ChallengeがハンドメイドチューブレスCXタイヤHTLRを4種類発表!

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Chicane-5

Photo: Challenge Tire

個人的にGP5000STRチューブレスタイヤよりもビッグニュースなチューブレスタイヤの話題をお伝えする。

Challenge TireかFMBのどちらが先に「ハンドメイドチューブレスシクロクロスタイヤ(H-TLR)」を出すのかと海外のフォーラムやサイクリングメディアで話題になっていた。2021年の初めにはFMBが悪路用のHTLRをリリースした。あとはトレッドをSLALOM、SPRINT、世界選手権を制したMUDのパターンに変えるだけだった。

しかし、FMBからはシーズンを目前にしてもHTLRのCXシリーズのリリースはなかった。2021年10月22日、HTLRをリリースしたのはChallenge Tireだった。すでにグラベルカテゴリで、GRAVEL GRINDER(ほぼChicaneトレッド)やALMANZO(ほぼDUNEトレッド)の33Cをリリースしてから1年が経過していた。

Challengeタイヤが満を持してリリースしたのはHTLRモデルの「GRIFO」「Baby Limus」「Limus」「Chicane」だ。これらのタイヤはAKB48でいうところ、神7ならぬ神4といっていい。定番中の定番パターンであり、シクロクロッサーであれば知らぬものなどいないタイヤだ。

これまでラインナップされていたHTLR(ハンドメイドチューブレスレディ)タイヤはChallengeの特徴の一つでもあるしなやかさを担保しつつ、非常に低圧で使用することが可能だった。また、新しいETRTOチューブレスガイドラインとISO規格に従って設計が刷新されていた。

さらに今回の神4にはシクロクロスタイヤならではのアップデートがなされている。それは、

「ETRTOとISO規格とリム内幅23mmまでなら33mmのUCI規則に準拠してさらにフックレスでも使えるように設計したぜ!」

というビッグニュースだ。これはシクロクロッサーについて朗報だ。さらにこれまでの加硫TLRクリンチャー(V-TLR)は120TPIほどのタイヤしかラインナップされていない(SERACは180TPI)が、新しいHTLRは300TPIだ。もはや高級チューブラータイヤである。

今回の記事は、まさにゲームチェンジャーと呼ぶにふさわしいChallenge Tireのハンドメイドチューブレスレディシクロクロスタイヤ(H-TLR)を紹介する。

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ChallengeのHTLRは何がすごい?

まず、TLRということでシーラントが必要だ。それは変わらない。しかし、HTLRが優れているのはライナー(タイヤの空気漏れを防ぎ空気圧を保つ内側の層)に、TLR専用に空気の漏れを少なくするまったく新しい材料が採用されている。

ケーシング(カーカス)部分には塗料のような液体ブチルゴムをコーティングしており、しなやかさをより引き出している。

HTLRがチューブレスタイヤとして素晴らしいのは、空気の漏れを少なくする素材や構造を採用しつつも、Challengeらしい「しなやかさ」を両立した点にある。TLRタイヤとして空気を閉じ込める基本的な機能面と、ライダーが感じるタイヤが変形する性能面のバランスが取れている優れたタイヤだ。

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新ETRTO TLガイドラインとISO規格に準拠

ChallengeのHTLRは「ETRTO」と「ISO規格」に準拠するように開発された。これは、TLタイヤにとって非常に大きな意味を持つ。というのも、リムの規格はISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)が制定する国際規格であるのに対し、タイヤ規格はサイクリストにおなじみのETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation:欧州タイヤおよびリム技術機構)が策定している。

これらはそれぞれ別々の団体である。「TLタイヤ」と「TLリム」の設計がわずかに違うことが今でも問題になっているのはこのためだ。市場に流通しているTLタイヤとリムの相性問題は今現在も根強く残っている。MAVICがロードUST(USTとは別)という独自のタイヤとリムを設計した背景もここにある。

シュワルベも自社のTLタイヤと相性のいいホイールメーカーの一覧を公表している。しかし、ユーザーの利便性も考えると今の状況は決して良いとは言えない。

自転車機材の技術革新が進む一方で、ひとたび決定してしまったそれぞれの「標準規格」はリムとタイヤの寸法に違いを生じさせている。TLタイヤはリム寸法がぴったりと合わなければ空気漏れが起こる。これらは標準化とは名ばかりで、むしろ規格の乱立としか言いようがない。

これらは本来あるべき「標準化」の姿ではない。ディスクロードのアクスルシャフト規格や、ディスクブレーキの台座がポストマウントとフラットマウントが乱立したら困るように(こちらはパーツメーカー主導によるデファクトスタンダードだが)規格統一は必ず必要だ。

現在ではETRTOがISOと連携して、ISO規格(ISO 5775)を策定した。規格改定によりそれぞれのサイズがあやふやに区別されている状況が置き換わり、これまでのリムとタイヤの曖昧さは是正された。

