ミラノ~サンレモを制したマチューの新型CANYON AEROAD CFRのプロトタイプとは

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マチューはCANYON AEROAD CFR のプロトタイプでミラノ~サンレモを制したようだ。キャニオンのグローバル コミュニケーション マネージャーであるベン・ヒルズドン氏がAEROADのプロトタイプであることを認めている。

さらにヒルズドン氏は、AEROADのプロトタイプについて次のように述べている。

マチューのバイクは、シートポストのクランプボルトを新しい位置に変更した。シートポストの前にクランプボルトを移動し、汚れが入る可能性を減らしている。この仕様変更に対応するために、フレームの形状を微調整した。このプロトタイプの詳細についてはまだ発表することはできない。マチューから得た、実際のレースでのフィードバックは、アスリートやアマチュアレーサーに革新的で新しいソリューションを提供するために役立つものと考えている。

一見すると、現行のAEROADとフレームの形状の違いがわからない。ただ、トップチューブとシートチューブが交わる部分のフレームの形状がより角張った形状に変更されている。

プロトタイプはTARMAC SL7で採用している位置と同様のタイプのクランプボルト固定方式だ。トップチューブ側にクランプボルトが移動しているため、シートポストを押し付けて固定するための金具を収納するウェッジが確認できる。そのため、トップチューブとシートチューブが交わる部分がおよそ45度に傾斜している。

この形状は同時に、小さな空力的な利点があると考えられる。

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ハンドルは薄く角張った形状に

ハンドルは一体型形状から変更はない。しかし、現行のモデルよりもステム部分が角張った形状に改良しているようにもみえる。また、ハンドルトップは現行の丸みを帯びた形状からフラットな形状に変わっている。

市販品はステム角度が変更できないが、プロチームに供給されているモデルのステム角度は17度前後の水平になるようなモデルを使用している。

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ヘッドカバーは薄く

AEROADの初期型は、丸みを帯びたヘッドカバーだった。現行版は、プロトタイプと非常に近い設計にアップデートされている。

プロトタイプのヘッドカバーは、2022年後半の現行AEROADに採用されているタイプとよく似ている。プロトタイプはヘッドカバーが薄型になり、ステムに合うように角度がついたスペーサー樹脂が間に入っている。

ヘッドカバーとスペーサーが分離できるのか、一体型なのかはまだ明らかになっていない。ただ、ステム角度を変更する汎用性を考えるとヘッドカバーとスペーサーを分離したほうがセッティングの自由度は高まるはずだ。

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肝心のフォークに変更は見られないが・・・

新しいUCIレギュレーションを活用したフレームに共通しているのは、太く薄いフロントフォークだ。SIMPLON PRIDEIIやSTORCK Aerfast.4 Pro Discがそうであるように、剛性さえ担保できれば10mmほどまでシェイプアップされるだろう。

しかし、プロトタイプのAEROADは現行モデルとなんら変わらないフォークだ。実際に空力性能に大きな影響を及ぼす部分であるため、製品版にはフォークの改良が行われる可能性が高い。

実際にCANYONが開発しているGeometry 19でもフォークが太いモデルが検討されている。

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シートステーはわずかに改良か

シートステーは一見すると変更が無いようにみえる。しかし、ボルトが排除されたことで、設計の自由度や剛性の確保は容易になったはずだ。

現行モデルのシートステーは横に張り出したような形をしていたが、プロトタイプは内側に入りこんでから外側に出るような形状に見える。

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チェーンステーも変更なし

チェーンステーはGeometry19では先が尖った形状が検討されていた。しかし、プロトタイプは現行モデルと変わらず、先が切り落とされた形状を踏襲している。

AEROADはブレーキキャリパーをうまくフレーム内に隠す形状が採用されているため、空力改善を求めていくとブレーキ周り改善が行われるという噂もある。しかしプロトタイプに改善は見られず既存の形状を踏襲している。

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BB86から変更なし

北米メーカーが圧入式BBからスレッド式BBに原点回帰するなか、CANYONの動向も注目されている。CANYONは圧入式のBB86を採用しており、TREKやGIANTと同様にBBの幅にこだわりをもっている。

そのため、BBまわりの幅を活かせるT47の採用が待ち望まれるがプロトタイプではBB86のままのようだ。今後、トップメーカーがスレッド式に回帰していくことが予想される。新型AEROADにスレッド式が採用されるか注目が集まっている。

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まとめ:新型はより薄く、より軽く、調整しやすく。

プロトタイプで目立った変更点は、シートポストやシートステーまわりの改良だけに思える。しかし、世界最速をもとめるCANYONはかならずや「UCI新レギュレーションにおける世界最速」を目指しているに違いない。

今回もSWISSSIDEとの連携も水面下で行われている可能性が高く、空力性能の向上は確実だ。また、CFRに採用されているM40Xのカーボンのレイアップは変更が施され、軽量化も期待されている。

現行モデルは7kg以下を狙うには少々厳しい。Cannondaleの新型SUPER SIX EVOやTARMAC SL7などと互角にやり合うことを考えれば、レイアップと構造の改良で6.8kgのバイクが待ち望まれている。

また、AEROADのハンドル周りは一体型であるためセッティングの自由度が低いことが日本のみならず、各国のメディアでも指摘されている。次期モデルは、ステム角度、ステム長さは選択できるようにするべきだ。しかし、CANYONが今回のプロトタイプからどのようにブラッシュアップしていくのかは未知数だ。

そして、いつリリースされるかもまだ明らかになっていない。可能性が高いのは、ツール・ド・フランス前だろう。リリースは10月頃といったところだろうか。

いずれにせよ、日本でも非常に人気が高いAEROADだ。そしていま、最も注目をを集める選手であるマチューが操り、勝利を量産し続けるAEROADの新型の登場を誰しもが待ち望んでいる。

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