海外でタイヤの転がり抵抗を測定するBRRで新型GP5000STRのテストが行われた。結果を見ると「性能は据え置き」だった。
25Cタイヤの実測重量は以下の通り。重量面ではGP5000のチューブド式タイヤが最も軽い。
- GP5000:221g
- GP5000STR:255g
- GP5000TL:295g
25Cタイヤの実測重量とチューブレスバルブ20g、シーラント20ml、Latexチューブ(Soyo 50gを想定)を入れた場合の総合的な実測重量は以下の通り。重量面ではGP5000のチューブド式タイヤが最も軽い。TPUチューブを使うとさらに20g軽量化が可能だ。
- GP5000:221g+50g =271g
- GP5000STR:255g+20g+20g = 295g
- GP5000TL:295g+20g+20g = 335g
8.3 Barの場合の転がり抵抗は以下の通り。最も抵抗が小さいのはGP5000TLでSTRとラテックスのタイヤ性能差はない結果だった。
- GP5000TL:8.3W
- GP5000STR:8.4 W
- GP5000(Latex):8.4 W
6.9 Barの場合の転がり抵抗は以下の通り。実用空気圧に近い場合は、GP5000(Latex)が最も抵抗値が低い結果だった。最も抵抗値が大きいのは、新型のGP5000STRだ。
- GP5000(Latex):8.9W
- GP5000TL:8.9 W
- GP5000STR:9.1 W
5.5 Barの場合の転がり抵抗は以下の通り。低圧にすることによってチューブレスタイヤのメリットが引き出されるかと予想したが、それぞれ横並びの結果だ。
- GP5000TL:9.9 W
- GP5000(Latex):10.0 W
- GP5000STR:10.1 W
4.1 Barの場合の転がり抵抗は以下の通り。さらに低圧にすることによってチューブレスタイヤのメリットが引き出されるかと期待したが、Latexの思わぬ抵抗の低さに逆に驚く結果だ。
- GP5000TL:11.6 W
- GP5000STR:11.8 W
- GP5000(Latex):11.8 W
GP5000STRは、ガンナの世界選手権優勝やパリルーベでの勝利を量産した期待のタイヤだった。しかしふたを開けてみれば、転がり抵抗だけみればこれまでラインナップしているTLやCLタイヤとほとんど誤差の範囲の違いしかなかった。
しかしながら、チューブレスタイヤを使用したいユーザにとってGP5000STRは強力なタイヤになりうる。重量削減や、サイドウォールの強化などCLモデルの弱点とされている部分がアップデートされている。
特にCLモデルのサイドカット耐性はあまり芳しくない。筆者自身も練習中にカットしてしまったことが何度もあった。STRは2/220ケーシング(2層設計)を採用しているが、3/330(5000CL)と2/220ケーシングはどちらも同じ量のケーシング材料を使用しており、折り方だけが異なっている。
2/220ケーシングはトレッドの下に2層で、サイドウォールに3層だ。3/330ケーシングはトレッドの下に3層で、サイドウォールに2層だ。その結果、STRはサイドウォールが頑丈になるが、トレッド部分は2/220ケーシングであるためパンクがしやすいともいえる。
また、5000 STRフックレスリムへの対応は喜ばしいことである一方で、フックレスリムを使用する場合はすべてのサイズで5Barが最大許容空気圧になる。
5000STRは、メーカーが発表している20%転がり抵抗削減という結果ではなかった。むしろ実用的かつ経済的な面を考慮すると、GP5000CLにSOYOラテックスや軽量なTPUチューブを入れるという方法がまだまだ主流になりそうだ。
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