S-WORKS VENGE DISC インプレッション! 460g軽量化した最速のディスクロード

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ざっくり言うと↓

  • VENGE ViASより460g軽い
  • VENGE ViASより速い
  • エアロと軽量化が融合した至高のディスクロード

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「新型VENGEは軽くて速い」新型VENGEをひとことで言えばその1点に集約される。ディスクロードの時代がすぐそこまで訪れようとしているときに、スペシャライズドはディスクブレーキオンリーの新型VENGEをリリースした。新型VENGEはVENGE ViASのエアロダイナミクスを凌ぎ、ViASよりも460gもの減量を達成した。

VENGE ViASよりも優れたエアロダイナミクス、それでいてTARMAC SL5 DISCよりも軽い。いつの時代もロードバイクに求められる条件は「重量」と「空力」だ。ただ、私が新型VENGEにいて記そうとしたとき、たった2つの重量と空力だけに話を絞って書くことはできなかった。プロダクトが出来上がるまでの過程は、そう簡単に説明できるものではない。

初代VENGEが誕生してから7年、新型VENGEはどのような進化を遂げたのだろうか。最も興味をそそられるのは今目の前にある新型VENGEの到達点ではなく「新型VENGEに到達した過程」である。新型VENGEを生み出すために開発者たちは3つの目標を掲げた。1つめ、エアロダイナミクスの向上。2つめ、表面積を減らした重量削減。3つめ、ハンドリング特性の維持(Rider-First Engineerd)だ。

エンジニアたちはこれらの目標を達成する為に、気の遠くなるような時間を使ってテストを繰り返した。出来上がったVENGEをただぼうぜんと眺めていただけでは、新型VENGEの特徴すら知ることはできなかった。私は新型VENGEにを目の前に、開発ヒストリーを追体験した。そして新型VENGEについて知りえた情報をできるだけわかりやすく、現場の空気感を届けるために書き起こしたのが今回の記事である。

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当ブログの読者たちは、今回の記事の様子が何かおかしいことに、うすうす気づき始めているかもしれない。

いつも当ブログを読んでくださっている読者の方々に、ひとつ先にお伝えししておきたいことがある。私自身も驚いたのだが、今回は実際にアジア圏(中国、台湾、フィリピン、日本)のスペシャライズドメディア向けローンチに参加させて頂いた。実際に米国スペシャライズドの開発エンジニアでもあるキャメロンさんともお話しさせて頂いた。

そして、海外や国内の主要メディアがひしめくアウェイ感の中、新型VENGEを発売前にいち早くテストさせて頂いた。

身銭を切って機材を買って、感じ得たことを素直に書くのが当ブログだ。業界からはならず者とも思われても仕方ない当ブログに、こんな日が来るものだなととても感慨深い。しかし、読者が当ブログに求めることはわかっている。ブレないことだ。他のメディアと同じような内容ではなく、私個人というサイクリスト目線のインプレッションが当ブログには求められている。

それは今回も変わらない。いつも通り書こうと思う。ただ今まで当ブログ内の記事とは異なり、事実をできるだけ記載することに注意を払った。今回の記事は2回に分けている。まずは知りえた事実をわかりやすく記載した。初代VENGEから7年、新型VENGEはどのような進化を遂げたのだろうか。その一部始終を余すことなくご紹介していこう。

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エアロダイナミクスの追求

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新型VENGEでエアロダイナミクスは更に追求された。開発にともない、すぐさま風洞実験から取り組んだわけではなかった。まずはソフトウェア上でありとあらゆるチューブ形状を計算し、空力学観点、表面積、剛性のバランスを分析した。これらの要素をシミュレーション上で最適化していった。

今回のローンチにおいて、スペシャライズドからも公にはされていないが、確か使用しているCAE解析ソフトウェア は「Altair HyperWorks」(動画を参照、当ブログでは初掲載)だ。スペシャライズドはS-Works Venge ViASフレームの重量と構造効率を最適化するためにAltair HyperWorksを用いていた。この動画にはエアロダイナミクスのR&Dに携わるChris Yu氏も登場している。

数字で速さを表現すると、新型VENGEはVENGE ViASに比べて8秒速い(40km走行時)。ただし、実験の前提条件が気になっていた。この点に関してもスペシャライズドはしっかりと実験の前提条件を示している。実走の環境条件に近づけるため、ライダーを乗車させた状態、ボトル2本、ホイールとタイヤは全て同じ条件でテストが行われた。ゆいつの差分といえばフレームだけである。

実験というものは、より現実的な条件で実施することがマストであり、いわゆるパッケージングの状態(バイク、ライダー、路面状況etc…)で測定してこそ意味がある。昨今ではコンピューター上での解析技術が進んだ結果、シミュレーションである程度の空力特性の傾向はつかめるものの、私達が走るのは実験室の中ではなく野外の環境だ。

しばしば見られるのは、フレームだけのエアロダイナミクスを計測している実験だ。フレーム単体が宙に浮いて走るわけではないから実走とは程遠いシミュレーションもまれに見かける。しかしスペシャライズドは、コンピューター上でのシミュレーションと、自社のウィンドトンネル(風洞実験室)を用いて新型VENGEのテストをひたすら繰り返した。

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ローンチ会場では貴重なモックアップの新型VENGEが鎮座していた。そしていくつものチューブ形状のパターンが置かれており微妙な造形の違いが見て取れた。それら様々な形状のテストの上に「新型VENGE」という一つの到達点があるのだと思い知らされた。結果的に新型VENGEは優れたエアロダイナミクスを手に入れた。エアロダイナミクスの優劣をつけると以下のとおりである。

NEW VENGE > VENGE ViAS > VENGE1世代目 > SL5 DISC

新型VENGEはディスクロードだが、「エアロロードのさきがけ」とよばれた初代VENGE(Gen.1)よりも速く走れる。

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重量

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新型Vengeはどれくらい軽くなったか?こちらの写真がすべてを物語っている。無残にカットされたフレーム分軽くなった。

新型VENGEはVENGE ViAS DISCよりも460g軽い(フレームは240gの軽量化)。これは驚くべき事実だ。フレーム重量は960+-30gを達成している。ただし―――、私があの話題に触れなければ読者はひどく落胆するだろう。重量というキーワードが出たら、避けては通れないあの話題だ。SL6の重量がひどくカタログ重量と乖離していたあの話題である。

新型 S-WORKS TARMAC SL6 インプレッション
2017年11月1日インプレッション7〜14追加: 7 インプレッション 8 ジオメトリ 9 剛性 10 サイズ 11 ホイール相性 12 コンポーネント選択 13 プロモーションと現実の乖離 14 まとめ:TARMAC史上最も進むフレーム 目次より参照ください。 自転車雑誌や業界関係者を除けば、一般ユーザーとして初のインプレッションになるであろう新型S-WORKS Tarmac SL6に関する記...

今回のローンチで配布されたカタログでは、しっかりと次のような説明がなされていた。

新型VENGEの重量は、カラー「サテンブラック/ホログラフィックフォイル」のサイズ56の場合で、リアディレイラーハンガー、ウォーターボトルのボルト、シートポストクランプ、BB、ヘッドセットなどの小物一式を除いた重量。

おそらくSL6も同じような条件だったと思う。しかし実験でも同じく「どのような条件下での結果なのか」という前提条件が重要だ。今回の重量の基準は、56サイズである。

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新型VENGE DISCの完成車の重量は7.1kg(+-100g)と軽い。これは油圧デュラエース、ROVAL CLX64 DISC、ディスクローター(F:160mm,R140mm)、4iiiパワーメーター込の重量だ。CLX50に交換したら更に軽くなると予想できる。そして私個人としてはCLX50のほうがオールラウンドにに使える印象だ。CLX32,40,50,64のテストは別の記事で公開している。

ROVAL CLX50と64と32も全部インプレ! 究極の回転体に迫るカーボンクリンチャー
昨今のレースシーンにおいて、ディープリムホイールを使用することはマストだ。レースが高速になればなるほど発揮されるエアロダイナミクスの性能や、速さに直結する機材として、優位性が確実に認められている。プロアマ問わずレースを嗜む選手にとって、楽に、速く進むディープリムは、もはや必須の存在である。 ただ、サイクリストはとても欲張りなもので、ディープリムがもたらすエアロダイナミクスの性能と引き換えに、ホイー...

