昨年の乗鞍において、森本選手が使用していた「スケスケワンピ」がついに製品化された。ゴールデンウィークという絶好の機会で販売が開始されたため、私はいち早くテストすることにした。前作のセパレートワンピ1.0(勝手に命名)はチームェアとして使用してたものの、新型のセパレートワンピ2.0(正式名称:メッシュセパレートワンピース)は今回の使用が初めてだ。
言ってしまえば前作1.0と最新作2.0はもはや別物だ。申し訳ないが、1.0に戻りたくない程に改良されていた。スペシャのシューズでもそうだが、新型が出ると良く改良されていて、前のモデルには戻りたくなくなる現象が起こる。今回セパレートワンピでもそうだった。
2.0の構造はサンボルトのお家芸「セパレートワンピ」をベースにしてているものの、使っている素材の伸縮性やパターンが全く異なる。そして裁断も全く別物だし、チャックの部分に至るまで別物に変更されていた。まさに1.0をベースをして2.0に昇華していたのだ。
今回は、サンボルトメッシュセパレートワンピをインプレッションする。根本的に何が変わったのか、そして「乳○は透けてしまうのか?」といった他のメディアでは決して突っ込んではいけない部分にまで掘り下げてインプレッションしていこう。
セパレートワンピ2.0
正式名称はメッシュセパレートワンピースだ。私は勝手にセパレートワンピ2.0と呼ぶことにした。しかし「メッシュ」とある通り、前作とは全く異なるジャージだ。色眼鏡ナシに、着るとその違いがわかる。いつも思うのだが、「人がその違いを理解できる」という状態にまで製品を改良することは、私達が思っている以上に大きな差を生じさせなければならない。
今回のメッシュセパレートワンピは、それ程大きな改良が加えられている。
こちらはセパレートワンピ1.0
2.0は見ての通りまったく別物だ。向こう側がスケスケです。体の部位によって、裁断と使用するメッシュの目の細かさをいくつも変化させている点がエグい。
素材を見れば違いは一目瞭然だ。脇の下は一番蒸れやすくメッシュが大きい。ジャージの前面パネル部分は、蜂の巣状のメッシュでわずかに向こう側が透けてみえる。1枚目の写真は、旧作のジャージだがもはや別物である。そして、ジャージの伸び量も異なる。おそらくワンサイズ落としても何ら問題のない程に2.0は伸びる。
襟周りの改良も大きい。
前作は、汗をかくとエリの周りの面積が大きく、首にまとわりついていた。最新作ではそれとは異なり首に沿った無駄のないカットがされており、さらに伸縮性も高い。また、首後ろの「サイズタグ」もなくなっておりプリントに変更されている。この小さな不快感がなくなっただけでも、神経質なサイクリストにとっては嬉しい。
脇の下はメッシュに。
首元は、肉が挟まらないように細かな配慮がされている。
「乳首スケスケ問題」に関しては、メッシュの目の荒さは複数のパターンを使い分けているから気にならない。脇のメッシュは強力で、乗車姿勢のときに背中に空気が抜けていくことがよくわかる。これからの暑い季節に威力を発揮することは間違いない。実はこの記事の執筆は早朝朝練後すぐに書いているのだが、今朝はメッシュワンピは相当寒かった(笑。
首元のチャックは少し開けていても型くずれすることはない。また、チャックが使いやすくさらに改良されている。
よく見ると、ジッパーがしっかりと隠れる仕様に変更されている。
ジッパーが隠れることにより、デザインの幅も広がる。
そして、「チャックの抵抗」も大幅に軽減されていた。ジッパーのツマミも延長されており、レース最中でも開けしめが非常にラクだ。チャックの開閉は、引っ張ったときにスーッと開けることができる。前作のモデルはでは気づかなかったことが、けっこうチャックの抵抗が大きかった。また、ツマミが小さくレースの疲労の最中において結構意識をしないとチャックを開閉することができなかった。
その点2.0はヘロヘロになりながらでも無意識にチャックを開けられる。この抵抗の少なさ大きな改善ポイントと言えよう。また、チャックは中にしまい込まれ全て閉めるとチャックが見えないのもポイントだ。これでデザイン性を損ねることなく見た目の印象も良い。
太もも部分のゴムはやや短めになっている。前作は少々長すぎたからこのくらいがちょうどよい。無意識でなにも違和感もないし、締め付け具合もちょうどよい。
新開発のパッド
パッドがさらによくなった。取り付けられている位置も絶妙で坐骨の位置にパッドがしっかりと位置してくれている。そして男性のデリケートな部分のの作りが秀逸だ・・・。デリケートな部分が包み込まれるようにフィットしてくれる。厚みも適度で、クッション性も良く不満がない。
最大のアップデートは「バックポケット」
これを、、、
!?
