目頭が熱くなる。
NIPPOヴィーニファンティーニの吉田選手と走る、前から三番目の、タケハル。吉田選手に次ぐ、エリート2位だった。本当に強くなった。ガキんちょだった頃から一緒に練習して、ちぎれても何度も、後ろを付いてきた。
冬の間も、監督、タケハル、私の三人でコツコツ練習してきたこともある。春からぽっと出の人たちとは違う、つながりがある。
これは小学校の頃かな。
エウスカルテル・エウスカディのサミュエル・サンチェスとはマブダチらしい。小学生の頃。いつもレース後、「タケハル強なったなぁ」というと、「藤田さんがガキの頃から練習してくれたおかげです。」と言う。
年を取ると、目頭が熱くなる。
私は、普段は練習中あまり声を上げないけど、タケハルがツキ切れしそうなときに、いつも罵声を浴びせていた。「ちぎれるなー!」と。でも最近は第1〜第3で私がちぎられるwwwでも、精神年齢が近いから、一緒に走ってると楽しい。
車の話と、勉強の話。特に彼の勉強の話が面白い。大阪でも名門の高校に通う。
芽は着実に。
そして沖縄の優勝。スプリントはシルベストの鉄ちゃんにソックリなんだわ。彼の努力も一番あるが、何よりも、両親が良い方だ。愛を感じる。人前で窘めたり、怒鳴ったり、世間一般的に見られるような、スパルタ自転車一家の要素はまったくない。いろんな親子を見てきたが、シクロクロス全日本選手権で優勝した小坂選手の親子関係と似ている。
何も言わないらしい。
家では言うんだろうけど(笑
タケハル家は、我が家でもモデルケースとして、よく話に上がる。文武両道。ガミガミ言うと人間は反発する。特に子供に言い過ぎるケースを見ていると、いたたまれなくなる。そして、輪界から消えていく若い人も多い。
今年はマツケンさんも、タケハルも新しい世界へ挑戦している。その間、チームは弱体化するのか?冬の間自問自答した。練習方法も、意図的に変えてきた。賛否両論はあるけど「目的のある練習」をという意識のもと、無駄なちぎり合いや、無意味な休憩を減らし、時間効率を上げてきた。
今までと同じやり方では、昨年と同じ結果のままだ。
修善寺で凹んでいたいけちゃん。一晩同じ部屋で自転車競技のことについて語る。練習を積んできた修善寺でボコボコにされた彼の気持ちは、誰よりもよく分かるつもりだ。自転車競技は、練習したこととリザルトは必ずしも結びつかない。
だから、一生懸命やる人ほど折れてしまうことも多い。
それでも、「日々目標をもってコツコツやり続けていれば、いつかかならず結果はついてくる。その日のために諦めずに、やりつづけて準備しつづけるんだ。」と言ったけど修善寺のときはへこんだままだった。2戦目で直ぐに結果が出たw。贅沢なやつめ。
右側、しっかりハンドルを差し込んでる。頭も下げて少しでも先に。良いね。
最後は、スーパーダークホースのこの娘。行きの車で、「お前には目的があるのか?ヒルクライムも、クリテリウムも出て、目的が定まっていない。みんなが応援に来るから出るとか、レースが近いだけの理由で、レースに出ようと思っているなら辞めろ」と結構言ったら、(´・ω・`)ショボーンとしていた。
ところが最後は、職人ひしめく舞洲クリテリウムで展開を読み、風を読み、抜群のタイミングでホームストレートに登場する。そして、一度はまくられそうになるも、まくり返す。最後はハンドルを投げる。教えていないのに、いつもみんなで練習するときに、何十回も監督のスプリントを見ていたからだと思う。
監督は「本能的やったんだな」と私に教えてくれた。DNAは確実に受け継がれているんだと思う。
肝心の自分はというと、少ないチャンスにかけてみることにした。できるだけ逃げたかった。スプリントとなると、メンバー的にもまず勝ち目はない。最後まで勝機を伺う。牽制が入った時に、すすーっと抜け出す。私にはそもそもマークが無いから容易に抜け出せた。でも、集団のペースが上がり、追いつかれる。
なかなか逃げきれるもんではないね。いつか逃げ切って勝ちたい。最後はスプリントに加わらず、終わる。これもまたレースだな。
妻にマイクロ胡蝶蘭を買ってきた。つぼみがいつか咲くように、日々の水やりや、日当たりの良いところに置くといった、毎日の手入れは欠かさない。それは選手も同じだ。毎日淡々と同じことを繰り返しているようだけど、いつか花は咲く。ただ、どんな花を咲かせるかは、それぞれ一人ひとりの中にある。
次は堺クリテリウム。昨年、「君のチームは走ってる人数多いけど、弱いよね。」と知らないおっちゃんに言われた。あれから一年。今に見てろよ。
今週はマツケンさんが帰ってくるので、飯行って走る予定。土日はしりますんで、時間が合う方はご連絡ください。
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