3Dプリンタに作れないものは無いのか。カーボンでは間違いなく作れないであろう造形美。そしてまるでポリゴンのような表面加工。これらは3Dプリンタを用い素材にチタンを使ったロードバイクである。そして強度を確保しつつ、完成車重量7kgとある。信じられない程に作りこまれたこのバイクはDFM01だ。
本バイクはデザインスタジオTriple Bottom Lineの柳澤郷司 氏 とDMMの協力で作られたものだ。サイクリストとしてこの造形と技術に非常に興味が湧いてくる。そのDFM01を見ていく。
DMM.make Akiba DFM01
photo source: Triple Bottom Line
まず本モデルは実際に販売も視野に入れて開発が進められている。先日カーボンとクロモリのTOYOフレームを紹介したが、今回はカーボンとチタンのフレームだ。ラグ部は全てチタンでできている。3Dプリンタを用いたその作り込みは間違いなくカーボン繊維では不可能だ。
3Dプリンタを用いて作られたチタンのラグ部分は、ヘットチューブ、BB、チェーンステー、シートステイとトップチューブの接合部と結構フレームのことがわかっている作り込みになっている。それ以外の部分は全てカーボンだが、どこのカーボンなのかは不明だ。
推測だが恐らくGDR(グラファイトデザイン)ではないだろうか。国内でカーボンといえば同社が思い浮かぶがそれらを特定する要素は見当たらない。
photo source: Triple Bottom Line
このバイクはおどろくべきことにUCIの規定どおりに定められている。ワイヤー類はインターナルルーティングだ。この状態で7kgというが実際にDURA-ACE9070をメインコンポにENVEのステムとハンドル、2.0ROADフォークが採用されている。
ヘッドベアリングはCHRIS KING、そしてフロントリアのハブもCHRIS KINGだ。この組み合わせでかつリムはSMART ENVEを採用し恐らくスポークはSAPIM CX-RAYだろう。タイヤはコンチネンタル。そしてシートポストの櫓はRITCHEYだ。サドルはフィジーク。
photo source: Triple Bottom Line
リアブレーキもBB下のダイレクトマウントになっており抜け目なく最新の動向を抑えている。恐らく相当自転車に詳しい人が組んだといえるアッセンブルだ。このバイクで気づくのは実際にビルトインバッテリーが内蔵されていると思われる。
ステムの下にちゃんとジャンクションが付いているので本当に乗れるのだろう。
今後発売も視野に入れられており、販売価格は50万程〜を予定しているようだ。実際にカーボンフレームの価格帯やチタンオーダーの価格を考えても非現実的な価格設定ではない。人と異なる自転車が欲しい人は選択肢に入れても良いだろう。
3Dプリンタで作られる自転車はまだそう多くないが、近い将来アルミやチタン、クロモリの設計方法を担う日が来るかもしれない。それ程までに3Dプリンタの自由度と技術は進んできている。
日刊工業新聞社
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