なお完成車とフレームセットが販売される。独自のコンポで組む場合はフレームセットを購入すれば良い。ただ、今回の気合の入ったアッセンブルを見るとお買い得なのはやはり完成車だと思う。

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ジオメトリ

新型VENGEとTarmacSL6とではジオメトリーが異なる。しかしステムの最も低い位置はSL6と同じ位置に設定できる。ヘッドチューブは短いからターマックと同じような攻撃的なポジションも可能だ。

新型VENGEのステムは6°と12°のステムが用意される。このステムは非常に高い剛性を備えている。スペシャライズドが今までテストしてきた中で最も剛性が高いという。シマノプロのVIBEスプリントが最も高剛性だったと記憶しているが、同様に高剛性で知られるZIPP SL SPRINTよりも剛性が高いというから驚きだ。

  • 6°:80,90,100,110,120,130,140(mm)
  • 12°:110,120,130,140(mm)

また新しいAeroflyIIハンドルは380,400,420,440mmの4種類の幅がラインナップされる。新型のAeroflyIIハンドルはさらにエアロダイナミクスを向上させた。エアロダイナミクスを追求するあまりバーテープの段差にすら配慮した設計がなされている。バーテープとハンドルの段差はいわゆる「ツライチ」になるように一段下がっているのだ。

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バーテープを巻いたときにハンドルの上面は”たいら”になる。もちろん無駄な乱流も生み出さないだろうからエアロダイナミクスも期待できる。新型VENGEは通常のステムも使用できる。ため、幅広いポジションにも柔軟に対応してくれる。

また、VENGEのシートポストは0mmと20mmの2種類のオフセットが用意されている。長さは300mmと390mmの2パターンだ。完成車で購入すると予めアッセンブルされた長さが付属する。別のサイズが欲しい場合は別途購入することが可能だ。

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タイヤクリアランス

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昨今のワイドリム化によりタイヤに記載されている幅は当てにならない。実測は2mm程太いのだ。この事実をスペシャライズドはもちろん把握している。そのため新型VENGEではタイヤクリアランスをしっかりと確保している。想定としては、ROVALの内径21mmのリムにRoubaix 30/32mmを使用しタイヤ空気圧を50psiに設定した状態だ。

上記条件の場合、タイヤ実寸は34mmになる。この状態で新型VENGEは1.5mm以上のタイヤクリアランスの余裕をもたせている。実際にレースではクレジットカードが入る隙間が無いとレースに出られない。1.5mmなら余裕でこの規定をパスできる。

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電動専用設計

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新型VENGEは電動専用設計だ。内蔵バッテリー式を採用している。またDi2に特化した設計は細部に及んでいる。Di2のジャンクションAをシートポストに一体化している。また、フロントディレイラーの調整用ボルトがフレームに当たる部分には予めプレートが備わっているから、わざわざプレートを取り付ける必要はない。

なお、ジャンクションの位置がシートポストという不思議な位置にあるのだがこれはプロからのフィードバックだという。その理由の詳細ついては次回のインプレッション内で掲載する。

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スルーアクスル

スルーアクスルの規格はリア142mm x 12mm、フロントは100mm x 12mmだ。スルーアクスルの取り外しは6mmの六角レンチで行う。このスルーアクスルの重量は1対で67gととても軽い。この重量は通常のクイックリリースの半分の重量である。

キャニオンのディスクロードのように、着脱式のレバーが付属していれば便利だと思う。おそらく別売りでサードパーティ製が販売されていると思うので、実走を考えると一つ用意しておきたいところだ。

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BB規格

BB規格はOSBBを踏襲。BB規格については実際に開発者のキャメロンさんに伺った。「コルナゴやピナレロがスレッド式を採用しているがスペシャライズドはなぜOSBBを採用し続けるのか」という趣旨だ。これらは次回の詳細インプレッションと共にお届けする。

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クリップオンエアロバー

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Venge ViASクリップオン式エアロバーを取り付けられる。長さは2種類ある。長い方はタイムトライアルやトライアスロン、短いタイプはITUレース規格に適合している。2Dayのレース(鈴鹿や実業団)でタイムトライアルとロードレースが組み合わさる場合はこのエアロバーは重要だ。

機材を2つ用意する必要もない。VENGE一台で一石二鳥という使い方ができる。

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新型VENGEインプレッション(2018/7/7追加分)

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Vol.1は新型VENGEをダイジェスト的にお伝えした。Vol.1はほんの序章にすぎない。今回は実際の実験データーや測定データーを交え新型VENGEを考察していく。Vol.1はカタログ上伝わりやすく、変化がわかりやすい新型VENGEに関する純粋な機能面ついて書いた。

ここからは、TARMAC SL6の時と同様にインプレッションを記載してく。私が楽しみにしていたのは公開されている数値データーと感覚のギャップだ。事実ViASはクソ硬いイメージがあったのだが、剛性が増したはずの新型VENGEは硬くなかった(むしろ柔らかいとも思った)その理由についても触れていく。

新型VENGEに実際に乗って一つ言えることがある。近い将来リムブレーキの時代は終わっていくのかもしれない。事実、各社の開発資金が既存のリムブレーキバイクよりもディスクロードにシフトしていく計画らしい。だから新型VENGEを乗りながら、リムブレーキの意義をあらためて考え直していた。

プロレースシーンもその流れを変えられないようだ。ツール・ド・フランスに新型VENGE DISCが投入される。TARMAC SL6を使用する選手も多いと思うがプロモーションもかねてTARMAC”ディスク”だ。メインフレームはVENGEになると予想される。

私はひと足お先に新型VENGEをテストさせていただいた。私が想像していた「ディスクロード」は全く違う形でそこに存在していた。

「ディスクロードの概念」というものを私は持っていたのだが、新型VENGEに乗り、それは間違えた概念だと気づいた。それら思い違っていた「ディスクロード」の到達点を、まずはフレーム開発の裏側にふれながら掘り下げていく。

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VENGEフレーム開発の裏側

SPECIALIZEDはVENGE ViASという最高峰のエアロロードをリリースしていたが、更に速いバイクを作るためにはいったい何が必要なのかを同社は考えていた。そのためにはフレーム構造を複雑にしないこと、軽量化すること、表面積を減らすこと、それらの要素を加味して、多数のフレームデザインを考慮し、フレーム表面積を計算していくことから新型VENGEの開発が始まっていった。

開発の過程でSPECIALIZEDが突き詰めたのは、「フレーム重量とフレーム表面積の間には非情に強い相関性がある」という事実だった。フレームの解析が進んでいくうちに、フレーム剛性に関しても従来の「丸パイプ」にも望ましいフレーム剛性の相関性があることも見つけた。

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初代VENGE(Gen1)はいわゆる翼形状だ。そこから新型Venge(Gen3)はより丸パイプに近づいている。

SPECIALIZEDの開発者たちは、空力学的に何も失うことなく、カーボンをより効率的に使用することができるチューブの形状の開発に挑戦していった。ウィンドトンネルで数百時間の実験を行った結果、ダウンチューブはエアロダイナミクスの向上にほとんど関係のないことも判明した。

しかし、ダウンチューブには別の役割もあって、フレーム重量と最適な剛性を目指すためにはとても重要な部位であることも明らかになった。さらに開発を突き詰めていくと、最もエアロ効果が期待できるのはハンドル周りとシートポストだった。

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確かにバイクを正面から見ると、風が当たる部分はハンドル、シートポスト、フロントタイヤだ。

理想的なチューブ形状を生み出す開発は3ヶ月間に及んだ。しかしハナっからウィンドトンネルを用いた開発に取り組んだわけではなかった。SPECIALIZEDのエンジニアたちはシミュレーション上で最適化アルゴリズムを作成したあと、スーパーコンピュータを使用して様々な重量と構造に対する目標を設定した。そして、風向きに対して最適化された新しい翼形状を複数作成した。

「複数…」

これらSPECIALIZEDが生み出したいくつもの「翼形状コレクション」はフレームの様々な部位に適応することができる。ねらった重量と剛性のターゲットを定めれば、必要に応じてフレームのさまざまな部分に当てはめることができる。それらはまるでソフトウェアのプラグインのように、翼形状コレクションをフレームに適応できる技術だ。

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出典:SPECIALIZED

これら全く新しいプロセスで生み出された新型VENGEは、前作のVENGE ViASを上まわるエアロダイナミクスを手に入れた。ここまでが開発の第一段階である。次のフェーズではいよいよウィンドトンネルを使って、現実的なフレームモデルを作成していくことになる。

では「現実的なフレーム」とはなんだろうか。現実的とはフレームをつなぐジョイントや、フォーク、内部ケーブル配線のためのスペースを考慮したフレーム構造のことである。表面的な見た目だけでなく、ケーブルが通る道などを備える必要がある。それらすべてを考慮して、フレームの表面領域に気を配りながらモックアップを作成していった。

