MAVICのYKSIONタイヤグリップリンクとパワーリンク比較

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Mavic GripLinkとPowerlink

KSYRIUM SLR WTS純正Mavicタイヤについて。私の本音は「MAVICのタイヤは発売してから日が浅い」ので信頼が持てない印象がある。今まで使っていたタイヤは「コンチネンタルGP4000S」ローラーで使っても摩耗しない非常に優れたタイヤ。ロード乗りで高いシェアを誇る。

しかし使っていくくうちに「ある空気圧下ではいい」という事にたどり着く。空気圧の数値を元に、内容を記載したい。

先般、KSYRIUM SLR WTSについて記載した。あまりに長くクレームが来るかと懸念した。いや、実際はそんなことはない。いろいろなコメントをSNSで頂いた。ありがとうございました。空力特性についての話が抜けていたので後程追加します。
photo credit: Glory Cycles via photopin cc

WTS(ホイール・タイヤ・システム)とは

KSYRIUM SLR WTSの末尾にWTSという略語がある。何の略か。WTSは”Wheel Tire System”の略称だ。余談だが、”Tier”と書くと、”一次請け”の意味になるので注意だ。大手ISPをTier1という。私は資料にTierをタイヤ(Tire)とスペルミスをしたことがあるからだ。

2011年WTSの誕生

話をもどそう。Mavicはホイールとタイヤをトータルで考える仕組みを近年取り入れている。事業拡大と、売り上げ拡大の狙いもある。CXR80のようにエアロダイナミクスを追求した結果、タイヤも総合的に考える合理性に達した。

冒頭にも記載したがMAVICがWTSを導入してから日は浅い。2011年にWTSを発表した。システムというよりは”概念”と位置付けたほうがしっくりくる。本来、ホイールとタイヤは別々のものである。それらをトータルとして考える新しい領域にシフトした。

Yksion(イクシオン)タイヤとは

Yksionはイクシオンと読む。はじめヨクシオンと読み間違えた。イクシオンというとギリシャ神話のIxion(イクシオン)を思い出す。名前の由来について私の少ない引き出しから一つ。私の推測が入るが遠からず、近からずという話をしたい。

イクシオン名の由来

ギリシャ神話にイクシオン王が登場する。そのイクシオン王はゼウスの妻に恋した。その罰としてゼウスがタルタロスの永久に回る”車輪”に縛り付けた、とされる神話。

車輪に縛り付けられたタイヤがイクシオンだ。いわゆる永遠にタイヤに縛り付けられる、神罰を受けた。それは永遠に回転するという「イクシーオーンの車輪」と呼ばれる。

この話と名前の由来には関係があるのか調べたが出てこない。こちらものむさんに聞いてみよう。

おそらく、Ixionという名前にすると商標関連でややこしいので文体を崩しYksionにしたと推測する。たとえばバンドのKORNをKoЯnと書(ry

一向に話題に入らないので割愛する。

前後異なるYksionタイヤ

購入後気づいたことがある。それはこのタイヤは前後で異なるタイプのタイヤがついているのだ。フロントはプログリップリンク、リアはパワーリンクだ。それぞれ性能が違うので見ていきたい。

グリップリンクの諸元

  • 重量:215g
  • コンパウンドセンター(内部):60a
  • コンパウンドサイド(外部):60aS+
  • ケーシング:127TPI
  • ブレーカー:ナイロン

まず注意すべきはMavicの説明書から。”グリップリンクはフロントでの使用を前提としている”リアでは使わないように。上記構成からわかることはセンター内部は60aを使用している。

そして外部に露出しているタイヤ部は60aS+だ。Sはシリカコンパウンドを示す。GP4000のようにケブラーを使う場合もある。軽量化を目指すならケブラーだが、耐パンク性はシリカコンパウンドの方が高い。とのこと。
パワーリンク諸元

  • 重量:215g
  • コンパウンドセンター(内部):70a
  • コンパウンドサイド(外部):60a
  • ケーシング:127TPI
  • ブレーカー:ナイロン

