プロ選手やお金に余裕がある人達は、毎日マッサージを受けられるかもしれない。しかし、我々アマチュアといえばそうはいかない。マッサージを受けるためにお店に行かなくてはならないし、時間も費用もかさんでしまう。フルタイムワーカーなら、なおさら時間も惜しくなる。だから私はマッサージに行きたくても気軽に行くことはなかった。
私が代わりに施していたのは、誰でもできるセルフマッサージだった。自分自身にマッサージを施すという形態であれば、いつでもどこでも、手軽に自分のからだをほぐすことができる。それでもセルフマッサージは「自分の手の届く範囲」でしか施せないという限界があった。それは私の悩みのタネだった。
そんな時、マッサージを生業としている方から「ボール」を使った簡単なマッサージの方法を教わった。手の届かない部分にうまく届く「孫の手」のような方法である。1つのボールを使うと様々な圧を身体に加えることができるから、私にとって最高のソリューションだった。
今回は、ただの「玉」を使ったセルフマッサージについてまとめた。実際に遠征時や、レース前日、練習後、テレビを見ながら、椅子に座りながらと、、、あらゆるシチュエーションで「ながらセルフマッサージ」をおこなうことができる。
「ただの玉を使ったセルフマッサージ・・・」という何の変哲もない記事であるが、日々自分の体をしっかりメンテナンスをしている人ならば、いつでもどこでも簡単に行えるというメリットは大きいはずだ。今回は「玉」を使ったセルフマッサージの方法について試してみることにした。
マッサージ方法
Photo:Dissetare
腰を折るような話だが、できることならマッサージは誰かにやってもらうのが一番気持ちが良いし楽だ。腰や、背中や、ふくらはぎといった部位に対して、誰かの力を借りてマッサージを施してもらうのはとても気持ちがよい。手の届かない身体の部分に関してはこのように「誰か」という存在無くして、マッサージは成立しない。だから、家でいつでも気軽にマッサージを施すには無理がある。
ただ、それらの悩みはボール1つである程度解決できるかもしれない。今まで手の届かなかった体の裏側を自分一人のちからで気持ちよくほぐすことができるのだ。自分の体重を使って圧を変えながら目的の場所をほぐす。ただその方法がわからなかったのだが、「腰・股・膝の痛みはテニスボール1個で消える」という書籍を読み実際に様々なマッサージ方法を試してみることにした。
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まずは、各部位別に見ていこう。
- 背中
- 腰
- 肩
- 脚
- 足裏
ボール1つさえあれば様々な体の部位をほぐすことができるのだが、実際にやってみないことにはなにもわからない。そこで書籍「腰・股・膝の痛みはテニスボール1個で消える」を参考にしながら主要な部位を実際にセルフマッサージしてみることにした。
背中
Photo:Dissetare
一番ほぐしたかった部位は背中だ。床に適当にボールを転がしておき、仰向けに寝る。そして、狙った背中のコリを刺激していく。誰かに押してもらう場合と違って自分自身がせわしなく動く必要があるが、わりと狙った部分をピンポイントで押すことができる。
さらに、押し加減も自分の好みで体重をかけられるから、適度に調整をすることが可能だ。ただ慣れないとズルっと滑ってしまったり、腰を浮かせる力が必要だったりと、これらのコリを探す動作自体がよい運動になる。もしかしたら、自重トレーニングの代わりになっているのではないか・・・と、考えてしまったくらいだ。意外と背中と肩にかけてグリグリと押せるのは、予想以上にきもちい。
もちろん、そのまま腰のマッサージもおこなうことができる。広背筋の腕の付け根、背中を掻く時に手を後ろに回すとボコッと出る骨付近を刺激すると、、、この快感は実際にやってみていただきたい。マジで気持ちが良い。
臀部(尻)
Photo:Dissetare
臀部は非常にテクニカルな部位だった(←謎)。色々と試したものの、背中や腰と同じように仰向けに寝て臀部を刺激するよりも、椅子などに座りながら椅子と臀部の間にボールを挟むほうが気持ちがよい。普段の椅子に忍ばせておけば、脚の付根、大殿筋を自重で押すことができる。臀部は思った以上に疲労しているようで、体重を全てかけると激痛が走る程だ。
細心の注意を払って圧をかけてほしいが、臀部の側面の部分は椅子に座っていると圧をかけずらい。臀部の側面は横に寝ながら圧をかけたほうが良よかった。身体の位置をうまく変えてあげることによって、今まで手の届かなかった部分や、手は届くが圧が足りない部位へと力をかけることができる。
サイクリストにとって坐骨部分のほぐしは結構なポイントであることがわかった。スポーツをするとお尻は非常に凝り固まるポイントであるが、坐骨付近は少し痛いかもしれないが重点的に行っておきたい意外と押さないと疲労がわかりにくい部分だった。
脚
Photo:Dissetare
脚の場合、様々な使い方があるが膝裏に挟んで正座をするような形で圧をかけてあげると気持ちが良い。もともと膝裏にはツボがあるからかなり刺激されて快感だった。ハムストリングや、脚の側面は寝ながらゴロゴロしないと圧をかけられないが、膝裏の絶妙な部分に対しては指で刺激したほうが良い。
しかし、指では実現できないのは圧の強さだ。ボールを膝裏に挟んで正座するように刺激を加えると予想以上のEcstasyを感じる。人によってその受け方は様々だが、脚の中では特にリンパが集中している箇所だし、老廃物が溜まりやすいのだろう。
自分の体重をかけながら、圧を加えるのは徐々に行わないと怪我をしてしまうから、最新の注意を払いながら、刺激を求めて欲しい。
足裏が最高!