ハンドル周りのエアロダイナミクス

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VENGEのエアロ効果の約40%は、ハンドル、ステム、ケーブル配線、ヘッドセットスペーサーなどのハンドル周りから生まれている(伝統的なロードバイクと比較した場合)。Venge ViASでは、水平17度のステムと平らなハンドルバー、そして完全な内部ケーブル配線で高いエアロダイナミクスを獲得していた。

そもそも露出したケーブル類は、エアロダイナミクスの観点から見ても悪影響だった。見た目と空力面も悪さをするケーブル類を何かで隠す必要があるのだが、完全にフレームやステム内部に埋め込む必要はないとエンジニアたちは考えていた。新型VENGEでは、ステムの下にケーブル類を見える形で実際に収納されている。

エアロダイナミクスの観点はハンドルに限らずヘッドスペーサーにまで及んだ。ヘッドセットスペーサーは、先程の「翼形状のコレクション」を流用している。ステム本体とヘッドチューブにかけて空気の流れを妨げずに、最適化されるように計算されている。

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出典:SPECIALIZED

ディスクブレーキと電動専用に絞った開発は「リムブレーキや機械式シフトでは不可能だったデザイン」を獲得した。

実のところハンドル周りは好みに応じて変更できる。しかし新型VENGEの恩恵を最大限に得るためには、もちろん専用ステムとハンドルを使うことが推奨される。新型VENGEはハンドルとステムに合わせたトータルシステムとして設計されているからだ。

新型VENGEのステム

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新型VENGEが最も改善した部分は、フレームセットとハンドル周りの変更だ。ただし1つの要素というよりは、バイクシステム単位の総合的な変更である。VENGE ViAS比で40kmTTでおよそ8秒の改善を達成した。

この条件はホイールやタイヤ、各パーツ等を考慮している。更に厳密に言えば、ホイールセットはRoval CLX 64、タイヤはターボコットン26mmを使用している。どちらのバイクもShimano Dura-Ace Di2、S-Works Power Cranks、2つの水が入ったボトルケージを使用した。

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出典:SPECIALIZED

この「コンプリート状態」での比較でもわかるように新型VENGEの空力特性は非常に優れている。では新型VENGEとTARMACを比較するとどうだろう。当然だが、新型VengeがTarmacよりもはるかに優れていることがわかる。

しかし、重要なことはそんなありきたりな話ではない。TARMACでもホイールやハンドルバーを変更することで、新型VENGEのエアロダイナミクスに徐々に近づいていく。トータルシステムとして見たときにハンドルバー周りの改善は、エアロダイナミクスに顕著な違いをもたらしている。

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出典:SPECIALIZED

赤の実線は新型VENGEだ。SL6にエアロフライとCLX64を取り付けると空力特性は向上する。とても単純なのだが、ハンドルバーはエアロダイナミクスの恩恵を受けやすいパーツだ。

ボトルケージの配置

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出典:SPECIALIZED

新型VENGEはボトルケージの配置にも気を配っている。サイズ52cm以上のフレームには3つのボトルケージマウントが備わっている。SPECIALIZEDはボトルの取り付け位置も最適化した。2つのボトルを使用しても、どこのダウンチューブ位置でも同じ性能が得られるように最適化している。

余談だが1本のボトルを使用する場合は、ダウンチューブ側とシートポスト側どちらが空力特性が良いだろうか。答えはシートポスト側というデーターが得られている。1本のボトルならば、シートポストに配置することが理想的なエアロダイナミクスにつながる。

ダブルボトルが必要のない乗鞍ヒルクライムで今年は「シートポストボトル」が流行るかもしれない。1%の違いを削っていくことは開発と似ている。

剛性の最適化

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SPECIALIZEDは過去に「重量剛性比率」という硬くて軽いバイクにこだわっていた。しかしライダーを優先した開発によりその影は潜め、より実践的な硬さを追い求めた。ライダーを置き去りにした独りよがりな高剛性化は最終的な目標ではなくなっていった。

剛性というものは、フレームの適切な場所に適切な分だけ配分されるのが重要である。新型VENGEで目指したのはVENGE ViASよりも適切な剛性を達成することだった。「適切とは?」それはどのフレームサイズによっても変わらない56サイズで狙った剛性を新型VENGEにも当てはめることだ。

そしてバイクの乗り心地を確実にするために、厳しい剛性の条件を満たしただけではなく、剛性を保ちながらフレーム重量を削減することにも成功した。これらの「重量剛性比率」は、以下の図のとおり各フレームサイズごとに細分化することができる。

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まずはフロントエンドの剛性テストからみていこう。

フロントエンドの剛性テストはRider-First Engineered™において最も重要なテストの1つだ。ライダーの入力に対して、自転車のフロントエンドがどのように反応してかの尺度にもなる。これらはフォーク剛性と組み合わせると、コーナーリングにおいてバイクをどのように扱えるかを示す良い指標になっている。

赤の縦棒が新型VENGEで青がVENGE ViASだ。縦軸は重量に対する剛性で、横軸がフレームサイズである。各フレームサイズにわたって効率の向上していることが読みとれる。56サイズのフレームで20%以上の改善が見られる。49サイズはそれほど変化がないが、小さなサイズはもともと剛性が高い傾向にある。実際に剛性の変化は小さなサイズにはあまりみられない。

次は最も気になるボトムブラケットのまわりの剛性だ。

BBまわりの剛性テストに関しては、わたしたちもよく理解している。そしてどのような効果があるのかもよく知っている。BB剛性のテストは、ペダルの入力に対してフレームのBBまわりがどのくらいフレキシブルであるかを測定する。バイクのフィーリングにも影響するので、乗れば感じられる部分だ。

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BBまわりの剛性は最大で18%改善された、61cmのサイズで最大の改善が見られている。最も硬いのは49サイズだ。新型VENGEはVENGE ViASよりもさらに硬い(しかしインプレッションではそうは感じなかった。理由は後述する。)

次はリアエンドの剛性についてだ。実際に最も大きな変化だと思うのはクイックリリースの細いシャフト135mm幅から、スルーアクスルの142mm幅に変更されている点だ。3年前にロードバイクにもスルーアクスルの時代が来るはずと書いた記事だが、やっと時代が来た。

ロードバイクに「スルーアクスル」の波が訪れようとしている
ロードの機材「としては」新しい技術である「スルーアクスル」構造のフレームが密やかに登場し始めてきている。主にシクロクロスとロード用のディスク仕様車である。今現在販売されているディスク仕様マシンの多くはそれらには該当していない。 そもそもスルーアクスルが何を示すのかというと、ホイールを固定するための構造を指す。今はクイックリリースがロードバイクやシクロクロスの主流機材であろう。クイックを緩めるだけで...

当時はクイックリリースでディスクブレーキ仕様といった過渡期であったが、やっとまともな時代になったわけだ。

SPECIALIZEDのリア三角の剛性テストは、ペダルを回したとき、そしてバイクを操作したときにリア三角がどのように変形するかを測定している。そしてそれらの変化が、フレームの他の部分にも影響を及ぼすのかにも注目している。

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新型VENGEはVENGE ViAS比で平均で24%の改善を達成した。基準となる56cmのフレームは33%以上の改善を達成している。リアの剛性に関しても小さな49サイズが最も剛性が高い。ただし、グラフのメモリをよく見ると0.005刻みなので、基準となる56サイズで狙った剛性とほぼ差のない剛性チューニングと言える。

すべてのサイズは56サイズを基準にして剛性の最適化を行っている。小さなサイズは剛性過多になりがちだが、SPECIALIZEDはどのサイズでも「新型VENGEであるための剛性」を念頭において開発をしている。

ここまで開発の裏側を見てきたが、いよいよインプレッションに入っていく。ここまでで十分に新型VENGEの事を理解したはずだ。もはやインプレッションは読み飛ばしてもいいぐらいだ。しかし、使ったらダメなバイクだったなんて事も場合によってはある。次章からは実車で気づいた事を詳細に記載していくことにしよう。

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場違いなローンチ

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なんとも不思議な話である。スペシャライズド製品についてアレコレ書いてきたのだが、今こうやってアジア圏のメディア向けローンチの会場にいる。実はこの記事を書いている2018年6月26日時点で、もちろん国内の発表はおこなわれていない。

実のところ4月時点で新型VENGEディスクロードの情報と写真をキャッチしていたものの、記事としては公開しなかった。今回のローンチ自体ももちろん極秘だ。私は個人として参加しているものの、スペシャライズドやメディアの立場といえば、もちろんビジネスである。いわゆる情報の取り扱いには細心の注意を払わねばならない。私はローンチ以前に知り得たVENGEの情報も、記事公開まで一切SNSやBLOGに書かないことにしていた。

