大阪の堺市の企業といえば、どんな企業を連想するだろうか。当ブログを御覧の皆さんが初めに思いつくのは、大多数が世界のシマノではないだろうか。堺市とともに歩んできたシマノの歴史は長く、島野庄三郎が堺市で島野鉄工所を創業したのは1921年である。
その更に前、同じく堺市で創業し、今もなお愛され続ける企業がある。「あたり前田のクラッカー」でおなじみの前田製菓だ。
前田製菓は、1918年(大正7年)5月に大阪府堺市で「前田西洋菓子製造所」として創業した。そう、100年も前の話である。生まれては消えを繰り返す厳しい業界で100年も愛される続ける企業はとてもめずらしい。100年もの間、商品を生み出し続け、皆に愛される企業として今もなお成長を続けている。
その100年目の記念すべき節目の年に、前田製菓は「運動をしながら食事が必要な人」へ向けて魅力的な補給食をリリースした。「WAY TO GO」である。先日の関西シクロクロス堺ステージで振る舞われたのが「WAY TO GO」だった。販売前の先行配布ということだったのだが、レース後に食べたWAY TO GOは。忘れられないほどのおいしさだった。
あれから発売を待っていたが、ついに前田製菓からWAY TO GOが発売されたので改めて御紹介したい。今回は、100年の歴史を持つ前田製菓がリリースしたWAY TO GOを食べる(´~`)モグモグ~。そし実際の食べた率直な印象や、気になる成分を余すことなく御紹介しよう。
行動食?
行動食という意味を考えると、その幅はとても広い。パッケージには、山へ向かうハイカーの絵が描かれている。サイクリストにかぎらず、登山や、サイクリング、はたまたトレーニング後の栄養摂取と、「運動中にエネルギー摂取を必要とする人」にとって行動食は切っても切り離せない。
理由は簡単だ。長時間に及ぶ運動や移動の際に、エネルギー枯渇(ハンガーノック)になってしまうと、活動そのものができなくなる。運動をしながら補給をするスポーツはまれだが、長時間の運動をするためには、補給を欠かすことなどできない。
行動食と言えど、私たちサイクリストにとって身近な「補給食」と同じだ。ただし、栄養があれば良いというわけではない。活動を続けながら個体を食べるのは少々つらい。水がないと食べられなかったり、バサバサしていたりすると、喉も渇いてしまう。そしてまずければ、食べる気も起きない。
そこで、当ブログではめずらしい「食レポ」をしてみようとおもう。
WAY TO GOの感想(食レポ)
私は、河川敷をゆっくりと流していた。川の向こう側に見える六甲山には、まだうっすらと雪が積もっている。ロードバイクを土手において、温かい芝の上で一休みする。楽しみにしていたのは、今晩のシクロクロスレースライブ映像を見ながら、ベルギービールを飲むことだった。しかし、それよりも今の楽しみは、新しい補給食「WAY TO GO」を食べることだった。これはキツイトレーニング後に用意してた、いわゆるご褒美である。
座りながら、袋に描かれた「山に向かうハイカー」をぼんやりと眺める。
袋には山のデザインが描かれている。WAY TO GOの袋と、うっすら雪化粧がかかった六甲山を重ねながら、そっと袋を開けた。グローブをしていても、滑らずに簡単に開けることができる。袋はマットカラーのカーボンフレームの肌触りのようだ。袋を開けると、5枚のビスケットが出てくる。平べったい丸い形をしていて、所々にユズの果肉が埋まっている。
口に入れる直前、ユズの香りが一足お先に楽しめる。ほとんどの補給食は食べる前に香りがない。香りの余韻を残したまま、半分ぐらい歯で割った。割った瞬間の感触は、綿雪のように軽く舌の上でフワッと割れる。カロリーメイトの「バキ、サクッ」という感触とはまた違う。
WAY TO GOは大豆がベースだから、どこかしっとり優しい。前歯でかめば、柔らかい「コッ」という音とともに割れる。私はあのカロリーメイトのボロボロとする感覚が少し苦手だ。どちらかといえば、WAY TO GOの「コッ」と潔く割れる方が好きだ。
クリフバーの「グニョ」とも違う。WAY TO GOはどちらかと言えば、ウィダーのプロテインバーを乾かした感触に近い。アメリカ系ブランドのパリッとした硬さというよりは、どこかしなやかな……、そうだ、往年のクライミングバイクLOOK586をほうふつとさせる。
