UCI承認リストの3月2日版にTREKの新型DOMANEの名前が登場した。エンデュランスロードバイクの新型DOMANEのグレードは3種類ありDomane SL, Domane SLR, Domane RSLだ。
- DOMANE SL
- DOMANE SLR
- DOMANE RSL
このタイミングでUCIの承認を得る理由は、春の石畳クラシックレースで使用するためだと考えられる。そして、トレック・セガフレード・チームのレースで使用されることを示唆している。
グレードで注目すべきは、RSL(Race Shop Limited)の存在だ。RSLは、トレック・セガフレード・チームの選手からのフィードバックを取り入れ、レース仕様にデザインされた専用機材だ。フレームや、ホイールなど同社のパーツで最上位のモデルとして位置づけられている。
SLRとSLの違いは、カーボンファイバーのグレードだ。現行のDomane SLRはOCLV700を使用している。Domane SLはOCLV500を使用している。トレックは、新型のÉmonda SLRでOCLV800、詳細には東レのカーボン「M40X」をスポーツバイクで初めて採用した(他にはCANYON AEROAD CFR)。
OCLV 700の素材よりも30%強度が高く、その分、重量を抑えることができる。とはいえ、超軽量はÉmondaの大きな特徴のひとつであり、Domaneのような荒れ地を快適に走るバイクでOCLV800カーボンが必要とされているかは未知数だ。
RSLモデルは、通常のモデルとの明らかな差別化や異なる仕様を備えている可能性がある。1つ目はジオメトリーだ。DOMANE RSLは過去にチーム仕様のバイクが存在していた。旧Émonda SLRにもRSL H1フレームセットがラインナップされていた。
RSLモデルは、標準バージョンよりもポジションを低くできるジオメトリーを採用しており、プロ好みのアグレッシブなポジションを取ることができる。
もう一つは、新UCI規定に沿ったバイク設計だ。エアロ競争は第二章に入っており、既にワウト・ファンアールトがUCI新規定を採用した極薄のサーベロの新型に乗っていることが目撃されている。
新UCI規定のバイクは次期TREK MADONEで採用されることはほぼ確実だと考えられるが、石畳や振動吸収性に重きをおくDOMANEに採用される見込みはそれほど期待しないほうが良いのかもしれない。
DOMANEの振動吸収性の話がでたところで、TREKが得意とするISO SPEEDの刷新が期待される。トレックが前回(2019年)Domaneシリーズをアップデートした際、より空力的に効率化し、タイヤのクリアランスを38mm幅までの追加し、ダウンチューブに収納スペースを導入した。
しかし、前作のDomaneにおける大きな革新機能は、SLRモデルにトップチューブで調整可能なISO SPEEDが追加されたことにあった。
TREKが新型DOMANEで新しいISO SPEEDを採用するか、もしくは既存の路線を変えずに踏襲するに留まるのかは明らかになっていない。ただ、なんらかの振動吸収技術が盛り込まれることは確実だ。
フロント側のISO SPEEDは新型のTREK BOONEで廃止された。もしも、TREKがこの路線を変更しなければ、リア側のISO SPEEDだけ搭載し、フロント側のISO SPEEDは廃止される可能性もある。
それ以外の新機能は、いつもの軽量化、高剛性化、空力改善だ。ただ、毎回新しい機能を新型バイクに盛り込み、サイクリストたちを楽しませてくれるTREKであれば、必ずしや新しい振動吸収機能、あっと驚く新機能を引っさげて新型Domaneをローンチするだろう。
UCI – List of Approved Models of Framesets