逆説的に考えてみれば、メーカーやショップが足並みを揃えて「○月X日に公開しましょう」と取り組んでいる中、よくわからない個人のブログが何ヶ月も前に広めてしまうのは迷惑な話だ。TARMAC SL6のときもそうだったし、実際スペシャライズドがらみでは結構記事を書いている。

私自身がスペシャライズドのプロダクトを使っているから、当ブログに登場しやすかった、という背景もあるだろう。末端の消費者という立場からすると、幅広く同社の製品を使用してきた。ロードで言えば、S-WORKS TARMAC SL2,3,4,6、S-WORKS VENGE、SHIV、MTBはS-WORKS EPIC WC、S-WORKS スタンプジャンパー 6Fatty、シクロクロス用のS-WORKS CRUX、ホイールはCLX 32、40、50g1、50g2、64を購入し使用してきた。シューズは自転車を始めた時からS-WORKSを4世代乗り換えている。ヘルメットもPRIVAILとEVADEを使っていたし、とにかくスペシャライズドを使い続けている。

ドヤ感満載だが、日本国内でこれほど幅広く同社の製品を、身銭を切って使用している人はそう多くないと思うのだが……。

例えば自動車メーカーのトヨタで言えば、86もランドクルーザーもカローラも買っているようなものだ。だから基本的にはスペシャライズドが好きなのだが、それゆえ思うこと、改善してほしかったことも正直に書いてきた。次回のローンチに呼ばれようと、そうでなかろうと「ユーザー視点」で書くことを今回も念頭におく。いや、私はユーザー視点でしか書けないのだ。そうでなければこのブログの存在意義も無くなり、ユーザーは次第に離れていく。

私に課せられているのは、私という素人のサイクリストが(公式に)国内外の主要メディアがひしめく中に潜り込んで、ユーザー目線での真実を書き語るだけだ。明らかにアウェイな雰囲気に不安を覚えていたが、基本的なスタンスは私というエンドユーザーから見た「新型VENGE」を素直な意見を書くことだ。そして同じ目線に立っている当ブログの読者たちへ記事として届ける。

ただそれだけだ。

不安もあったが初めての経験という経験ということもあり、新型VENGEに一足先に乗れるという期待のほうがあきらかに勝っていた。

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ディスクロードの誤解

ここからは、私が当初想像していた「ディスクロード」について記そうと思う。新型VENGEの実物とローンチの内容を知るまでは、この時点で確からしい答えにたどり着けていない。しかし、開発者やスペシャライズド側との話を重ねていくうちに、次第にディスクロードへの考え方が実は誤っていた、という結論に導かれていく。もしかしたら私と同じように、ディスクロードに対する疑念を持たれている方には、あとからでも良いのでぜひ読んでいただきたい章である。

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家から15分で大阪空港に着く。そこから羽田空港まではおよそ1時間だ。到着すると外はむし暑い。飛行機の中はサラリーマンだらけでスーツを着ている人がほとんどだ。白パン半袖の私は浮いているが、別に気にするようなことではない。今日はスペシャライズドのローンチだ。

いや、よくよく考えてみると業界関係者の方々はメディアとして仕事で来ている。不安とアウェイ感でいっぱいだが、大手のメディアと同じように新型のVENGEをいち早く記事化し、読者たちへ届けるという目的は同じだ。質問の時間を設けてくださるとの事だったが、正直なところ実物を見るまではなんの疑問もわかなかった。

「VENGEのディスクロード」ただそれだけである。実物を見るまでは、なにも思い浮かぶはずもない。

実際のところ、ディスクブレーキはいまだ疑い深い機材だ。リムブレーキでも十分な性能だし、なにより重量も増えて空力性能も劣る(場合が多い)。ただ、ところ変わってマウンテンバイクやシクロクロスの場合は「もはやディスクブレーキ以外は考えられない」という状況にある。

理由は「減速する」という事が逆にレースの「速さ」へとつながるからだ。雨だろうが雪だろうがなんだろうが、常に安定した制動力を持つディスクブレーキはオフロードの世界では歓迎された。気づけば我が家にはディスクブレーキのシクロクロスが4台、MTBも4台使用している。

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速さを求めるための結果がディスクブレーキだとしたら、はたしてロードの世界においても同様の説明は通用するのだろうか。私の答えはノーだった。重量増、空力性能の悪化とネガティブな要素はどうあがいても払拭できていない。雨天のコンディションは確かにディスクブレーキが有効だ。それらをふまえたうえで私がたどり着いたディスクロードという機材の結論は、

「ブレーキングで差が生まれないのならば、ディスクブレーキよりもリムブレーキのほうが速く走れる。」

という単純な答えだった。いくらメディアや雑誌が「時代はディスクロード!」と熱心なサイクリスト達をあおったところで、主流になっているリムブレーキを明日一気に覆すことはひじょうに難しい。ホイールもクイックリリースからスルーアスクルになるため、今まで買いそろえたホイールは使えなくなる。

わたしたち消費者にとっては、機材を総とっかえする必要がありディスクロードは悩みどころなのだ。ところが「業界的」には買い替え需要が期待できるドル箱になる可能性すらある。ディスクロードはいままでそろえてきたブレーキシステムやホイール、一部のコンポーネントが全く使えない。当然新たな買い替え需要を生み出すのだから、業界が推進していかないわけがない。

どうにかやみくもに「ディスクロードは革新的だ!」と書くのが業界的に好まれるのはわかっている。制動力や技術的にはリムブレーキよりもはるかに優れているものの、「速さ」という観点からみるとなかなか説明をつけにくい。ディスクロードは過渡期と言える。そして、ディスクロードに限っては少し毛色が違う機材としてとらえてしまう。ディスクロードという機材は、

「速く走るために使用する機材ではない」

という理解なのだ。

今回各社(TREK、キャノンデール、スペシャライズド)が一斉に「ディスクエアロロード」という形でディスクロードをリリースした。共通している点はエアロ化をぶり返している点だ(なぜだろう?)。ここにディスクロードの闇が見える。数値データーが無いので確実なことは言えないが、ディスクローターが新たに付属することよって、エアロダイナミクスが向上することは考えにくい。

むしろ「エアロダイナミクスは悪化する」と考えるのがこれまでの考え方だ。これでは普及を目指す業界にとって都合が悪い。余計なディスクローターが着いたバイクという、これらネガティブなイメージを払しょくする必要がある。巨大3台メーカーは「エアロロードにディスクブレーキをつけたロードバイク」というプロダクトをまずリリースして「ディスクロードでもエアロダイナミクスに優れる」というイメージを植え付けたいのではなかろうか、と推測していた。

「エアロダイナミクス」という土俵で話をするならば、ブレーキシステムはなんだって良いはずだ。キャリパーブレーキ、ディスクブレーキなんだっていい。ブレーキの機構とエアロダイナミクスの話は別の問題だ。と、私は切り離して考えていた。まずはその思いを単純にぶつけることにした。

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ディスクロードが速い理由

この時点ではウィンドトンネルの結果を実験結果を知らない。私は「ディスクロードは遅い」という理解をしている。

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いやまて、「実はディスクロードの方が速い」このような内容を書くと、いよいよ私も業界にうまく丸め込まれてきたのか、と読者は疑い始めるはずだ。正直な思いを述べると「キャリパーブレーキの方が速くあってほしかった」という個人的な願いがあった。どう考えてもディスクロードのほうがエアロダイナミクスが悪化してしまうと思っていた。実はこの考え方は一方で正しく、一方では間違っている。

「2014年と2018年ではディスクロードのエアロダイナミクス設計が異なる」

この論点で1つ記事を書けそうな話題だ。しかし、あえて新型VENGEの記事の中でこの信じがたい事実に関して詳細に書き残そうと思う。理由は私よりもはるかに賢いスペシャライズドの開発&マーケティング側が、包み隠さず教えてくれた事に対する敬意もある。

なぜプロモーションでこの事実を大々的に言わないのだろう、とも思った。買う側の立場としては、知らなければもったいない内容だ。わたしは皆が知るべき事実だと思うのだ。だから記事として書き残して、新型VENGEを検討しているユーザーたちに伝えなくてはと思った。

今から書くことは、カタログにもホームページにも載っていない(YOUTUBEには載っている)。しかし、この事実は新型VENGEを検討するユーザーがまず知るべき内容だ。私を含めたユーザーが知りたいのはこの事実だった(引っ張り過ぎw)。プロモーションでむしろアピールすべき内容だと思うのだ。メーカー側からするとあまり重要な事ではないのかもしれないが、エンドユーザーの私にとって、ディスクロードという機材に対する疑いが一気に氷解するほどの事実なのだ。

