最速のハンドルとして登場予定だ。ENVE SESよりも4.7w空力性能が優れており、一般的な円ハンドルと比較すると21.4w空力性能が優れている。
トラック競技で達する70km/h以上の世界は一般ライダーには無縁だが、アマチュアのゴールスプリント45km/h前後の領域でもハンドル幅を改善するだけで大きな空力改善が見込めそうだ。