The Fastest XC Wheels on the Planet. Period.(地球上で最も速いXCホイール、以上。)
これまで様々な表現を使って、魅力的な機材を発表してきたスペシャライズドはこの短い一文だけを使って新しいホイールを発表した。まったく新しいRoval Control World Cupだ。
Roval Control World Cupホイールセットは世界最速、いや地球上で最も速いXCホイールだ。重量はわずか998gと最軽量。これはカタログ重量だが、海外の最速レビューによると実測重量は、なんと992gだった。
革新的なホイールの特徴は以下の通り。
- 998g、実測992g
- VONOAカーボンチタンスポーク
- スポーク本数20本
- 前後左右、全て同一スポーク長
- オフセットリム
トッププロの意見を取り入れ、細部に至るまで徹底的に設計されたこのホイールは、最高レベルで比類ないパフォーマンスを発揮する。その軽量なデザインだけでなく、耐フラット性、耐久性、乗り心地の良さはファクトリーチームが実践で証明済みだ。
Roval Control World Cupは単なるホイールセットではなく、XCレースの新たなベンチマークだ。
今回の目玉はなんといっても、カーボンスポークとチタンを組み合わせた構成にある。スポークはなんと、あのVonoa製だ。カーボンスポークを使っている大手ブランドのスポークはVonoaが多い。
これは、スポークを製造するメーカーが少ないのではなく、特許が影響している。炭素繊維複合材料業界のトップメーカーであるSTREN社の中核ブランドのVONOAは、カーボンスポークに関する多数の特許を世界で取得している。
カーボンと金属部品の接続部だけでなく、鍛造、キャップなどカーボンスポーク製造に関する技術特許もすべてVONOAが所有している。カーボンスポークのハウジング部分(ハブ側根本)とニップル側はチタンを採用している。
これだけで、101.6gの軽量化を実現している。
エクスターナルニップルのようにみえるが、カーボンスポークの先端にネジ山を切ることはできないため、チタンハウジングとカーボンを接着し、インターナルニップルでスポークテンションを上げている。
なんと、ニップルは8.2mmだ。スルーアクスルの6mmレンチよりも太く、SRAMのクランクを固定するための8mmレンチよりもまだ太い。それでもニップルを含むスポーク1本あたりの重量は約3gだ。カーボンチタンスポークは、スチールに比べて1.7g軽い。強度は63%強い。
リムも刷新された。ENVEのMシリーズと同じく、リムウォールを広げて来たのはトレンド通りだ。4mm幅のリムウォールとフックレスデザインにより、ピンチフラットを最小限に抑え、衝撃力をリム全体に分散させることで反発力を高めている。
左右非対称のオフセットリムは、最適化されたねじれ剛性により、リムは地形に合わせてたわみ、高いコントロール性を実現する。リム設計は、外幅36.5mm、内幅28.5mm、ビードフック幅4mmだ。
スペシャライズドによると、新しいRoval LFハブ(DT-240 EXPのストレートプルデザインから変更)とカーボンスポークは、加速性、ブレーキ精度、全体的な滑らかさの完璧なバランスを実現するために、25回もの設計見直しが行われたという。
ハブ内部はDT180だ。セラミックSINCベアリングを搭載している。MTBライダーたちの多くは驚くかもしれないが、6ボルトではない。なんと、センターロックディスクを採用している。MTBホイールでセンターロックハブほとんど使われていない。
にも関わらず、新型ROVAL WCはセンターロックを採用した。おそらく、重量が関係しているのかもしれない。
また、ホイール1本あたりわずか20本でライダーを支える。 ホイールには4本のスペアが付属し、ホイールのテンションを維持するためのインフォメーションシートが付属する。 ホイールセットのデザインにおける素晴らしいディテールのひとつは、左右、前後でスポーク長を共有していることだ。
ハブとリムを専用設計し、ホイールで使用する全てのスポーク長が同一になっている。予備スポークの4本は、どのスポークが折れても使い回すことができる。
このホイールは、プロレースで生じる衝撃強度や耐久性も十分クリアしている。度重なるピンチフラット性能を維持するように設計されている。 そのため、Epicをよりライトなトレイルバイクとして使用するライダーにとって、このホイールは素晴らしい効果を発揮し、レース当日も最速を発揮することは間違いない。
次回は、このホイールをテストする予定だ。地球上最速とうたう、S-WORKS EPIC 8でテストする。最高の組み合わせになることは間違いない。