すべてのメーカーに共通する事ではないという前置きをまず初めにしておく。スペシャライズドの開発において、2014年時点と2018年時点のディスクロードは似て非なるバイクだ。どういうことだろう。2014年時点ではディスクロードはキャリパーブレーキに比べて遅く、対して2018年時点ではキャリパーブレーキよりもディスクロードの方が速い。何が起こったのだろう。

2014年にスペシャライズドが公開した動画がある。同社のウィンドトンネルにおいて「ディスクブレーキ VS キャリパーブレーキ」のエアロダイナミクスの実験を行った結果だ。2014年時点の実験では「キャリパーブレーキが40kmTTで8秒速い」という結果だった。

対して2018年ではディスクブレーキの新型VENGEが、同社のロードプロダクトにおいて最速のバイクとして存在している。いったい4年の間に何が起こったのだろうか。その謎は4年前のバイク設計にある。2014年当時はもちろんキャリパーブレーキが主流だ。ディスク仕様はまだ過渡期でアクスルの規格すら定まっていなかった。ディスクブレーキ仕様でも135mmのクイックリリース式や、15mmのスルーアクスルを採用しているメーカーがあったりと、規格が乱立していた。まさに過渡期である。

当時からTARMAC SL5にはキャリパーブレーキと、ディスクブレーキのラインアップがあったが、ディスクブレーキ専用にチューニングしたバイクではなかったのだ。当時は今よりもさらにディスクロードバイクの市場規模も小さく(というより無いに等しい)かったので、それほど開発費と時間も投じなかったのだろう。また、ディスクロード用のコンポーネントといえばシマノのR785のようにツノみたいなSTIが主流だった。

ブレーキ台座もMTBで使用するポストマウントだったし、フラットマウントですらなかった。STIも現在ではキャリパーブレーキ用と油圧ディスク用とでは大きな違いはない。マスターシリンダーをよくぞここまで小さくできたなと感動するが、今回はシマノコンポ面の話は置いておく。別の機会に書くことにする。いまでは時代がディスクロードへとシフトしつつあるから、コンポーネントやフレームが「ディスクブレーキ用に特化した機材」に徐々に変わっている。

スペシャライズドは「ディスクブレーキ専用チューニング」をエアロダイナミクスの面から突き詰めた。その取り組みは現行のTARMAC SL6の開発段階から行われ、まったくのイチからディスクロード専用設計としてTARMAC SL6を生み出した。結果的にTARMAC SL6はリムブレーキ仕様よりもディスクブレーキ仕様の方が40kmTTで8秒速いデーターが得られている。

考えられるのは油圧系ホースを全て内装化したことによるエアロダイナミクスの恩恵だ。特にハンドルバー周りはケーブル類が見当たらない。リムブレーキの場合はワイヤー引きが基本だから、取り回しの面を考えるとフレーム設計が難しくなる。

もう一度記すが、現行TARMAC SL6においてディスクブレーキ仕様の方がエアロダイナミクスが優れている。リムブレーキよりもディスクブレーキ用に特化した設計のほうが、エアロダイナミクスが優れる時代になった。2014年時点での開発と2018年現在での開発とでは、全く状況が異なってきたのである。

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ディスクローターの存在は見るからに空気抵抗になりそうだと感じる。それは2014年時点でわかっていたことでもあるが、風向き0°であればほとんど影響を受けない。yawアングルによっては、ディスクローターが存在する事で確かに空気抵抗は増すが、それでも新型VENGEは組み上げられたトータルの状態としてエアロダイナミクスが最も優れている。

ディスクローター単体で見ればそれ自体が抵抗なのだが、新型VENGEはディスク専用設計のトータルシステムとしてネガティブな面を吸収したバイクなのだ。

新型VENGE DISCはVENGE ViASリムブレーキよりも40km TTで8秒速い。ディスクブレーキ化によるエアロダイナミクスをスペシャライズドはとにかく突き詰めている。ただほかのメーカーはどうなのかという点については、まだ私もすべて調べ上げられていないし、明らかになっていない。

これから各社のバイクを調べていくなかで「ディスクロードに特化したエアロダイナミクス」を追及しているかは一つの判断基準になる。各社リリースラッシュの中で「リムブレーキフレームをベースにしたディスクロード」が存在していたら、2014年頃と変わらないバイクだ。もちろんエアロダイナミクスの期待はできない。

しかし、ディスクロードに特化してイチから設計しなおした同社のディスクエアロロードならばエアロダイナミクス面は期待してもよいのだろう(実際にエアロダイナミクスに優れる)。少なくともスペシャライズドは、ディスクブレーキを考慮してエアロダイナミクスを突き詰めた。

「ディスクロードの方が速くなる理由」はバイクをトータルシステムとしてとらえねば導き出せない結論である。単体のディスクローターがどうこうの問題ではない。そうするともう一つの話題「クイックリリース式のVengeは出さないのか?」についても、おのずと答えは出る。

現時点では出る予定はない。理由はここまでで述べた内容で、すべて説明がつく。

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インプレッション

インプレッションに入る前に長々と「ディスクロード」の位置づけと私の考え方を書いた。なぜここまでくどく書いたのかというと、理由は今後のインプレッションの本質に影響を及ぼす可能性があると感じているからだ。新型VENGEに限らず、ディスクロードという機材を評価しようとしたときに「ディスクブレーキ」という一点の要素にフォーカスしすぎる必要はない。

考えてみればS-WORKS TARMAC SL6リムブレーキを評価するときに、TARMAC SL6がリムブレーキであることなど掘り下げて考える必要があるだろうか。あたりまえの部品として完成車に備わっているリムブレーキの存在に対して、あえて触れる必要がいままであっただろうか。キャリパーブレーキはシマノ、スラム、カンパニョーロだってありうるし、ブレーキシューやリム表面の加工(エグザリット、アルミ、カーボン)と組み合わせは多岐にわたる。

そのような前提をしっかりと定義すれば、新型VENGEのブレーキシステムにフォーカスする必要もなくなる。ディスクロードがなんたるかについての議論は今後も進めて行きたいが、ここまで述べてきたとおり新型VENGEはディスクブレーキ用にチューニングされたエアロロードだ。評価の対象はディスクブレーキが備わったエアロロードバイクというシステム全体である。

現時点で目新しい機材であるディスクブレーキなので、特に話題にしたくなる気持ちもわかるのだが、本当に評価すべき対象は全てが組み合わさったシステムであって、ディスクブレーキという制動システムではない。これは今後いかなるディスクロードが登場しても揺るがない。

という前置きをしつつインプレッションに進んで行こう。

テストバイクの前提条件

今回の試乗テストの難点としては、S-WORKS TARBOコットン26C(CRR: 0.00303、320TPI)のタイヤ性能が良すぎる点にある。実はこのタイヤは少々反則である。乗り心地が良いし転がり抵抗が非常に小さい。かつサイドウォールはアメ色のコットンで乗り心地が柔らかく変化してしまうタイヤだ。このタイヤを使うと、硬いフレームをスポイル(本来の性能をだいなしに)してしまう可能性がある。

メカニックさんに確認したところ空気圧は6.5BARだ。様々なテストを重ねてきたが、最近のタイヤの性能は乗り心地に支配的で、バイクシステムの印象ががらりと変わる。タイヤ特性タイヤ空気圧のおおよその傾向をつかんでいないと「MAVIC UST TL付けたバイクは、すべてよい乗り心地」になりかねない。

フレームテストをしているのか、ホイールテストをしているのか、タイヤテストをしているのか、チューブテストをしているのか、さっぱりわからなくなるのである。だから当初自分のホイールを持ち込みたかったがディスクホイールが無かったのは誤算だ。

幸いだったのは全く同じターボコットンを一時期メインタイヤとして使っていたことだ。そして標準付属のCLX64も自腹で買ってテストしている。ターボコットンで言えば7BAR以下にすると非常にしなやかになる。高圧を入れても乗り味が柔らかい特徴を持つタイヤだ。

ROVAL CLX50と64と32も全部インプレ! 究極の回転体に迫るカーボンクリンチャー
昨今のレースシーンにおいて、ディープリムホイールを使用することはマストだ。レースが高速になればなるほど発揮されるエアロダイナミクスの性能や、速さに直結する機材として、優位性が確実に認められている。プロアマ問わずレースを嗜む選手にとって、楽に、速く進むディープリムは、もはや必須の存在である。 ただ、サイクリストはとても欲張りなもので、ディープリムがもたらすエアロダイナミクスの性能と引き換えに、ホイー...

