写真:SUNVOLT
表彰台に立つような選手たちは、いったいどんなウェアを着用しているのだろうか。彼らが使用する機材にはいつも注目があつまる。それらは主にフレームやホイールに対してなのだが、ことウェアという「機材」に関して言えばあまり注目されることはなかった。
私は素朴な疑問を持って、最近開催された国内のアマチュアレースシーンをつぶさに眺めていた。選手といえどアマチュアであれば好きな機材を使えるし、機材選択のシバリもない。だから強豪アマチュアたちが使用する機材にいつも注目していた。
北海道の大自然を舞台に、「UCIグランフォンドニセコ」というレースが開催された。北海道の大自然をひた走る壮大なレースだ。優勝した田崎選手が着用していたのは、バレットの軽量ワンピースだった。2位の高岡選手はSUNVOLTのワンピースだった。互いに、ワンピースを使用していることから、レースでエアロダイナミクスを追求することは、プロ・アマ問わず重要な要素になってきている。
ロードレースから少し目を離して、ヒルクライムのレースを見てみよう。印象的だったのは富士ヒルクライムの戦いだ。接戦だった1位と2位の森本選手、兼松選手が共に着用していたのは、SUNVOLTのワンピースだった。今までヒルクライムのレースは軽さが最も重要な要素だったが、突き詰める所まで突き詰めたせいか、最近は転がり抵抗削減や、エアロダイナミクスの向上を狙った機材選択にシフトしてきている。
ちなみに、私も同じくSUNVOLTのウェアを着用している(←聞いていない)。しかし、今だから言わせて欲しい。私がSUNVOLTを使用し始めた2010年当時のオーダージャージは、現行販売しているジャージと比べて十分に満足のいく品物ではなかった。
サイズもやや大きめで、日本人の体型にしっかりと合うジャージではなかった。首元の作りも甘く、パッドもお世辞にも良いといえるものではなかった。何回か洗っていくとパンツはヨレヨレになり、色が薄くなってしまうそんなジャージだった。
当時のSUNVOLTのイメージは、「安価にジャージをオーダーできるメーカー」だった。あれから随分と時間が経過し、SUNVOLTはただ安いだけのブランドではなくなった。SUNVOLTのジャージは、高い品質と「レースで勝つためのジャージ」へと進化していったのだ。
そんなSUNVOLTの中で最も新しいプロダクト、「セパレートワンピース」を購入しテストすることにした。二日間かけて開催された西日本ロードクラシックの1日目と、2日目で、同社のワンピースを2種類試した。1種類目は以前ご紹介した「PROfitライトワンピース」である。2種類目は新型の「セパレートワンピース」だ。
今回は、SUNVOLTのセパレートワンピースに迫る。そして実際に、PROfitライトワンピースと新型のセパレートワンピースを使い、感じ得た性能、着心地、機能について記していく。
SUNVOLT セパレートワンピース
SUNVOLTは大阪に本拠地を置くオーダージャージメーカーだ。ジャージの生産は自転車大国の台湾(最近では高品質の証)でおこなわれている。もともとSUNVOLTは、大手メーカーに生地を卸す生地メーカーとしての顔も併せ持つ。そのため様々な生地を豊富に試せる強みがあるから、製品を改良するのが特に早い。
製品の改良スパンが短いことは、確かに魅力的だ。しかし、SUNVOLTの本当の強みはもうすこし別のところ、根本的な取り組みにある。改良するためには、改良するための「ネタ」が必要だ。例えばソフトウェアもそうで「バグ」というネタや、もっと便利にしたいという機能追加というネタが必要になってくる。
SUNVOLTという企業を見た場合、この改良の為のネタを見つけ、製品に反映するまでの過程がとても迅速に行っている。その理由を探っていってみると、同社の地道なR&D(Research & development)活動が目立つ。
