敗者のゲーム[原著第8版] のレビュー

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今回は自転車と関係のない話を。

書籍「敗者のゲーム」の原著第8版が発売されたので早速購入し、読了した。読了するのは新板、原著第6版につづいて3回目だ。

敗者といっても、自転車競技やスポーツの敗者の話ではない。本書は投資の哲学が記されたロングセラーになっている1冊だ。「市場と投資の本質」を伝える投資哲学がまとめられている。新板、原著第6版とリリースされ、最新データに基づき全面リニューアルされた。

今回の記事は書籍のレビューであるが、自転車とは一切関係のない話であるため少々毛色が異なる内容で構成されている。本書は、10年以上前社会人駆け出しのころに、市場や投資を知るきっかけになった思い出深い1冊だ。

投資なんか関係ない、と思っている方も多いかもしれないが、お子さんがいらっしゃる方はそうも言ってられない時代になった。文部科学省が定める教育課程の基準である「学習指導要領」の改訂で、金融商品による資産形成を学校教育に盛り込むことが求められるようになった。

いまの子どもたちは、小学校、中学校、高校で金融教育を学ぶのだ。もちろんプログラミングも。こちらは、近所の子供達をあつめて塾を開きたいぐらいだ。

自分が子供の頃に金融教育があったら良かったなと心底思っている。社会人1年目の頃は恥ずかしながら、投機と投資の違いすら人に説明できるレベルではなかった。

さらに恥ずかしい話をすると、入社したころ企業型の確定拠出年金でどの商品を運用すればよいのかさっぱりわからず、親に聞いたところ「あずき相場」の話をされたあと、元本確保型の「定期預金」にいれておくといいぞ、という”ありがたい助言”を頂き、そのとおりにした経験がある。

親にとっては、「子供の未来をよく考えた」かつ、「経験に基づいた」非常に愛のこもった的確なアドバイスをしたのだろう(人によっては正しいと言える場合もあるのだが)。いまとなっては懐かしい思い出(悪夢)だ。時間と複利という最大の恩恵をドブに捨てろ、と未来ある若者に最大限の善意で言っているのだ。(その後自分で勉強して分散投資したが)。

つまるところ、親や他人はあてにならないばかりか、誰もが限りある財源を使って情報に基づいた効果的な決定を下せるわけではないということだ。したがって、自分自身で勉強して一連のスキルと知識を持っている必要がある。

そういう意味では、親を選べない子供たちにとってみれば、義務教育の一環として金融を学べる機会がなかば強制的に設定されていることに対して全面的に賛成だ。注意点としては本書、「敗者のゲーム」は学校で学ぶような内容ではない。そして、資産運用の全てがわかるわけではない。

ただし、市場に勝とうとするな、長期間の運用、インデックス投資、暴落にうろたえるな、平均回帰、運用期間が長くなるほど損失の割合も少なくなるなど、基本的なことながら、当時の私にとっては100万円以上の価値がある「知っている人は知っている情報」が記されている。

本書を読めば、ビットコインやFXといった投機には手を出さなくなるはずだ。

本書があったからこそ、2008年のリーマン・ショックに端を発した景気悪化で10月27日にバブル崩壊後の最安値(7162円90銭、終値ベース)、翌28日には一時、6994円90銭の安値を記録し7000円を割り込んだときでさえ、退場することなく、いま現在も継続できている。

「安心して眠れる」資産運用の重要性も知ることになった。

2020年のコロナショック時も多少痛手を被ったが、過去のデーターを見れば2016~2017年の株価に戻っただけだった。そのような事態は今後も確実に起こりうる。本書は、それらへの心構えや市場や投資の本質まで幅広く学べる一冊だ。

敗者のゲーム[原著第8版]
敗者のゲーム[原著第8版]

posted with AmaQuick at 2022.01.13
チャールズ・エリス(著), 鹿毛 雄二(翻訳), 鹿毛 房子(翻訳)
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