CLX64はエアロダイナミクスに優れているものの、踏み込んだ時の加速はCLX50より鈍い。CLX50の方が軽量でオールラウンドに使用する場合は適していると思う。エアロを突き進むならCLX64だ。CLX50の存在がある以上、新型VENGEでCLX32を使うことは考えなくてもいい。

上質な乗り心地のターボコットン26Cをさらに6.5BARで使うのだ……。この条件で新型VENGEを使用するとなると、自分が感じる感覚を素直に「これが新型VENGEか!あははは快適な乗り心地!」と書くのは間違いになる。車でもそうだが、足回りの差分を理解しながら慎重にマシンを操る必要がでてくる。

スタッドレスタイヤとノーマルタイヤで高速を走ったら誰だって違いはわかる・・・。

これから各メディアが新型VENGEのインプレッションを書くとおもうが、しっかりとタイヤ空気圧、タイヤ名、ホイールの特性を理解し、今回の試乗車に取り付けられているターボコットンへの理解があるのかを確認したほうがいい(とても大事な事だから帰りの新幹線の中でまず初めにメモをした)。

どう考えても新型VENGEはViASよりも硬くなっているデーターが出ている。もしも乗り心地が良ければフレームの性能ではなくタイヤ性能をまず考慮して、それらを差っ引いてフレームを評価しなくてはならない。

インプレッションの前提条件をより厳密に理解し、いざ新型VENGEにまたがる。サドル高さも交代幅も今使用しているバイクと同じだ。シューズも持参した。Ready状態である。新型VENGEはホワイトペーパー上からわかる通りViASよりさらに剛性が上がっている。実際にひと踏み目が肝心だといつも肝に銘じているが、結構緊張する瞬間だ。

剛性

私がイメージしていたのはTARMAC SL6のようなバイクだった。実のところ目をつぶって双方のバイクに乗ったらほとんど差がわからない。一見何の面白味もない文章に拍子抜けしてしまうかもしれないが、初代VENGEというバイクを知る人にとってはうれしい進化だとおもう。

初代VENGEはエアロロードのさきがけともいえるバイクだった。しかし剛性面がどこか頼りないバイクだった。横剛性に関しては厳しい意見が当時は散見された。それがあいまってBBまわりもふわふわしている印象だった。私は「あのVENGE」のイメージが染みついていたが、新型VENGEは言うなれば、

「TARMACのエアロロード」である。あ、それが新型VENGEか(以下無限ループ)。

使用しているタイヤがターボコットン26Cの6.5BARということもあり、新型VENGEを厳密に評価することはできないが、新型TARMAC SL6と間違うような違いのわからないバイクだ。一つ言えることはTIME ZXRSよりも硬く、SKYLONよりも柔らかい印象だ。乗り味としては、やはりSL6に近い。

そうなってくると私の中では長距離でも足を残せるバイクのジャンルに属する。SL4時代の三角木馬に乗っているような嫌な硬さはない(念の為言っておくが三角木馬には乗ったことなど一度もない)。この印象はおそらくターボコットンの影響も大きいと思う。タイヤ空気圧6.5BARを7.3BARに上げるとバイクの印象は硬く感じてしまうだろう。しかしレースバイクとしてとらえればむしろプラスの効果だ。

硬くてどうしようもなかったSL4の時代しか知らないスペシャライズドユーザーは、あたらしいSL6やVENGEの進化に驚くと思う。とにかく「前年比XX%UP!」なんてキャッチコピーはもはやライダーファーストエンジニアードを掲げるスペシャライズドにとってそれほど重要ではなくなった。

実は、私がお話しを最も交わしたのは、開発者のキャメロンさんでもなくプロモーション担当さんでもない。試乗の際に色々と対応していただいたテント内にいらっしゃった、スタッフの方と最も長くお話をした(この方はキャメロンさん並みに詳しかった)。お名前を伺うのを忘れたのだが、最年長かと思う男性の方だ。私の親と近い年齢だとおもう。その方に色々と新型VENGEについて話し合った。特に面白かった話は剛性面での話だった。

剛性面の設計は、数値データーとライダーの意見を総合的に判断して製品に反映しているそうだ。スペシャライズドでは数値データーをそのまま製品に押し付けず、最終的にはテストライダーが良いと感じる乗り味を採用している。そして感覚と数値上の違いを突き詰める研究もおこなわれているという。

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こちらが実際に行われた新型VENGEをどう感じたのかのテスト結果だ。

過去にバイクサイズが小さくなるほど、フレーム剛性があがり硬く仕上がるという時代があった。スペシャライズドはフレームサイズ毎に剛性をチューニングしている。49サイズに乗る人と56サイズに乗る人は体格も違うし、体重はもっと違うはずだ。私のような小柄な日本人(169.5cm)は49サイズが合うと思う。

「合う」というのはポジションもそうだし剛性面もそうだ。私はこのスタッフの方にバイクを返したのだが、「どうでしたか?」と聞かれたので少し困ってしまった。気の利いたことを言おうか迷ったのだが、しかし正直に「特徴も違和感もなく、操作の癖もないバイクです」と告げた。

そこから15分か20分ぐらい話し込んだ。

私は素直に「初代VENGEのイメージがあって新型にも期待していなかった、横剛性が頼りなくて踏み込んだ時の不安感がすごく大きかった」というとやはり初代のVENGEは空力を追求しすぎるあまり、剛性面はさほど考慮されていなかったらしい。ただ、現行の新型VENGE(Gen.3)ではViASで得たフィードバックを一つ一つ潰していき完成度を高めた。

操作しづらい印象のステアリング周りも改良した。最も気にしているトレール量もしっかり確保しているし、操作感覚に違和感はなかった。このSPECIALIZEDのスタッフさんとフィーリングが合ったので、もう少し思っていたところを話した。フォークの剛性だ。

フォーク剛性なんてわからないと思うが状況が変わると顕著にわかる。フロントフォークがスルーアクスル化したことにより、クイックリリースの細いシャフトとは全く別物になるのだ。フォークがスルーアクスル化することで最も違いが判るのは、シクロクロスで走るキャンバー区間に突入した時だ。

キャンバー区間でのバイクコントロールを考えると、明らかにクイックとスルーアクスルでは安定感に雲泥の差が生まれる。上からしっかりと押さえこんでもスルーアクスルのフォークは不安が無いのだ。フォークに不安が無いというよりも、ハブ軸受け周りが安定してどっしりとした印象を受ける。

ただ、私が危惧していたのはロードでこのどっしり感がどのように作用するかだった。そしてもう一つステアリングをする際に気になっていたことがあった。

それは、フロントホイールのハブおちょこ量である。リムブレーキの場合はフロントホイールは1:1でスポークが放射状に配置される。しかしディスクロードに付属するフロントホイールは、ディスクローターの取り付け分、乗車した状態でホイールを上から見ると左フランジが中心に向かって寄っている。

シクロクロスのホイールや、MTBのホイールにしてみれば当たり前の構造でむしろ普通なのだが、いざロードとなるとステアリングに影響を与えるのではないかと気にしていた。ディスクローターの制動力を支えるためにローター側はタンジェント組みだ。

言ってしまえば左右のスポークテンションが違うわけで、今まで左右対称のラジアル組に乗っていたから結構身構えていた。しかし、本当に取り越し苦労だったと思う。厳密に考えすぎてしまった。スペシャライズドはフォーク周りのチューニングも怠っていない。

フロントのディスクブレーキをやや激しめにかけながらコーナーを回ったが、むしろ軽いタッチでなにも違和感なくコーナーリングすることができた。ディスクブレーキを使ったことがないローディーがほとんどだと思うが、ガツンと効くようなことはない。

レジンを使えばDURAのリムブレーキと同じくらいの効きだし、メタルを使えばDURAのリムブレーキの倍は効く印象だ。しかし共通しているのは「ガツン」と効くようなことにはならず、リムブレーキからスイッチしてくるユーザーでも違和感なく使えると思う。ただそれにはしっかりとしたフォークとリム、ハブ、スポークパターンがあってのことだ。

私が不安に思っていたフォークの剛性面は乗ってしまえばあっけなかった。フロントホイールの操作は今まで乗ってきたエアロロードの中で最も扱いやすかった。スルーアクスルのフォークになることで明らかに剛性も上がるが、激しく扱いにくいような硬さではない。となると、今度はリア側142mmのスルーアクスルである。

スルーアクスルのリアバックになると、ねじれ剛性が飛躍的に高まる。今までの135mmのか細いクイックリリースから、142mm幅で太いシャフトになるのだからほっておいても剛性は高まる。シクロクロスバイクで感じたことだが、スルーアクスルはあきらかにリアのトラクションコントロール性能が上がる(気がしている)。クイックのシャフトよりもタイヤをたわませてトラクションを稼ぎやすくなる。

