ここがいけてなかった。TREK Emonda インプレッションその後。

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Emondaを購入した当時、特徴的なしなやかな乗り心地と長距離を乗ったときでも脚にこないやさしさで私を魅了した。珍しく長く乗ったバイクだったが、長く乗れば乗るほど良いところも、悪いところも見えてくるようになる。

Emondaを購入した当時、2000km~5000km程度の乗り込みでは良いところしか見つからなかった。しかし、さらにその先の距離を乗り込むと「相対的」に機能面や剛性面といった部分に満足のいかないところも出てきてしまった。

今回の記事は、「いま」という時点から「あのとき」のEmondaを振り返ってインプレッションをした。いまとなれば冷静になって、より引いた目線でEmondaというバイクをより正確に、高い解像度をもって評価できるはずだ。

合わせて、動画でも解説した。

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動画で解説

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ヘッドチューブが長い

下の図は、実際のジオメトリをもとにTARMAC SL7とEmondaの52を比較した図だ。濃い赤がTARMAC SL7でうすい赤がEmondaだ。EmondaはTarmac SL7と比較して+8cmほどヘッドチューブが長い。

Emondaのヘッドチューブ長は他のバイクと比べてみてもはやり長い。スペーサーなども入れて比較した場合、10mm前後ハンドルが高くなる。TARMACやVENGEでベタ底でステムを使用していた場合、Emondaを使用する際に同じハンドル高さを出せなくなる。

そのため、17°や20°のステムを使用していた。ただ、操作性に難があり結局TARMAC ステムの13°に落ち着いた。操作性とハンドル高さのベストを出すのならば、も少しヘッドチューブ長が短くても良いと思う。

新型Madoneも52サイズであればEmondaと同じヘッドチューブ長であるため、TREKのバイクで小さいサイズは設計上しかたがないことかもしれない。ただ、ヘッドチューブが短いVENGEから乗り換える場合はジオメトリをよく確認しないと、狙ったポジションが出せない可能性がある。

ただし、ハンドル位置が上だと登りは走りやすくなる。

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アイオロスハンドル

Emondaを購入したときに純正の一体型のアイオロスハンドルを導入したかった。しかし、リーチが100mmという設計でどう考えても時代と逆行していた。使えないわけではないが、実際に取り付けてみるとハンドルがとても遠く感じる。

AEROFLYのリーチは75mmと80mmだ。RAPIDEハンドルは80mmの設計にしておりやはり分かっているな、と感じた。できれば純正部品でEmondaを組みたかったが結局SPECIALIZEDのTARMACステムとAEROFLYを使うことにした。

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スルーアクスル周りの作り込み

これは他社のバイクと比べてみて、相対的に思った作り込み部分について満足のいかないところがあった。過去のインプレッション記事でも書いたが、スルーアクスルが刺さる部分の作り込みが非常に甘い。おそらく、あまり考えていなかったのではないかと疑ったほどだ。

細かいところは気にしない方なら、本当にどうでもいい話かもしれないがEmondaが気に入っていただけに「これはちょっと・・・。」と思った。

TARMAC SL7やAEROADと比べてみると一目瞭然で、フレームとスルーアクスルのヘッドのクリアランスが空きすぎている。空いていても問題ないじゃないか、と主かもしれない。しかし、走っているとこの部分にゴミがどんどん溜まってくるのだ。

このゴミは、スルーアクスルを外した際に一緒にくっついてくる。そして、もう一度差し直したときにネジ山に入り込んで、「ジャリジャリ」という音がする。

小さいことだが、やはり他社と比べると劣る部分だった。

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シートポスト円柱問題

Emondaはエアロロードではない、と前置きをしつつも「空力にうるさい時代にこれは・・・。」と思ったのがシートポスト(シートマスト)の形状だ。

円柱は空力的に最悪の形状だ。上の図のように「豆」みたいな円柱と「エアロフォイル形状」の空気抵抗が同じだから恐ろしい。したがって、ワイヤホース、ブレーキホース、ましてやシートポストの特大な円柱が採用されていることが信じられなかった。

とは言えうものの、実はこの円柱には理由がある。EmondaはHEESというAiで導き出した「空力」「重量」「剛性」そして「乗り心地」のバランスを最適化している。「乗り心地」のパラメーターを少しでも高めた場合、しなりのいい円柱のシートマストになったようだ。

やみくもにエアロを追求したバイクではないため理解はできる。しかし、Dogma Fがそうだったように形状と薄さでもうすこしどうにかならなかったものか。後から考えてみれば、やはりエアロフォイル形状を採用すべきだったと考えている。

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ジャンクションの位置が微妙

ジャンクションの取り付け位置も進化が取り残された部分だ。ハンドルのバーエンドに取り付けられるものの、フレームに内装してほしかったというのが正直な感想だ。特にVENGEからの乗り換えだったため、ジャンクションの配置に関しては劣化してしまった。

SL7やVENGEは本当によく作り込まれたバイクだと思わずにはいられなかった。それでも、バーエンドにジャンクションを取り付ければ良い話だし、Emondaというバイクを成立させるためには、あえてフレームの特性が変わってしまうような作り込みを排除したのかもしれない。

新型Dura-ACEの登場で、いまはワイヤレス化の時代になってしまったからある意味時代を先取りしていたのかもしれないが、やはりジャンクションの位置はシートマスト部分に設置してほしかった。

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リムブレーキEmondaと別物

リムブレーキのEMONDA SLR 10は市販完成車の状態で5kg台(間違えないように補足:ごきろ)の狂ったバイクだった。しかし、超個性的なフィーリングと軽量化を突き詰めたバイクで人気があった。だからこそあえて書いておきたい。

リムブレーキのEmondaからの乗り換えは注意が必要だ。いま、リムブレーキのEmondaが気に入っているのならば、DISCのEmondaは別物だと思った方がいい。昔付き合っていた彼女に思いを馳せながら、会ってみたら現代の荒波に揉まれて別人に変わってしまったような気分を受けた。

名前は同じだが、外見も、性格も違う。昔の方がいいという人もいるし、いまの方がいい、という人もいるだろう。趣味趣向が異なるが、「あの頃のあの人」を想像していまのEmondaに「乗り換える」のは危険だ。

TREKが好き、Madoneはエアロしすぎだ、という方にはEmondaは良いだろう。しかし、純粋にあのリムブレーキの異常なまでの軽さとパリッとしたフィーリングを求めているとしたらもう、あの頃のEmondaはいない。

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まとめ:誰にでも安心しておすすめできるバイク

今回は、Emondaについて振り返り「ここはあかんかった」というところをあえて書いた。これまで色々なデメリット面を記載してきたが、過去のインプレッションを見返すと8割良いことを書いている。

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これらを俯瞰してみると、登場時の興奮や目新しさ、新製品への期待といったプラス面に働くいわばポジティブなバイアスが少なからず働いていたのかもしれない。それらを差し引いてもEmondaは良いバイクだと思うし、バランスが取れている。

だからこそ、そつがなく、中庸で退屈なバイクとも言えるが、それゆえ誰にでも安心しておすすめできるバイクだ。

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