というのが、最大のアップデートだ。このバックポケットはよく考えたなと思う。ご覧の通りバックポケットが「分離式」なのだ。この構造は1.0を使用していた方にとっては相当嬉しいと思う。セパレートワンピを着ながら乗車姿勢がきつくなってくると、バックポケットが邪魔をしてジャージを首元から引っ張ってしまうのだ。ただ、分離シイを採用した改良アイデアのおかげでこの現象はおこらなくなった。
事実、1.0とは異なり首横の肩周辺の突っ張りがなくなった。
ポケットの数は2つだが、新素材はまるでゴムのように伸びるから補給食も入れやすいため、前作よりも容量は増している。
アレのときも安心。
今回のセパレートワンピ2.0は素材から構造まで細かなアップデートがなされている。この記事の伸びの良さは、お手洗いでも活躍する・・・。こうやって、こうやると、簡単に用を足せるのだ。伸縮性が高いことは、利便性向上につながる。なお、記事が伸びやすいため、「ビリッ」となならない。前作の生地はちょっと硬くてビリっと・・・なってしまった。
5/1少量で販売開始
モデル、ワイ(169.5cm,60kgでMサイズぴったり)
やはりおすすめは白。
黒の調子が良かったため、もう一着白も合わせて購入することにした。私はセパレートワンピを使い始めてから、着るのが楽だし、選択する枚数も少ないので普段から使用している。
兼松選手や森本選手達が先行で使用していたこのジャージだが、ゴールデンウィークに合わせてついに製品化された。
SUNVOLT メッシュセパレートワンピース(半袖)(ホワイト・柄)
白が僅かに乳首が透けるが、白はこの季節からおすすめ。
SUNVOLT メッシュセパレートワンピース(半袖)(カモフラ)
カモフラは乳首透けたくない人へ。
SUNVOLT メッシュセパレートワンピース(半袖)(ネイビー・柄)
ネイビーは落ち着いた雰囲気。デザイン性も良い。
SUNVOLT メッシュセパレートワンピース(半袖)(ブラック)
スタンダードなブラック。
SUNVOLT メッシュセパレートワンピース(半袖)(ブラック・柄)
メタルプレートな柄もおしゃれだ。
まとめ:やっぱり第二世代は良い。
やはり自転車機材でもなんでもそうだが、第二世代の製品は良い。パイオニアペダリングモニターしかり、なんでもそうだ。ただ、その第二世代に突入するためには企業の開発力と、改善する能力も問われる。そのためには企業体力も必要だし、資金も必要だ。
大阪が誇るサンボルトの開発力は、現場主義にある。日本国内のヒルクライムやロードレースの上位陣(森本選手、高岡選手、中村選手、井上選手、松木選手と上げたらキリがないほどに・・・)はほとんどがサンボルト製のジャージを着用している。多くの強豪アマチュアやチームからのリアルタイムなフィードバックは今後の製品開発にも生かされていくのだろう。
今年の夏は、このメッシュセパレートワンピを着用した「スケスケおじさん」が全国に出没すると思うが、決して通報しないでほしい。