出力(W:ワット)ワットは単位の一つだ。1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義される。SI組み立て単位で表すならば、ジュール毎秒(J/s)である。自転車のブログの中には「ワット値」なんて言葉がまれに出てくるけど距離を測る時に「メートル値」なんて言葉を使わないように、ワット値なんて言葉も使わない。
電球でワット数があるが、単純に単位なのだからワットはワットと呼べばよろしい。
違う方向から見ると「測定値」なら理解できるが、どうもワット値という言葉はあまり使われない。正しく言い換えるならば「出したワットの値は〜」と言いたい。「ワットの値」とひとくくりに区切ってもどこか違和感がある。あとワットは大文字のWが正しい表記なので決して草が生えないように。
さて、最近パワーメーターをよく活用し始めた。それらは今まとめ中なのだが、つくづく思うのはパワーメーターとは単なる測定器だということだ。足から生み出したトルクと回転の積(かけ算)をワットとして表記している。たまたま、自転車の場合はそれらが原動力のエンジンだから力を表す絶対的な指針となる。
だから単純に考えればパワーが高い方が良い。パワーウエイトレシオは登りで生かされる言葉だが、平坦なら絶対的なパワーが勝敗を分ける。それらに加えて、空気抵抗だ。小柄でもパワーが出ていてエアロダイナミクスに優れた選手が強いのは当然のことだ。
単純に測定器として考えたら、今使っているパイオニアペダモニが一つの答えなのだろう。シマノから今年パワーメーターが発売されるが、決してスペシャルなパワーを測定してくれるわけではなく、単純にペダモニと同じ値を示すだろう。そう考えると、既存のパワーメーターユーザが乗り換える要素があまり見当たらない。
忘れてはいけないのは、無機質な測定器でどのようなトレーニングをするのかだ。決して本来の使い道を間違えていては、意味がない。ワットを見てるだけでは何も生まれない。まさに「ブタに真珠」にならないように、意味を理解し、本質を見失ってはならない。