余談だが、たとえば異なる6つの「26インチ」サイズが(規格上)この世に存在していた。そして、27インチのホイールが28インチ(フランス表記で言う700C)ホイールよりも(規格上)直径が大きいといった状況すらあった。なお日本工業規格JIS D 9421はISO同じ寸法体系を指定している。

今回の新型のChallengeタイヤは新しいETRTOチューブレスガイドラインとISO規格に従って設計されている。また、UCIのシクロクロスタイヤ規定の33mmに収めるにはリム内幅23mmというガイドまで出ている。さすが、シクロクロスタイヤを知り尽くしたChallenge Tireだ。

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GRIFO

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Photo: Challenge Tire

シクロクロスのタイヤパターンで定番かつ知名度の高いのがGRIFOだ。A.DUGASTであればTyphoon、FMBであればSLALOMだ。オールラウンドとよばれるこのパターンは、シクロクロスタイヤは、ウェットまたはドライ、ソフトパック、ロッキーおよび、芝生などで優れている。

Grifoは、回転が軽いノブと、優れたペダリングとブレーキングトラクションを提供するセンターセクションを備えている。Challenge HTLRタイヤは新しいETRTOおよびISO規格に適合しもちろんフックレス互換だ。どのホイールメーカーリム内幅23mmであってもUCI規則に準拠するように設計されている。

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Baby Limus

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Photo: Challenge Tire

Baby Limusは、絶えず変化するコンディションのレース向けに設計されたチャレンジのオールラウンドシクロクロスタイヤだ。このタイヤは、濡れた砂、粘着性のある泥、またはときおり登場する乾いたコースな変化に多いコースに対応する。

そのほかの性能はGRIFOと同一。

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Limus

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Photo: Challenge Tire

Limusはラテン語で泥を意味する。まさにこのタイヤが活躍する場所だ。間隔の広いノブが泥だらけのコンディションを切り裂くようにカットしていくのが特徴だ。ぬかるんだコーナーを通り抜けたり、オフキャンバーセクションを通過したり、キャンバーの攻略を容易にする。

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Chicane

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Photo: Challenge Tire

シケインは超高速で走るためのタイヤだ。乾いたハードパック、濡れた草、氷を最大限にコントロールする。

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まとめ:CXチューブレス時代の到来か。

シクロクロスのトップの世界はいまだA.DugastやChallenge Tireのチューブラーたいやの独壇場だ。それ以外はスーパープレスティージュや世界選手権などトップシーンで勝っていない。ただ、タイヤとしての性能を考えてみると、転がり抵抗だけでみればチューブレスタイヤに勝るものはない。

しかし、サスペンションが無いシクロクロスの場合はタイヤがサスペンションの代わりをする。33mmのサスペンションだ(実際タイヤの高さは46mm以上あるのだが)。さらにコーナーリング中の腰砕けや、タイヤが滑るまでの限界値はチューブラータイヤのほうが優れている。

それら、シクロクロスに要求されている特殊なタイヤ性能に対してHTLRはどこまで近づけるのか。一つの可能性としては、HTLRにTubolightやCush-Core、Air-Linnerといったタイヤインサートを入れることによってサイドウォールの強度が高まり腰砕けもなくなる可能性はある。

さらに低圧で使用することが可能になり、ビードへの芝噛みも減るとされている。個人的な見解ではあるが、高級チューブラータイヤをポンポンと毎年使えるプロ以外のシクロクロッサーにとって、これからはHTLRとチューブレスインサートの組み合わせが新しいソリューションになる可能性が高いとみている。

そして、ChallengeのHTLRが素晴らしいところはビード保護のためにチェーファーストリップを追加している。この仕組みによって、リムの擦れとサイドカットを減らし、安全性を高め、タイヤの寿命を延ばすことができる。カビが生えたコットンケーシングのチューブラータイヤを毎年張り替える必要はなくなる。

300 TPのハンドメイドは、優れたトラクションと乗り心地、グリップが向上し、加硫クリンチャー(Vittoria、IRC、パナレーサーといったCXタイヤ)よりも性能が高いことは明らかだ。これまでハンドメイドのチューブラータイヤでしかできない性能に近い性能を発揮する。

また、新しいETRTOおよびISO規格に適合しフックレス互換だ。最先端を行くタイヤといっていい。トレンドであるワイドリム内幅の23mmでUCI規則33mmに準拠するように設計されている。

さらに、伝統的なGrifoパターン、様々な条件を考慮したBaby Limus、泥用のLimus、高速なChicaneとすべてをカバーしている。これ以上のシクロクロス用のタイヤがあるだろうか。発売は2021年11月だ。シクロクロスシーズンを目前に、素晴らしいチューブレスタイヤがリリースされた。

日本でも発売されればぜひとも使用したい、優れたシクロクロスタイヤだ。

Challenge
About CHALLENGE Tire CHALLENGE TIREの起源は、かつてのイタリアのハイクオリティレース用タイヤブランドのCLEMENT(クレメン)にあります。CLEMENTが1960年
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