同社のR&Dで特に評価される点は、SUNVOLT代表自らが全国各地のレース会場(プロ・アマ問わず)に足を運び、レースの現場で選手のナマの声を拾い集めているということだ(実際に代表だと気づかない人も多い)。そして、意見や要望を製品にすぐさま反映し、新たなテストを日々繰り返している。その地道な活動と、現場のプロ・アマ問わず直接声を吸い上げる取り組みは、ウェア作りへ確実に反映されている。
これら地道な取り組みは、次第に同社の認知度を上げていき、昨今のレースの使用率にも現れはじめている。ツール・ド・おきなわ市民210kmを独走で優勝した高岡選手(Roppongi Express)や二位の井上亮選手が着用していたのもSUNVOLT製のセパレートワンピース(おそらく当時は開発版)だった。
少し話はそれるが、機材の話をする際に勘違いをしていけないことがある。勝つために最も重要な要素は、日々の練習の積み重ねによる選手のフィジカルだ。それらを土台とし、ブースト的な役割として、空気抵抗が小さいウェアだったり、転がりが小さいタイヤ、ハブという「機材」の存在がある。もっとも重要な要素は、練習で培われるフィジカル面であることも忘れずにいたい。
セパレートワンピースは、2017年からSUNVOLTが販売を始めた最もあたらしいプロダクトである。セパレートワンピースで特徴的なのは、上半身のウェア部分が観音開きのように開け閉めできる構造を備えていることだ。通常のワンピースは、おへその付近までチャックを下げるだけの非常にタイトなつくりが一般的である。
今回セパレートワンピースを取り上げて注目しているわけだが、実のところ本音を言えば自分で使用するまでセパレートワンピーのメリットを全く理解することはできなかった。ワンピースという構造を一言で言ってしまえば、ジャージとパンツが繋がった日本で馴染み深いただの「ツナギ」である。しかし、セパレートワンピースを実践で使っていくうちに、徐々にその「ツナギ」のメリットが見えてきたのだ。
重要な「3割」の部分
ワンピースが「着やすい」ということは、着用するとき”だけ”のメリットではない。ワンピースはその構造上、身体に密着する作りなので「着用しにくい」というデメリットがある。「ワンピース=着にくい」というイメージは、私にとって当然のことだった。
このような既成概念をいだく一方で、セパレートワンピースはどのように進化を遂げたのだろうか。セパレートワンピースの構造を一言でいってしまえば、ビブなしレーパンとジャージをくっつけただけの作りである。よくあるワンピースの構造は、チャックが胸元までしか開かないジャージ(クラシックなポロシャツのような)と、ビブなしレーパンを上下くっつけたような構造といえる。
セパレートワンピースの構造といえば、ジャージの胴回り部分のおよそ7割が結合しており、残りの3割の胴回り部分は腹部の開放部である(上図参照)。その為、通常のジャージを着ているときと同じように、暑さに応じてジャージを開け閉めすることができる。
セパレートワンピースのメリットはこの「結合されていない3割」に秘められている。実際にPROfitライトワンピースと、セパレートワンピースを着用してみると、「3割の違い」が生み出すメリットは大きい。
まず、セパレートワンピースはダンシング、エアロポジション、登坂時のアップライトポジションと、レース中の様々な動きに柔軟に対応してくれる。複雑に変化をつけた動きをしても、着用することでで感じるような違和感がない。具体的に言えば、通常のワンピースの場合は、首元からみぞおちの下にかけて生地が引っ張られるような違和感が(わずかに)ある。
特にロードレースでは状況に応じて様々な走り方や乗り方が求められるから、サイクリストは自身の動きを邪魔されることを極端に嫌う。だから、「動きを邪魔しない」という着心地はとても重要な要素だ。激しい動きをするシチュエーションを考えてみると、セパレートワンピースのような構造の意味は大きい。わずか3割の結合部の差は、身体を自由に動かす為に大きな役割を担っている。
このように記述すると、もう一方のProfitライトワンピースは動きつらいと感じてしまうかもしれない。しかし、ライトワンピースとセパレートワンピースを比べるとその傾向がわかる程度だ。
