確定申告が終わった。
といっても、昨年から全て税理士の先生にお願いして、申告までおこなっている。これまで、何年も自分で申告していたのだけど本当に全部理解できていなかった。やってみてわかるのは、サラリーマンだからこそ税についてきちんと理解しておいたほうがいいと痛感している。
サラリーマンは、会社が全部やってくれるから本当に考えなくてもいい。恥ずかしながらサラリーマンとして勤めてから、年末の源泉徴収がどのような仕組みで行われ、何がどれくらい、何の項目が引かれているのかという事を理解したのは最近だった。
日本の源泉徴収の歴史を紐解いていくと、1940年(昭和15年)に、戦費調達のために所得税の課税対象者を増やし、効率的に所得税を徴収するために源泉徴収制度が採用された。戦後は形を変えて、税制改革で申告納税制度が採用された。
そして、国民全員が確定申告をする負担を軽減するために、年末調整制度が採用されていった。
毎年自分の稼いだお金のいくらかを納税するわけだが、最近は若干の不本意は感じながらも建設的な使い方をしてほしい、とは思う。それでも若い時と違うのは、払いたくないとか、節税したいとかをまるで思わなくなった。
むしろ、払いたいと思う。
ただ、それでも「必ず払わなければならいという理由」をまず理解してから払う必要がある。若い頃の漠然とした「払わないと、こわい」とは違う。
確定申告にかぎった話ではないが、税や金融といったお金のリテラシーは自分で学ばないと身につかない。これは親や知人に聞いてもわからない。というよりも、聞いてはいけない。自分で確かな情報をさがして、学ばなくてはならない。
だからこそ、小学校で金融教育が行われることはとても良いことだと思う。子供は親を選べないし、金融リテラシーが低い親も多い。いつか日本の塩漬けになっている円預金が投資にまわり、社会にお金が回り始めれば日本は今とは違った状況になるかもしれない。
そのためには本を読み、知識をつけ、自分で実践することだ。
様々な本があるが、最近面白かったのはMorgan Houselの「The Psychology Money」だ。ダラダラとどうでもいいことが書いてある書籍ではなく、1章ずつテーマがあり完結する。最後の宇宙人がみたマディソン・スクエア・ガーデンの年末のたとえ話は面白い。
まだまだ面白い本はたくさんあるが、考え方や思考のバイアスからお金や経済を解説した本書は、お金に関する考え方を変える足がかりになると思う。
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