背中に目を。TREK CarBack レーダーテールライトインプレッション

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長年自転車に乗っているが、道路を走ることのリスクが年々増していることを痛感している。ドライバーの質にも問題があるが、自動車の大型化により自動車との距離が近くなっていることや、EV車両の静音性の高さなど、自動車のハイテク化に伴って近づいてくる車両に気付けない場合も多くなった。

最近では、ドライバーが「ながらスマホ」をしながら運転するなど、ドライビング中の注意散漫な行動が増加しているのも現状だ。たとえ自転車専用レーンを走っていようとも安心できなくなった。自分の後ろから何か迫ってきているのか、本当にドライバーは私を見ているのか、ということを強く意識し警戒する必要性が生じている。

そこで、自転車用レーダーライトの登場だ。

自転車用レーダーの仕組みは、ライダーに近づいてくる車両をレーダーがキャッチして、スマホやサイコンで警告する。使用方法も簡単で、シートポストやサドルにレーダーを後ろ向きに取り付け、あとは車両が接近していることを「ビープ音」で知ればいいだけだ。

おなじみのANT+であるため対応のサイコンであれば、接近する車両の進行状況をディスプレイ画面横に表示することができる。

今回の記事は、最大2km先まで認識が可能なライトをそなえ、最大240m後方の車両を感知できる業界最高のレーダーを備えたモデル、TREKのレーダーテールライトCarBackをテストした。

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CarBackで背中に”目”を

これまで、レーダーテールライトはMagine、Garmin Variaなどを試してきた。どのレーダーテールライトも後方から近づく車両の接近を十分に知ることができた。レーダーライトの表示内容はサイコンの機能に依存しており、MagineやVariaだろうと表示内容は同じだった。

しかし、レーダーライト自体の性能は大きく異なっている。検知できる最大距離やアプリ連携の有無、ライトの視認性やデザインなどは異なっている。TREKのCarBackが優れているポイントは以下だ。

  1. 検知距離が業界最高の240m
  2. TREKのハイエンドリアライト「Flare RT」を装備
  3. 90ルーメンの高照度
  4. 2km後方から視認が可能
  5. コンパクトなデザイン
  6. スマートフォンと連携
  7. バッテリー残量表示

CarBackは、車両の検知距離が業界最大の240mだ。人間の認識範囲を大きく超え、後方から接近車両を発見できる。他のレーダーと同様、CarBackも2km先まで視認可能なライトが常時点灯している。ライト自体はTREKのハイエンドライトが搭載されており、90ルーメンと直視ができないくらいの十分な明るさだ。

ライトのパターンは昼灯、点滅、無点灯を選択できる。設定はサイコンやスマートフォンから切り替えることができる。

CarBackはスマートフォンとの連携が高められている。サイコンがなくともスマートフォン用のアプリと連携し、接近する車両の正確な位置を音と視覚的な警告でリアルタイムで確認できる。アプリ連携のほうが便利なのは、車との距離だけでなく、横方向の距離も表示できることだ。

動作時間は7時間だ。レーダーは常時センサーが動作しているためバッテリーの寿命も重要になってくる。バッテリーが切れてしまうと、せっかくのレーダー機能が台無しになってしまう。バッテリー残量に気を配る配慮もされており、CarBackには本体自体に見やすい4つのLEDバッテリーインジケーターを搭載している。

実際にサイコンなどで充電残量を確認するよりも、本体側で充電量を視覚的に確認するほうがはるかにわかりやすい。さらに、Di2バッテリーやパワーメーターの電池残量がそうであるように、サイコン側でもCarBackのバッテリーの状態を知らせてくれるのだ。

本体自体は頑丈かつコンパクトだ。そして、十分な防水機能を備えている。また実測重量は約100gでシートポストやサドルに取り付けても場所を取らない大きさと軽さだ。

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インプレッション

いままでは、背後からクルマが来ていないことを確認するために、身をひるがえして横目で後方を確認していた。この時、もちろん前方向に意識は向いているが、完全に見えているわけではない。頭の後ろにも目がついていればよいのだが、人間にはそんな機能はついていない。

レーダーライトが登場したことによって、そんな不便さが少しばかり解消された。完全に解消していると表現するよりも、レーダーライトを使うことで不安が少しばかり和らいだと表現したほうが適切だろう。

TREKのCarBackは、MargineやGarminが採用している長距離レーダーとは一線を画している。検知距離が業界最高の240mで、Magine L508の140mと比べると倍近い距離から接近してくる物体を検知できる。高性能ながら本体はコンパクトで見た目もスリムだ。

重量が合計100g弱と軽量なので、テールライトとして考えても軽量な部類だ。本体も付属のマウントで簡単に取り付けることができる。実際に使ってみると、後方から接近してくる対象物は、近づいてきているのか目視では確認できない物体まで検知する優れようだった。

使用はかんたん

ライドに出かける前に、シートポストにCarBackを取り付ける。Super Six EVOのシートポストはとても細いのだが、付属のアタッチメントで取り付け可能だった。私物のGarminを起動して新しいセンサーのスキャンを選択すると、GarminはすぐにCarBackを検出した。