ではロードのスルーアクスル化は、乗るとガチガチなのだろうか。乗って初めに思ったのは踏み込んだ時にわずかながら安定感が増しているような気がした。気がしたというのは明確に違いがわからなかったのだ(ホンネです)。リアエンドが142mmになるのだから、やりようによってはめちゃくちゃ剛性を上げられたはずだ。

しかし、その点について話してみると、設計思想のとおり数値上の結果よりもテストライダーが良いと感じた剛性を採用しているという話だった。スルーアクスル化により剛性過多を心配したが、タイヤ性能を考えてもとにかく乗りやすい。

SL5からライダーファーストエンジニアードというライダー目線の剛性チューニングが進んで行った。むやみやたらな、メーカーの独りよがりな剛性過多のフレーム開発は影をひそめた。新型VENGEは、過去のVENGEに潜在していたような横剛性面での不安もない。今回新型VENGEと銘打たれているが、「新型TARMAC DISC」とデビューしてもなんら疑う要素がない(そうすると時期TARMACは軽量ディスクロード化すると予想できるよね)。

剛性面で言えば、TARMAC SL6となんら遜色はない。確かにターボコットン26Cの6.5BARが支配的で、システム全体に影響を及ぼしていることも捨てきれない。ただ、それらを差っ引いてもあと一回り剛性があっても十分操れると感じたから剛性チューニングは、フレームもフォークに関しても特段心配する必要はない。

重量

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この話題を避けずに新型VENGEのインプレッションを終えることはできない。TARMAC SL6はフレームサイズとカラーによってはカタログ重量と大きく乖離する場合があった。新型VENGEの完成車を実際に持ち上げるととても軽い。CLX64がついていてすらそう感じるのだからCLX50を使うとどうなるのかと期待してしまう。

重量に関しては、冒頭で記載したとおりだ。厳密にわかりやすく記載されているから今回はTARMAC SL6の時のようなことはおこらないだろう。ただ個人的な疑問を開発者のキャメロンさんにぶつけてみた。小さなフレームサイズでもあまり軽く仕上がらないのはなぜか?と。

まず、「フレームは小さなサイズほど軽くなる」と素人が簡単に想像するほどフレーム開発は単純な話ではないそうだ。「狙った強度を保ったまま軽くする」ためには2つの要素がある。たとえばカーボンのレイアップを増やしたり厚くしたりすれば強度の確保ができる。

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このパターンはサイズ毎に異なる。

しかし、軽くしようとすればカーボンのレイアップを減らしたり、もしくは削ったりしてシェイプアップする必要がある。ただ、カーボンのレイアップを減らしたり削ったりすると狙った強度をかせげなくなってしまう。そして重量と剛性のバランスの特徴は、フレームサイズごとに違ってくる。強度と軽さを両立することは、水と油をまぜるようなものだ。

わたしは安直に「小さいから軽いだろ」と考えてしまっていた。しかし話を伺ううちに、軽さと剛性面のバランスを考えてフレームを作ろうとすると、素人が思うほど「小さいから軽く作れる」という結論には至らない。例えば大きなフレームはカーボンの表面積が広いので、削れる面積も広くなる。

スペシャライズドのフレームは、サイズごとに異なるカーボンのレイアップとパターンを採用している。ずらりと並べられたカーボンシートのパターンの多さは圧巻だった。フレームが完成してしまえば一つのフレームとして大小様々なサイズが展開される。しかし、1つの完成体もカーボンを張り合わせて作られる以上、剛性と軽さのバランスを担保しようとするとサイズによって重量も変わってくる。

「小さいから軽く作れる」というほどフレームつくりは簡単ではないようだ。そして塗装の重量もカラーによって大きく変動する。今回の新型VENGEは重量に関して詳細な情報を提示しているので安心してよいだろう。

TARMAC SL6との違い

新型VENGEはVENGEと銘打たれているが、中身はTARMACだったからあえて本章を起こした。

こうなってくると立場が無いのはTARMAC SL6である。重量面を除いて、エアロダイナミクス、制動面どれをとっても新型VENGEよりも勝る要素はないかのように見える。両方のプロダクトを使用した感想としては、新しもの好き、ディスクブレーキにこだわらなければ汎用性の高いTARMAC SL6リムブレーキが良いと思う。

理由として、好きなステムも使えるしハンドルも使える。いままで使用してきたホイールセットだって使える。ディスクロードにすぐに飛びつきたくなければTARMAC SL6でもOKだ。それでもディスクロードを検討しているのならば思い切って、新型VENGEに突撃すればいい。

率直な感想として、純粋な登りやクリテリウムならTARMAC SL6だ。長い距離を楽に速く移動したり長距離のアップダウンのロードレースなら新型VENGEを選択する。あとは天構面で梅雨の時期の全日本や西日本ロードクラシックならば、新型VENGEを選択する。レース機材として見た時にどちらの機材を使うかについては次章で詳しく考察していく。

Venge ViASと新型Madone9の風洞実験比較データが公開される
遂にエアロダイナミクスに優れたフレームの頂上決戦に、終止符が打たれる時が来た。風洞実験を行ったのはドイツのTourMagazineである。科学的な実験と裏付けで、バイクの性能を数値化し優劣を付ける事で知られる人気雑誌だ。その雑誌で「話題のフレーム」の空力性能テストが行われた。 「Venge ViAS」と「新型Madone9」の比較である。 双方のマシンは空力性能を極限まで高めたバイクとして知られて...

こちらに面白いデーターがあるが、アップダウンをこなしながら長距離を移動するとなるとやはりVENGEが優る。

新型VENGEをレース機材として

機材に関する私の考え方は、餅は餅屋だとおもっている。ハンドルメーカーはハンドルメーカーが良いと思うし、コンポーネントメーカーはコンポーネントメーカが作るのが良い。ホイールメーカーはホイールメーカーのブランドがいい。ジャンルも同じように突き詰めていくと、新型VENGEはエアロロードだ。

ならば持ち前の空力性能の良さを十分に発揮させてあげたい。確かに登りでもつかえなくはないが、それならば新型VENGEよりもLOOK786で軽いバイクを組んだほうが精神衛生上良い。ただ高速かつ斜度がゆるくてドラフティングが影響しそうなヒルクライムレース(伊吹山の後半、大台ケ原前半など)であれば新型VENGEを登坂で使う事もできる。可能ならば激坂でバイク交換できたら最高だ。

ただし、あざみラインに新型VENGEを使うかと問われれば絶対に使わないだろう。悩むのは富士ヒルクライムだ。もしかしたら重量とエアロダイナミクスのトレードオフでタイムアップが期待できるかもしれない。重量をできるだけ減らした新型VENGEはTARMAC SL6よりも空力特性が良いからタイムが伸びるかもしれない。

「ヒルクライムには使えますか?」という質問を頂いたのであえて触れているが、ヒルクライムではドラフティングと速度域で使用可非が分かれると思う。ただゴール前となるとおそらく新型VENGEの方が速い可能性がある。サーベロの実験結果によるとプロのゴール前スプリントにおいて軽量バイクとエアロロードどちらが先着するかという実験では、1kg以上重くてもエアロロードの方が先着する結果が得られている。

私の中で新型VENGEが適すると思われるシチュエーションは、長距離を高速で移動するロードレースだ。7.1kgとまずまずの軽さなのでアップダウンを繰り返すような広島森林公園、沖縄210km、鈴鹿ロード、カルストロードレース、そしてエンデューロには新型VENGEが適している。特に群馬CSCのヘアピンの切り返しを結構突っ込めるのではないか(落車には注意)。あとは舞洲クリテリウムのように、ノーブレーキでコーナーリングできるレイアウトならば新型VENGEだ。

ゴール前のスプリントを考えるとTARMACでも良さそうな気がするのだが、私は新型VENGEのほうが良いと思う。どこか勝負どころまで脚を残せてスプリントできそうだからだ。あとは新型VENGEのエアロダイナミクスを期待して、広島西日本ロードの名所でもある三段坂の下りで休めそうだ。

あ、これは買うフラグ・・・。

本気で新型VENGEをレースバイクで組むとしたら、CLX64ではなくCLX50を採用したい。CLX64はどちらかというと平坦番長だ。実際に全てのCLXシリーズを使用したが、とにかくCLX50だ。私はヒルクライムでもCLX50を使用した。50mmハイトだがリム重量は430-450gといったところだ。