同じ書き出しだが、まず注意すべきはMavicの説明書から。”パワーリンクはリアタイヤです”とある。専用ではないが、フロントで使わないように。WTSはトータルでのシステムなので”思想”を台無しにしてしまう。

コンパウンドの数字が60→70と向上した。数字が上がると硬さが上がる。タイヤの摩耗はリアの方が大きい。理由は後輪駆動と体重がリアの方に多くかかるからだ。なのでリアの方が摩耗が早い。

そしてプログリップリンクのコンパウンドセンターに使用している60aを、サイドに使用している。

使用空気圧の設定

私は実業団舞洲クリテリウムで皆さんがウォーミングアップをする道路で、夜練習している。その道路において、空気圧を2bar毎に落としてコーナーで一番曲がりやすい(一番倒せる)空気圧を探った。

体重60kg(装備込)でホイールはKSYRIUM SLR WTS。結果フロント6.4、リア6.6で一番心地よい倒し込ができた。雨ならフロント6のリア6.2でよい。7以上にすると跳ねる。
この値は体重と乗り方によって変わる。従っていろいろ試してほしい。
なお申し訳ないが、CORIMA AERO PLUS + VELOFLEX EXTREAMの組み合わせよりも倒せなかった。

海外表記と国内表記はなぜ違う

私は海外と国内のKSYRIUM SLR WTSの製品緒元が異なるのが気になっている。以下英語表記だ

  • Dimension: 23-622 (700x23c)
  • Front and Rear Tread: Dual Compound
  • Max. Pressure: 9 bar / 130 psi
  • Casing: 127 TPI
  • Breaker: Strong Nylon
  • Link: GripLink
  • Link: PowerLink
  • Yksion Pro Griplink (front)&Powerlink (rear) – 190g
  • Breaker: superior Kevlar

日本語説明次は日本語表記

  • 寸法: 23-622 (700x23c)
  • フロント/リアトレッド: デュアルコンパウンド
  • 最高空気圧: 10気圧 / 145 psi(海外表記:9 bar / 130 psi)
  • ケーシング: 127 TPI
  • パンク防止素材: ナイロン強化素材(メーカ表記:強いナイロン素材)
  • リンク: GripLink(グリップリンク)
  • リンク: PowerLink(パワーリンク)
  • イクシオンプログリップリンク(フロント) 及び パワーリンク(リア) – 190 g
  • パンク防止素材: 優れたケブラー

日米表記

  • 海外表記:Max. Pressure: 9 bar / 130 psi
  • 国内表記:最高空気圧: 10気圧 / 145 psi

なぜ違うのか。ご存知のかたいましたら教えてください。

GP4000とYksion比較

常用タイヤはGP4000Sで耐摩耗性は5000km程。あまりにパンクしないので常用している。レースにおいてチューブラータイヤコンペティションの使用率は高い。かたやYksionは歴史が浅いメーカーだ。

どちらがいいかというと、Yksionは独特の柔らかさがあり、GP4000Sは独特の硬さがある。GP4000を同等の空気圧で使うとYksionほどグリップが良くない。理由はYksionはサイドの横溝が多くグリップする感覚がある。

GP4000は何万キロも乗っているが、Yksionはさほど乗っていない。従って今後も使い続け耐パンク性や雨天グリップを確認し追って報告とする。

まとめ:製造メーカー

MAVICがタイヤなんて作れないのは百も承知だ。YksionはHutchinsonのOEMという話だ。この点については触れない。そしてブレーキキューも作れない。エグザリットシューはSWISSSTOPのOEMだ。

MAVICというタイヤは実は”日が浅い”メーカーではない。古くからあるタイヤメーカーの技術が詰まっている。むしろ餅は餅屋で割り切っているので好ましい。1つの解明できない問題はWTSシステムが”どれほどトータルとしての性能を上げているか”が不明なことだ。

それはYksionのタイヤが摩耗し使えなくなり、GP4000Sに変えたときに「Yksionに戻したい」と思わせてくれるタイヤであるか、にかかっている。

このタイヤが付属していたMAVIC KSYRIUM SLRのインプレはこちらです。

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