言ってしまえば身体の全ては足裏にある・・・、と大げさかもしれないがそれくらい刺激してあげると気持ちが良い部分だった。私は、背中や臀部のマッサージの際にボールを使う以外は、常に椅子の下にボールを転がしている。そうすることにより、椅子に座ってボールを探して常にグリグリしているのだ。
これは一種の「クセ」のようなもので、一度やり始めると文字通りクセになる。足裏というのは面白いものでその日の体調、疲れ具合で痛い部分、気持ちがよい部分が変化していく。体の体調が良い時はさほど刺激してもあまり意味は無いかもしれない。
ただ、「何も感じない」という状態は身体が整っているという調子の良いサインかもしれない。病みつきなのは、足裏の疲労物質かなにかをブチブチと潰すのがきもちい。何かが潰れているわけではないかもしれないが、あのゴリゴリしている部分を断続的に刺激していくと、しだいにそのゴリゴリが無くなっていく。
以前、テニスボールを使って足裏をマッサージしていたが、柔らかすぎてゴルフボールに変えた。しかし小さすぎて何処かに転がってしまうから、今では別のボールを使っている。テニスボールやゴルフボールでも良いのだが、何の変哲もない「マッサージ専用のボール」が販売されている。
イナーメポイントマッサージボール
ここまで何かしらの玉を使ったセルフマッサージをおこなってきたが、実際どのような玉を使えばよいのだろうか。自分で玉をお持ちなら(意味深)それを使うのが良いと思う。私は色々と玉を試してみたのだが(意味深)結果的に1つの玉、イナーメポイントマッサージボールにたどり着いた。
イナーメポイントマッサージボールはその名の通り、1点を集中的に刺激する”ポイント”にこどわっている。さらに本マッサージボールにはマッサージをうまくおこなうための3つの特徴がある。1つ目は「重さ」、2つ目は「大きさ」、3つ目は「硬さ」だ。
1つ目の「ポイント」について見ていきたい。マッサージをおこなう際、重さは重要な要素だ。軽いとボールが逃げていくし、かと言っておもすぎると扱いにくい。イナーメポイントマッサージボールの実重量は約210gほどである。硬式の野球ボールが140gとくらべても、1.5倍以上の重さがあると想像して欲しい。
通常のボールと比べても、持った瞬間にズシリと重さを感じる。重さという観点でもう一つの利点をあげると、身体の深い部分にまで到達してくれる。軽いとどうも表面的な部分しか響いてこない。大きさは、硬式の野球ボールと同程度だ。
もう一つの「ポイント」硬さについてもみていこう。硬さのイメージは、テニスボールよりも硬い。かといって弾力性は損なわれておらず、微妙かつ絶妙な弾力感を備えている。硬式の野球ボールよりもわずかに弾力性があるのだ。
イナーメポイントマッサージボール自体の素材は、密度の高い天然ゴムで作られている。高密度の天然ゴムにより、一見硬そうにみえるのだが、不思議な弾力を備えている。この弾力性は、コリ固まった筋肉に対して負けずにもみほぐすことが可能だ。
このようにイナーメポイントマッサージボールはマッサージに特化したボールとして大変重宝している。
テニスボールとの比較
私ははじめ、書籍「腰・股・膝の痛みはテニスボール1個で消える」を参考にしながらテニスボールを使用していた。テニスボールは安いから簡単に購入できて手軽に使える。ただし、問題もあった。ある一定以上の負荷をかけてしまうとテニスボールは潰れてしまって、それ以上強い刺激を体に与えることはできなかった(芯まで届かない)。そして次第に空気が抜けてしまい、圧がかかりにくくなってしまうという問題に見舞われた。
ヘタったテニスボールの代わりに何か良い玉が無いものかと探していたとき、今回紹介したイナーメスポーツアロマがリリースしていた「玉」の存在を知る。イナーメポイントマッサージボールはただの玉なのだが、私がテニスボールで施していたような同じマッサージ方法に特化していた。
しかし、テニスボールで施していた事と同じだけのセルフマッサージができるのかどうかは、はじめよくわからなかった。WEBを見る限り、硬いのか、柔らかいのか、そして大きさはどれくらいなのか。実際に使えるのかどうかという点がよくわからなかった。