続いて、セパレートワンピースに採用した生地も注目してみたい。SUNVOLTはセパレートワンピースのためだけに生地を独自開発した。この生地は少し変わっていて、毛細管現象を利用し、肌からすばやく汗を吸い上げて空気中へ発散する機能を備えている。大量の汗をかくような暑い時期のロードレースの場合は、吸水速乾性の恩恵を特に受けられる。
真夏の長時間のロードレースやヒルクライムでは、身体の放熱対策もレースの勝敗を分ける重要なカギだ。セパレートワンピースに使用されている特殊な生地とあわせて、ジャージ前面全てを”はだける”ことができる構造は、体を冷やす空冷効果をさらに期待できる。
私はセパレートワンピースを着用し始めてから、インナーウェアを着なくなってしまった。毛細管現象による汗の排出も、速乾性も、期待どおりだった。これらの事実は、インナーウェアを着用しなくても良いと判断するためには十分すぎる程の性能だった。
バックポケットの利便性
ワンピースにありがちな問題といえばバックポケットの有無だ。エアロ効果を追求しすぎるあまり、メーカーやユーザーはバックポケットを排除してしまう場合がある(なおオーダー時にバックポケットの有無を選択可)。ワンピースにバックポケットが備わっておらず、長時間のロードレースやエンデューロに出場したいのに補給食を入れられない、なんて経験をした事が過去にあった。
セパレートワンピースには、オプションでバックポケットを備えることができる。通常のジャージのように大きめのバックポケットではないが、補給食や、家の鍵、スマホを十分に収納できる。そしてエアロダイナミクスも犠牲にせず、とてもコンパクトな作りが印象的である。
しばしば練習をご一緒させて頂いている井上亮選手は、セパレートワンピースを練習中に着用していた。
210kmのレースでも、ぎゅうぎゅうにバックポケットへ詰め込めば補給食を収納できるかもしれない。この補給食の量は、人によって摂取量が異なるから一概に言えることではないが、私が試したところ1つのポケットにアミノバイタル2本とスポーツようかんが、やや窮屈めに収納できた。一般的なロードレースの補給であれば、バックポケットの容量は十分と言えるだろう。
なお、SUNVOLTの公式ページを確認するとこのバックポケットの容量について高岡選手の以下のコメントを確認することができる。
「ツールドおきなわ連覇に向けてできる準備は機材面を含めて一切妥協したくなかった。その一つとして最も納得のいくウェアでレースに臨みたいと思いPROfitセパレートワンピースのチームジャージをレースに間に合わせてもらった。セパレートワンピースは、空力面ではTT用のワンピースと遜色なく、途中で補給食が取れない210kmのレースでも問題ないポケットの容量があり、快適性においては通常のセパレートジャージと同じで、TT用ワンピとロード用セパレートジャージの良いとこ取りをしている。大げさではなく、今後のレース用ウェアはロード・TT・ヒルクラム・クリテリウム含めてPROfitセパレートワンピースの一択で良いのではないかと感じている。」
Roppongi Express 高岡選手
とあるように、210kmにも及ぶレースの補給食を入れることも十分可能であるようだ。
重量
ヒルクライマー達はわずか1gの重さを削ることにさえ躍起になる。セパレートワンピースは、その涙ぐましい努力を陰ながらサポートしてくれるかもしれない。軽量化に関して言えば、バイクの重量は6.8kg以下にできないから、選手やメーカーは「制限がある機材以外の何か」を軽量化することに取り組んでいる。
最近の流行は、身につけるアイテムの軽量化だ。ここで、SUNVOLT製のジャージの実重量を確認してみたい。家庭用のキッチンスケールでジャージ重量を測ってみた結果は以下のとおりだ。
- Profitセパレートワンピース(半袖):229g
- Profitライトワンピース(長袖):229.5g
- Profit上下ジャージ半袖:307.5g
なんとセパレートワンピースはライトワンピースより0.5g軽いではないか!