CarBackはANT+であるため、Garmin以外にも主要なWahoo、Hammerhead、その他のブランドともに互換性がある。Garmin Edge 530とも簡単にペアリングが完了し、ペアリングをするだけでサイコン側が使用に必要な設定をすべてやってくれた。

早速、交通量の多い幹線道路を走り自動車の検知について確認した。GARMIN VariaやMagine L508を使用してきたが、CarBackはこれまで使ってきたレーダーと同等か、若干であるが検出の動作が早いと感じた。

検知は非常に正確で、自動車が接近してくる距離感や速度感も、ディスプレイに表示されている内容と一致している。レーダーが検知する対象物が240mにも及ぶため、ひっきりなしにサイコンにアラームが表示される。うっとうしいと思うか、それとも安心と捉えるかは人それぞれだが、集中しているときは少々気が散るかもしれない。

実際使ってみるとTREKのCarBackの筐体の洗練さは他社よりも優れていると思う。そのサイズもさることながら、重量が100gという軽さがいい。高性能なセンサーを積むとどうしてもハードウェが重くなってしまう。重いのを嫌って、安全性を向上させる装置を装備しないのは本末転倒だ。

実際に他社製品と比べて非常に便利だと思ったのが、本体の側面にあるバッテリー残量インジケーターだ。いちいちサイコンで確認する必要もないし、自転車から降りたちょっとした時間で確認できる。バッテリーの持ちもよく、よほど長い時間乗らなければ1日の練習時間十分に機能すると思う。

クルマが近づくとこんな感じ

実際のサイコンに表示される動作は見たほうが早い。

まず、サイコンの画面右側にバーが表示される。通常のサイコンメニューもそのままだ。車が接近していないときは緑色のままになる。車がレーダーの範囲内に入るとオレンジ色に変わる。接近物とその近さを表す小さな白い丸が列になって表示される仕組みだ。

レーダーは本当に正確で、車が自分の真横を通り過ぎるまでサイコンに表示され続ける。これだけ聞くと、ディスプレイで対象物を確認するのも、ビープー音を聞くのも忙しいと感じるかもしれない。

しかし、ハードな練習を行って疲れきった帰り道、ぼーっと走っているとCarBackは私が気づかなかった車を5回以上も知らせてくれた。後方をちらっと見たとき、1台の車にしか気づかなかったが、後続車がさらに複数台いることには気づけなかった。

気が抜けているときほど、レーダーが警告を出してくれることが素晴らしいと感じた。

これまで、自転車に乗っているとき、後続車両にかなり気を配ってきたが、CarBackのおかげで安全性がさらに高まったとおもう。また、ヒルクライム後にスピードが出る下り坂のような状況でも、後ろを振り返らずとも、何かが近づいてくることに気づけるのはとても便利だと思った。

もちろん、後続車の注意を向ける仕事をレーダーだけに任せすぎるのはNGだ。レーダーから得た情報に対して、今以上に注意を向ける必要がある。しかし、後頭部に目の役割を果たすレーダー機能は歓迎すべきものだと思う。

GoBackはレーダーが接近物を発見するのにも活躍するばかりではなく、他にも強力なハイエンドライトが搭載されている。自分が接近物を知るだけではなく、第三者が自分自身を発見するのにも役立つこのあわせ技は、合理的かつ、賢いデバイスといえるだろう。

スマホ連携

アプリを使用すると、後方から接近してくる車両の縦方向に加えて横方向の正確な位置が確認できる。

不満点

唯一の不満はマウントだ。ゴムは薄く感じるが、ぴったりとシートポストに密着させるにはかなりきつく引っ張って固定する必要がある。ぴったりでないと、振動でぐらぐらしてまっすぐ後方を向かない。

ストラップは十分な長さがあるのでたいていのロードバイクに取り付けられると思う。

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他社製品比較

  TREK CarBack GARMIN Varia Bryton GARDIA Magine L508
検知距離 240m 140m 190m 140m
ライト照度 90LM 65LM 20LM 20LM
ライト視認 2.0km 1.6km 1.6km
充電 Type-C Micro Type-C Type-C
価格 25,900 29,700 18,480 17,490
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まとめ:背中に第三の目を

レーダーライトを一度使用し始めると、もうレーダー無しの頃には戻れなくなる。単純に後続車両が近づいてくる事が把握できないことが怖いのだ。後ろについていた目を失ったような気さえする。目視確認で後ろを向くというリスクもレーダーが無くなると、より実感するようになってしまった。

ライドに向かう途中、どうしても幹線道路を通る必要があるなら、TREK CarBackは素晴らしい装備になる。残念ながら幅寄せや、注意散漫なドライバーから身を守る根本的な解決にはならないが、後ろからいま何が近づいてきているのかを把握し、注意や警戒を行うために役立てることができる。

これまで見えなかった世界をCarBackで可視化し、ライドの安全性をこれまで以上に高めてみてはどうだろうか。

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