モノは試しと昨年から人柱的に1年間ほど使い、今回の記事化に至った。今ではテニスボールや、足裏用のゴルフボールなんてものは使わなくなった。イナーメポイントマッサージボールは、マッサージに特化したピンポイントでうまく圧がかかるボールだった。
テニスボールの圧のかかり方は、どちらかというと、手のひらでまんべんなく抑えるような感覚をイメージして欲しい(これが好みという人ももちろんいる)。テニスボールはどちらかというと広範囲に優しく押されるようなイメージだ。対してイナーメポイントマッサージボールの場合は、より狭い範囲をピンポイントで親指で指圧するような圧をかけられる。
テニスボール、イナーメボールのどちらが良いのかといえば好みの問題だろう。私はフォームローラー等で広範囲に筋膜リリースをおこない、よりピンポイントを狙う場合は、イナーメボールを使用している。
イナーメボールは、身体の手の届かない場所にあるコリをピンポイントで刺激するにはうってつけのツールだ。またズシリと感じるほどに重さも十分にあって、押さえつけてもボールが逃げない。そして何より芯まで響く。もしもテニスボールで刺激が足りていない人は、イナーメボールを一度使ってみれば、その違いが一目瞭然にわかるだろう。
イナーメボールは耐久性も高くハードな使い方でも安心して使用できる(ただし投げて遊んではいけない!)。そして蛍光オレンジだから、部屋の中でも見つけやすい(意外と重要)。もう一つイナーメボールのメリットを上げると、オイルとの併用だ。テニスボールは素材上どうしてもナイロンの繊維がマッサージオイルを吸収してしまい、ドロドロになる。オイルを含んでしまったテニスボールは汚いし、何より洗えない。
ただ、イナーメボールはオイルと併用して使える。オフィシャルには書かれていないものの、オイルと併用してボールを使っても洗えばよいだけである。
まとめ:お家で簡単マッサージ
何の変哲もないボール1つあれば、いままで手の届かなかった体の部分をほぐすことができる。たったひとつのボールの存在は、セルフマッサージをおこなう身体の範囲を劇的に広げてくれた。そして、いつでも、どこでも、遠征先でも、好きな時、好きなだけ施術することができる。
私は普段自分が座っている家の椅子の下にイナーメボールを転がしっぱなしにしている。この「いつでも使える状態」にしておくことが実は最も重要な意味を持っている。この手のマッサージ器具のデメリットをあげれば、「買ったもののあまり使わなくなってしまう」ことだ。
このイナーメボールを毎日継続して使える理由の1つに、部屋の中に転がしっぱなしにしておけるというメリットがある(しかし、無くしてはいけない!)
マッサージ器具は買っても大事に片付けてしまうと、いつの間にかホコリがかぶって使わなくなってしまうだろう。しかし、毎日使う椅子の下に転がしておけば足裏マッサージを無意識におこなうことができるし、一度やり始めたらそれを取っ掛かりに全身をほぐす事もできる。ただし、転がしすぎてどこか手の届かない棚の下に潜り込ませないように注意して欲しい。
私は普段座っている椅子からイナーメボールを蹴って、フローリングの上でゴロゴロしている。わざわざ道具をひっぱり出してきて使うという面倒くささは皆無だ。じゃまにならないし、いつも使える状態というのはそれ自体が、セルフマッサージを毎日続けられるというメリットにも繋がっている。
また、遠征時にもボール1つあれば筋肉をほぐすことができる。事実、私はレースとは関係のない旅行に行った際も、カバンの中にイナーメボールを放り込んでいる。遠征や旅行先の宿でリラックスしたいときに、このなんてことのないただの「玉」さえあれば簡単にセルフマッサージを施すことができる。
マッサージは安くても60分3,000円はするだろう。毎日マッサージに行くコストを考えてみると、2000円程度の玉1つで解決できるのだから遠征の多い私にとっては良いマッサージツールだった。
このの玉さえあれば、目的の圧、目的の部位、気持ちいいと思う箇所を重点的に自分が満足のいくまで刺激することができる。たった1つの玉の存在は、今まで手の届かなかった私のセルフマッサージを大きく変えてくれた。
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