というよりも、それぞれのウェアに対する重量をしっかり注目してみると長袖にも関わらずライトワンピースの軽さが目立つ。ここで注目したいのは、全て「乾燥重量」であるということだ。実際のレースを走ると、大量の汗をかいて体重が1kg以上減ってしまう場合がある。もちろんその汗はジャージが吸収することになる。
レースで使用する事を考えると、速乾性の良いセパレートワンピースを選択したほうが実際の重量が軽くなる事も考えられる。蒸発しきっていない含水分量が乾燥重量分を逆転し、重量面で優位に傾く可能性も十分にありうる(0.5gをどう捉えるかだが)。
各ジャージの数グラムの差をどう考えるかは、人によって答えは様々だ。私は今シーズン初めの伊吹山ヒルクライムにおいて、エアロダイナミクスに優れたライトワンピースを使用した。対して、むし暑く気温が高かった西日本ロードクラシックでは、速乾性を重視してセパレートワンピースを選択した。
結果的に、暑さにはセパレートワンピースが適していた。西日本ロードクラシック2dayにおいてセパレートワンピースとライトワンピースを両方試したが、セパレートワンピースの方が涼しく感じられた。セパレートワンピースの上半身部分に採用されている速乾性に優れたジャージ生地は、予想以上に涼しかったのだ。
使用するシチュエーションにもよるが、ヒルクライムには軽量性を重視したライトワンピースが最も有力な選択である(事実、乗鞍ヒルクライムでの着用率も高い)。しかしながら、放熱対策や暑さ対策を勘案すると、セパレートワンピースを選択するという判断も間違いではない(重量面を差し置いたとしても)。
なお、2017年の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍で優勝した森本誠選手は新型のメッシュワンピースのテスト版を着用し優勝した。その重量はわずか170gだという。今後発売が予想される新型メッシュワンピースは、軽さ、通気性と全方位的に改良がされたウェアのようだ。この新型ウェアの発売は来年を予定しており、別記事で紹介している。
参考記事
洗濯がラクwww
セパレートワンピースの地味に嬉しいポイントをもう1つ紹介してみたい。セパレートワンピースに限ったことではないのだが、ワンピースは洗濯物が「1つ」で済む。それは洗うときも、干すときも、クローゼットにしまうときもだ。そして着るときも、上下をバラバラに探し当てる必要もない。これらの利便性は、予想以上にありがたく、ラクなのだ。
通常のワンピースは、「普段使いできない」という先入観を持っている人がいるかもしれない。しかし、セパレートワンピースはその着やすさや、上半身部分が吸水速乾性に優れたジャージ生地を使用しているため、普段の練習でもジャージ感覚で使用しても違和感がない。事実、私は練習で好んでセパレートワンピースを使用している。
その中でも繰り返し作業の、「着る→洗う→干す→しまう→着る→以下無限ループ」の繰り返しはどう考えても作業が面倒である。通常のジャージであればジャージとビブパンツの2つを洗う必要があるわけだ。その点、セパレートワンピースは1点モノを普段使いできるから、洗うのも干すのも楽でとても重宝している。
価格
プロフィットセパレートワンピースの価格は18,400円(税抜)・・・、という破格の価格設定だ。すこし思考を巡らせて欲しい。ジャージ上下セットが18,400円と考えてみるとわかりやすい。例えばパンツが9800円で、ジャージは8600円といえばわかりが良いだろうか・・・。
様々な機能を備えたセパレートワンピースは、非常に高いコストパフォーマンスを備えている。なお、オプションで仕様変更も可能である。袖のタイプは、半袖と長袖から選択可能だ。そしてエリ部分も選択可能で、襟有りもしくは襟無しから選択できる。なお高岡選手がツール・ド・おきなわで優勝した際は、襟無しモデルを着用していた。
最近のトラックレースのワールドカップを見ていると、「襟なしワンピース」の使用が特に目立つ。恐らくBIORACERが初めて採用したと記憶しているが、放熱や空気抵抗、下を向いた時の引っ張られ感が軽減されるため、好んで使用する選手も多い。
なお、注文時に襟有り無しを混在させることができない。そのためどちらか一方に襟の仕様を統一する必要がある。
使い分け
ここまで説明したとおりSUNVOLTが展開しているワンピースは、セパレートワンピースと、ライトワンピースの2種類のラインナップを展開している。どちらか一方をオーダーしなくてはならないとすると、サイクリストは悩んでしまうだろう。しかし、その答えは意外と簡単だ。私が実際のレースに投入してたどり着いた結論を以下に記そう。
- ヒルクライム:ライトワンピース
