パワートレーニングで成果を出している東京大学の自転車競技班で
研究を行なっている柿木さんのデータが使用されている本。
著者の方も東京大学で乳酸について研究されています。
10章は全てLT(乳酸性作業しきい値)
について書かれています。
10章 LT(乳酸性作業閾値)
1. 糖の利用高進=LT
2. LTは酸素が足りないから起こるのではない
3. LTから糖分解と利用が高まる
4. LTから身体の負担が高まる
5. LTの判定
6. OBLA
7. 歩行や自転車走行でのLT
8. 換気量の急激な上昇開始点
9. LTとVTとは同じメカニズムによらない
10. 換気量は回数ではない
11. LTは身体の負担が高まる運動強度として重要
その他にもかなり有効な論文が。
13章 無酸素運動はありえない
1. 無酸素運動がありうるのか
2. スプリント中における酸素摂取のこれまでの説明
3. 運動後の酸素摂取量を酸素負債としていることに誤りの元がある
4. 酸素負債という用語は誤り
5. 400m中の酸素利用は需要量の半分
6. 短距離走は酸素摂取によるエネルギーが一番大きい
7. クレアチンリン酸と「酸素の貯め」
8. 貯めの量
9. 400m後半では3/4が酸素利用のエネルギー
10. 短距離走は速度が一定の割合で低下していく
11. 呼気ガス測定では過小評価している可能性
12. 3つの系で考える限界
13. スプリントトレーニングをどう考えるか
14. 苦しければよいとは限らない
14章 持久的トレーニングや発育加齢によるエネルギー代謝の変化
1. 血中乳酸濃度が低下する
2. なぜ乳酸産生が減るのか
3. 速筋線維に遅筋線維の性質を持たせる
4. 最大酸素摂取量とLTの効果
5. 持久的トレーニングの三要素
6. 早い段階でのトレーニング効果
7. 中距離選手の持久的トレーニング
8. 球技の持久的トレーニング
9. 年齢に応じたトレーニング
10. 発育によるエネルギー代謝の変化
11. 加齢による機能低下は年1%程度だが、トレーニング効果もある
15章 クエン酸やビタミンB1摂取と乳酸代謝との関係
1. クエン酸で乳酸をなくして疲労回復?
2. クエン酸でクエン酸回路は高まらない
3. 緩衝能力に効果の出る可能性はあるが実際には多量にとれない
4. 運動時の疲労と日常での疲労の混同
5. ビタミンB1と疲労
6. ビタミンB1は血中乳酸濃度を変化させない
7. 健康情報に冷静な判断を
クエン酸やめますww
これを読めば、サイスポやバイクラの記事でよく書かれている
基本的な身体の話の記事がありますが、それより10倍は深い内容が書かれているので
読んでみてはいかがでしょうか。
最近は最大の力で練習を重ねるトレーニングで最大酸素摂取量が上がる論文がでてきてますなぁ。
私の中で限界値を司るのは
精神的限界:体力はまだあるが弱い心でやめてしまう
身体的限界:乳酸や筋力で運動が止まってしまう。
の2点があり
最近は精神的限界が先に来ます・・・。
ようは辛い練習しろってこった。