先日チーム練習でレイノルズ ストライクに試乗。カーボンクリンチャー好きとしては非常に興味があるところだ。シマノのカーボンリムも手がけるレイノルズの完組ホイールを見ていく。
果たして61mmにも及ぶカーボンクリンチャーはどのような走りをするのだろうか。
レイノルズ カーボンクリンチャー
まずは、リム高について。レイノルズはカーボンクリンチャーを次のように分類してる。登りやオールラウンドのAttack(29mm)、オールラウンドから高速域のアサルト(41mm)、エアロ効果を狙ったストライク(61mm)だ。
このようにリムハイトが異なる3モデルをラインナップしている。ホイールのリム高さについて、選択肢が多いシマノのホイールではC24,C35,C50というスタンダードなラインナップを想像するが、やはり気を使ってか絶妙なリムハイトをラインナップしている。
レイノルズクリンチャーの重量
正直に言ってしまえば、ホイールのフィーリングを決める大きな要素はリム重量だ。アタックは380g、アサルトは445g、ストライクは550gである。アルミリムだとどのレンジの重量になるのか。重量だけで見ると、アタックはC24と同じくらい、アサルトはレーシングゼロのリアリムほど、ストライクはシマノの廉価版ホイールR500と同じ重量である。
ただ、カーボンディープリムの利点は外周部の軽さにある。一極集中しているアルミリムよりも、ディープカーボンクリンチャーのほうが重量の分散の恩恵が得られる。従って必ずしも、アルミリム相当の重量通りのフィーリングにはならないはずだ。
ストライクは61mmであるから、その恩恵は大きく受けられるはずだ。では、実際乗ってみるとどうかんじるのか。
ストライクインプレ
踏み出しは意外なほど軽かった。コスミックカーボンは初めて使った時ズシリと重かった。踏み出しは軽く感じたのでイメージとことなった。やはり乗って見ないことにはわからない。まず、練習仲間とわりと直線が多い区間でローテを行う。タイヤはコンチの4シーズンだ。
このインプレは少しホイールの性能を表すことが難しいと正直に言いたい。タイヤの性能が自分が使っているGP4000よりも、相当低いデータが出ている。したがって、タイヤの性能の影響も受けているであろう感覚になる。
したがって、ホイールの真価は正直わからない。しかし、感じたことを素直に書くと、まず感じたのがローテをしてスピードが上がって行くとある速度から伸びない感覚を受けた。
コスミックカーボンのような、高速になればなるほど、慣性を感じるような回り方はしない。あるところで頭打ちになるような回り方をする。比較はRovalやKsyrium SLRとの相対比較になってしまうが、61mmに期待していたディープリムならもっと回ってもいいかな?という印象だった。
踏み出しの軽さの理由は、リムハイトのおかげで重量自体が分散しているからだと予想している。このホイールは高速域で惰性が効いて回って欲しかったが、少し減衰するスピードが早かった(感覚ですが)。乗る前にスポークテンションを確認したがNDS側が結構ヌルかった。
適正テンションは不明だが、吊るしの状態で降ろしたてなら一度自分なら見てもらうかなという印象。したがってもしかしたら化ける可能性もある。
スポークテンションが一概にスピードが伸びない原因とは言い難いが、一度テンションを張り直してから、 もう一度乗ってみたい。
ブレーキシュー相性問題
一つ気づいたことがある。クライオブルーのブレーキシューは硬い。そしてブレーキ時に鳴く。純正なのに何故という疑問は残った。FFWDのF6Rと付属の黄色swisstopの組み合わせでも発生するブレーキ音が、同じように発生してしまっていた。きちんとトーイン出ているのかは確認していないが、相性問題はありそうだ。
ちなみにカンパの500Xで結構ブレーキをかけてみたが音なりは発生していない。今のところエグザリットにも使える万能シューだ。
クライオブルーのシューの利点は耐熱の関係がある。「他社より6倍失敗例ある」レイノルズのカーボンクリンチャー開発者でも述べたが、カーボングリンチャーの破損で一番多かったのは、ブレーキングによる高熱が原因の破損だ。それらを考慮したのがこのシューだ。
セッテイング自体にも問題がありそうだが、自分のトーインを設定したカンパシューで発生していないので再設定して使ってみたい。
組み方とスポーク本数の影響
この表は、上から登りやオールラウンドのAttack(29mm)、オールラウンドから高速域のアサルト(41mm)、エアロ効果を狙ったストライク(62mm)と紹介した順番で並んでいる。一つ気づくのはスポーク本数と組み方が異なっている。
こちらはストライクの組み方である。交差する箇所は1っか所なので1xという表記になっている。
こちらはアタックとアサルトの組み方だ。スポーク本数が多く基本的な組み方を踏襲している。見た目でもわかるが、スポークホールのとなり同士のスポークとスポークが引っ張り合う角度が鈍角だ。このスポークとスポークが互いに引っ張り合う組み方をどこかで見た時がある。
わたしが組んでもらったのむラボホイールのスポークパターンだ。
限界まで(スポークとスポークが直線になるほどに)鈍角になったお隣さん同士のスポークパターンである。やはりこの角度が今回の乗り心地に大きく影響しているのかは定かではないが、スポークパターン的にもアタックとストライクの乗り心地は違いそうだ。
ただ、リムハイトが高くなることによりスポーク長が短くなるので、その分テンションを確保してるとも考えられる事はホイールが好きな方なら気づく点である
まとめ: 61mmリムの使い道
カーボンの作りはさすがレイノルズといった印象だ。ただ、レイノルズはカーボンリムを作る卓越した技術を持つメーカだ。完組ホイールを作った場合は、もしかしたら他のメーカーよりもノウハウ的な面で劣るかもしれない。
LEW VT-1や、フラッグシップのRZRは、実験データーによると剛性が他のメーカーに比べて低く出ている傾向にある。どうも、剛性面なのか、組方なのかわからないが、何かが起因してるようだ。もう一度、スポークテンションを、あげて乗って見るのも楽しそうだ。
色々と、酷なことを書いてしまったが、もしかしたらリムだけバラしてリアのNDS側もタンジェントにしたら印象も変わりそうだ。リムハイト60mm以上を初めて使って見たが、国内のレースにおいて、どのシチュエーションで使うのか判断がつかない。
高速巡行が要求されるレースで、主に使われているリムハイトは高くても50mm。最近は47.5mmやスタンダードな38mmか35mmだ。平地から登りまでこなすなら、このレンジだろう。TTになると60mmや80mmも投入されるが、普段のレースでは必要なさそうだ。
エアロダイナミクスを考えても、リムハイトが高ければ良いと必ずしも言えない。最近の実験データーを見るとCOLEの60mmが20-30mm程度のcorima winiumに劣っていることからリムハイトよりもスポーク本数、リム形状が重要であると言えそうだ。
ホイールは本当に様々な要素から成り立つものだと考えさせられたホイールであった。もう少し長い期間、タイヤをいつも使っているものに変えて改めて乗ってみると、印象がまた異なるかもしれない。
今回仲の良い自転車仲間の方のホイールをお借りし、良いことも書きたかったが感じたことを、そのまま書きました。心苦しいことも書きましたが、タイヤやチューブで結構変わるのでいろいろ試して見る価値はまだあります。
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