そして、食べた食感と音の良さ、砕ける音も上品な音で魅了してくれる。さすが老舗の前田製菓だ。
肝腎の味はどうだろう。食べる前に感じたユズの香りは、いつの間にか鼻から抜けて消えてしまっていた。しかし次の瞬間、口の中でもう一度、芳純な香りとほんのりとした甘さに出会う。WAY TO GOは私を香りで誘い、食欲をかきたてる。食べ心地は、あっさりとしているから、口の中に余計な味は残らない。
これは上品なオトナの行動食だ。私はシクロクロスバイクに乗るときも、レースのときも水は飲まない。それがシクロクロスという競技のルールだ。WAY TO GOはしっとりとしているから、水がなくても食べられる。SOYJOYにちかいかもしれないけど、あそこまでヌタヌタ感はない。
WAY TO GOは関西特有の「パンチが効いた」食べ物ではない。どこか優しい、かんきつ系のさわやかな香りが印象的だ。残り4枚残っているが、たまらずもう1枚だけ食べた。「残りの3枚は今夜のベルギービールのツマミに残しておこう。」と。幼いころ、「あとで食べよう」って親に買ってもらったお菓子を大事に取っておいた、あの記憶がよみがえってくる。
WAY TO GOはどこか懐かしくも、補給食ながらおいしい。このおいしさは、ふだんでも食べてしまいそうで少々怖いのだが、トレーニング中や終わった後の補給を楽しみにしてくれることは間違いなさそうだ。
成分
さて、ポエム(笑)も書き終えたところでWAY TO GOの成分についてだ。
WAY TO GOは5枚で200Kcalである。カロリーメイトも2本セット200Kcalなので同じカロリーである。カロリーメイトは細長い。対してWAY TO GOは丸く小さい。形状は好みが分かれるが、どちらも食べやすい。なお、主成分は大豆だ。そしてユズも使われている。
たしかに大豆は消化のスピードが遅いが、腹持ちは良い。また、WAY TO GOにはアミノ酸ベタインという成分が配合されている。ベタインは胃の健康を保つ効果や、肝機能を高める効果がある。通常のお菓子とは異なり、内蔵もいたわる成分も配合されているのだ。
どうしても、補給食の取りすぎて体に負担をかけてしまい気持ち悪くなってしまうが、WAY TO GOを5個一気に食べても特に違和感はない。
まとめ:いつもと少し違う補給食を
WAY TO GO は5枚入り一袋価格260円。8袋入り箱買いで2080円だ。箱買いすると少々高いと感じるかもしれないが、一袋は260円ほどである。最近思うのだが、良いものはそれに見合った値段がつけられる。余りにも安すぎると、私は逆に食べ物として心配になる。だからある程度値が張っても良いものを体に取り入れたい。WAY TO GOは大豆や胃に優しい成分を配合したり、腹持ちが良い原料を使用している点が好印象だ。
冒頭で私は「100年」と簡単に書いた。考えてみれば、企業が100年も続くということ自体が奇跡に近い。第一次世界大戦、第二次世界大戦、終戦、戦後日本が世界のトップへ上り詰めていく高度経済成長時代、バブル崩壊、そして現代……。時代の変化に対応せねば、大手企業といえど取り残されてしまうだろう。
その時代の流れの中で、日本人の食生活や味の趣向も変化してきた。私はWAY TO GOを食べて単純にさっぱりしていて、おいしいと感じた。成分は大豆をメインに使用しており、腹持ちも良い。そしてユズの味も絶妙だ。ただ、一つ心配なこともある。単純に部屋の中で目についてしまったら最後、余計な間食をしないように注意したい!
私は次回のレースが今から楽しみだ。なぜって?ふだんの生活では、「食べてたらあかん!」と決めているWAY TO GOを食べられるから。手軽に携帯できて、簡単にタンパク質が摂取できるWAY TO GOは、ふだんの練習の補給から、運動後のプロテイン補給まで幅広く活躍してくれそうだ。
前田製菓の製品はスーパーで売られているイメージが強いが、このWAY TO GOは全国のサイクルショップでも販売する(代理店は深谷産業)。また楽天では、早速販売が始まっているので是非一度試してみてはいかがだろうか。ちなみに私は箱買いした。
¥2,240