- 高気温多湿のヒルクライム:セパレートワンピース
- ロードレース:セパレートワンピース
- エンデューロ:セパレートワンピース
- クリテリウム:セパレートワンピース
- タイムトライアル:ライトワンピース
- 長距離かつ暑いタイムトライアル:セパレートワンピース
- シクロクロス:ライトワンピース
- 普段の練習:セパレートワンピース
- 1月~4月のレース:ライトワンピース
- 5月~9月のレース:セパレートワンピース
- 10月~12月のレース:ライトワンピース
まずワンピースを使用したいメインターゲットのレースや使用用途を明確にする必要がある。そして、シーズン(外気温)的な使い分けや、レースの種目を考えている。なお、上記の分類は私が実際に使って感じた結果を記載している。そのため厳密な定義ではないのだが、参考程度にとどめておいていただきたい。
暑くて空冷効果を期待するならセパレートワンピース。エアロダイナミクスや軽量化を期待するならライトワンピース。このように単純に分類わけをした。未発売のメッシュワンピースがリリースされると上記の使い分けは変動するだろうから、また後日インプレッションしてみたい。
まとめ:SUNVOLTの歴史は、改良の歴史
冒頭の話に少し戻るが、私が初めてSUNVOLTのジャージを使ったのは2010年頃だ。私はまだ20代だったから、あれから結構な時間をSUNVOLTのジャージと歩んできた。2011、2012年の実業団J-ELITEツアー年間総合優勝の際には、記念ジャージをSUNVOLT製で作った事が今でも懐かしい。
ただ、あの頃のビブパンツは5年間程履き倒してしまい、ヨレヨレになってしまった。先日、自転車部屋とジャージ類を整理していたのだが、ふと7年間で私が試したSUNVOLTジャージの枚数を数えてみることにした。
- 某ショップの企画モノジャージ上下4セット(2010年ころ)
- 某ショップチームのジャージの上下4セット・ワンピ4着
- ウィンドブレーカー2着
- 2011記念ジャージ上下1セット
- 2012記念ジャージ上下1セット
- 友人規格ジャージ1着
- イナーメジャージ上下1セット
- ITジャージ上下3セット
- VC VELOCE ジャージ上下2セット、ワンピ2枚(2017年)
- 2012記念ジャージProfit復刻上下1セット(2017年)
7年間で使用したジャージの合計は23枚(ワンピースを含む)、パンツは合計17枚だった。もちろん、全てSUNVOLT製である。初期型から最新のセパレートワンピースまで、実際に使ってみて思う事がある。毎年SUNVOLTは「着実に進化を遂げている」ということだ。
SUNVOLTは、ソフトウェアで言うところのWindows9から10のようなメジャーアップデートから、軽微なバグフィックスをおこなうWindows9→9.1的なマイナーアップデートを常に繰り返している。数あるジャージメーカーの中で、特にアップデートが早いメーカーの1つといえる。
ただ、迅速かつ高い開発能力を有することは良いことでもある一方で、違う側面をユーザーに印象づけてしまうことがある。当ブログにしばしば寄せられるコメントの中で、違った意見もあえてご紹介しておきたい。初期のSUNVLOT製品を購入したユーザーの中には、必ずしもSUNVOLTに対して良い印象を持っていない人もいるということだ(事実、SUNVOLT関連の記事を掲載すると初期ユーザーからそのようなコメントを多数頂戴している)。
私は相当な枚数を自費で購入して、試して、色々見てきたから、そんな彼らの意見や発言を否定しない(むしろ正しいとさえ言える)。それらをふまえた上で、現行のSUNVOLTジャージは、過去の品と比べ物にならない程完成度が高くなったと断言する。このように私が強く言える理由は、SUNVOLTの改良の歴史を私自身が実際に見て、何着も購入し、使用してきたからだ。
逆説的にとらえれば、SUNVOLTはそれだけユーザーからの要望を真摯に受け止めて、要望をくみとり、常にアップデートを繰り返してきた(愚直に改良を重ねてきた)結果とも言える。そして、高い開発力を備えているという証でもある。だから私は、過去にSUNVOLT製ジャージで落胆したことのある人達にこそ、今回の記事を通じて現行のSUNVOLTジャージを知ってほしいと思うのだ。
「勝てるジャージ」としてその地位を確立しつつあるSUNVOLTであるが、黎明期において誰が今の躍進を想像できただろうか。そしてプロダクトの進化は今も止まる気配はない。そのひとつひとつの地道な改善と改良の積み重ねは、いつしかSUNVOLTをオーダーメイドウェア界のトップブランドへと成長させようとしている。