何回も当ブログで書いているが、50mmリムハイトのカーボンクリンチャーにおいてこの重量は驚異的と言っていい。オールラウンドに使用するなら50mmをチョイスしてみてほしい。もしもROVAL以外のホイールを入れるのならば、コスカボUSTのDISC仕様がある。またはENVE SES3.4もお勧めだ。ディスクブレーキに特化したリムなので重量は390g台である。

さらに攻めればENVEのMTB用リムM50も捨てがたい。リム重量は360gだ。内径幅は21mm。ちなみにライトウェイトのWEGWEISER CLINCHER DISCよりもCLX50のほうが軽い。さらにCLXはワイドリムだ。

ディスクロードになると重量増が気になるが、実はリム重量が減る。ホイールシステムとしてみると外周重量が減り、中心部のディスクローターに重量が寄るのだ。私のTIME ZXRSが7.3kgだ。7.1kgの新型VENGEがさらに軽くなるのならば使えないわけがない・・・。そして本領発揮するのは悪天候のレースだと思う。

台風の時期に開催される秋吉台のカルストロードレースに投入したいぐらいだ。カーボンクリンチャーのブレーキ性能はそれほどよくない。ディスクブレーキになるとそれらの問題は解消する。そして、カーボンクリンチャーとラテックスの問題も解消できる。

レース機材として使用するのならば、速さが重要だ。新型VENGEならばスペシャライズドのプロダクトの中でSHIVと遜色なく最も速い。ディスクロードは一昔あれば、エアロダイナミクス的に劣っている存在だった。しかし新型VENGEに限っては特段ディスクロードでもネガティブなイメージは無くなった。

トライアスロンに最適な一台

新型VENGEは確かに長距離のアップダウンをこなすレースバイクである。どんな天候でも安定したブレーキ性能と、ディスクブレーキを考慮したエアロダイナミクスを備えている。それでいてエアロフレームにありがちなハンドリングの悪い癖も消し去っている。

そうなってくるとおすすめなのがトライアスロン用途だ。普段バイクをあまり乗らないトライアスリートが、ガチガチのサーベロのTTのバイクに乗ることは、少々おすすめしない(ただしポジションがしっかり出せていれば話は別)

もうしわけないのだが、今まで見てきたトライアスリートの人たちはたいていポジションを煮詰めていないばかりか、ロードバイクにポン付けDHバーがほとんどだ。「バイクに体を合わせている」場合がほとんどで、「体にバイクを合わせていない」スタイルをよく見かける。

そのような無理な姿勢で乗るのならば新型VENGEとROVAL321ディスク、専用のエアロバーを取り付けたほうがよっぽど良いと思う。ロード乗りでもDHバーをしっかりと操れる人は少ない。3種目取り組むトライアスリートならなおさらバイクパートの練習時間が減る。

であれば、ドロップハンドルでもTTバイクのSHIVと遜色のないエアロダイナミクスを備えた新型VENGEはトライアスリートに最適な一台といえよう。

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クリップオン式エアロバーの長さは2種類ある。長い方はロードのタイムトライアルやトライアスロン、短いタイプはITUレース規格に適合している。練習用と本番で2つバイクを用意する必要もないし、VENGE一台で一石二鳥という使い方ができる。

私はトライアスロンのバイクパートに新型VENGEをおすすめしたい。

なぜOSBB?ネジ切りは採用しないのか

「ピナレロやコルナゴがねじ切り式BBを採用し始めたが、スペシャライズドはなぜOSBBなのか」という質問を開発者のキャメロンさんに投げかけた。基本的なBBまわりの設計はTARMAC SL6を踏襲するアプローチのようだ。OSBBを採用してから結構な時間が経過しておりノウハウも溜まっている。剛性面や設計面を考慮してOSBBを新型VENGEに採用した。

剛性面や設計面を考えると、OSBBのメリットは大きいようだ。ねじ切り式のメリットは音鳴りがしないことがあげられるが、それらをトレードオフにしてもOSBBのメリットは大きい(らしい)。どう良いかまでは聞けなかったが、長らくSL3の後期の時代からOSBBという規格が採用され続けているから、開発者側から見るとあえて変更することないほどに成熟しているのだろう。

確かにTARMAC SL6のBB周りは改良されている。あきらかに強靭化され肉抜きもえげつない。それでいて音鳴りも減ったというから、新型VENGEでもさほど気にならないかもしれない。

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コラム:キャメロンさんに聞いたチューブレスタイヤ

新型VENGEの生みの親でもある開発者のキャメロンさんにまずはじめに伺ったのは「ツアー・オブ・ジャパンでチューブレスタイヤをROVAL CLXで使っていましたが、エンジニアから見てチューブレスタイヤのメリットをどう捉えていらっしゃいますか?」という新型VENGEとは全く関係のない話からスタートした。

というのも、キャメロンさんは現役の選手であり開発者だ(私もライダーやりながらバイク開発がしたい!)きっとエンジニアが使うなら何か理由があるはずだ・・・。

チューブレスタイヤのメリットはしっかりとタイヤセンターが出ること、そしてパンクしても一気に空気が抜けない点が安全であるということだ。一気に空気が抜けバーストしてしまうと、ハンドルが効かなくなったり、操作を誤ったりして事故につながる恐れもある。

そして転がり抵抗が小さく速く走れることだ。実際にROVALディスク(円盤)の321はチューブレスクリンチャーである。もはやチューブラーの時代は終りを迎えつつある。今後は同社のホイールはクリンチャーやチューブレス化に徐々にシフトしていくのかもしれない。

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コラム:私の知らないスペシャライズド

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私は機材を店ではなく「人」から買う事にしている。これは美容院と似ている。名が通った○○美容院で髪を切ってもらっているわけではなく、その店に勤めているお気に入りのスタイリストに髪を切ってもらっていないだろうか。ロードバイクのかかわり方もそれと似ている。

ここからは、私が知らなかったスペシャライズドの事を書こうと思う。

今回のローンチに参加させて頂いて気づいたことがある。スペシャライズドという企業に対してだ。私は今までスペシャライズドのプロダクトをロード、シクロクロス、MTBと数々使用してきた。実際に製品を使って思う事は、「軽い」「硬い」「デザイン」といった目で見える範囲のみで、同社を判断することしかできなかった。

「重量測りました、カタログより10g重いです、残念です」というような表面的な記事を私は書いていたのだが、実際に本国で取り組んでいる開発の舞台裏を伺うと、何とも複雑で膨大なデーターの上に1つのプロダクトが存在しているのだと、痛感したのだ。

それゆえ、「プロモーションで日本人が好きそうな細かい開発の話をなぜしないのか?」という疑問をぶつけてみたのだが、今後はそのような情報も公開していくスタンスだという。たいてい日本人が好きな話題は細かい話だ。対して、海外の人はあまり気にしないらしい。「最速最強、以上。」のように。ただ、日本人は独特の細かさがあるからプロモーションで「細かすぎて伝わらない技術」を載せるアプローチもアリだと思う。

だから今回は、私のポエム化するインプレッションよりも、私が持ち帰ってきた開発の裏側をできるだけ読者に伝わるように書き残すことにした。

TREKはMADONEの発表の際にホワイトペーパーを公開している。二番煎じではないが、新型VENGEのホワイトペーパーが誰しもが見れるようになれば、なお新型VENGEの奥深さがユーザーに伝わると思う。新型VENGEのホワイトペーパーを拝見したが、知れば知るほど開発の舞台裏でおこなわれているスペシャライズドの地道な活動に驚くはずだ。

「アメリカブランド」というイメージがあるスペシャライズドだが、どこかドイツや日本のような企業イメージを抱いた。堅実で真面目なイメージである。

私が感動したのは剛性面の設計だ。数値データーとライダーの意見を総合的に判断して製品に反映している。そして最終的に採用される剛性は、テストライダーが良いと感じた乗り味だ。そして数値と感覚になぜ違いが生まれるかという、研究もおこなわれているという。

スペシャライズドでは数値データーを押し付けず、最終的にユーザーに寄り添っているのだ。私たちエンドユーザーがただプロダクトを買っただけでは、そこまで知るすべはない。しかし今こうやって門が開かれ、SPECIALIZEDの開発の裏側を当ブログの読者たちへ持ち帰ってくることがやっとできた。

それだけでも、今回ローンチに参加した意味があるとおもう。

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まとめ:新型VENGEはディスクロードの1台目に

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いよいよ新型VENGEに関するまとめに入っていこうと思う。新型VENGEを開発の裏側からせまり、そして実際に使った率直な感想を述べると、SPECIALIZEDは純粋にレースを走るエアロロードを作りたかったのだと思う。ただその根幹にあったのは、ディスクブレーキというあたらしい仕組みを考慮したエアロロードだ。

それでいて前作のViASで課題となっていた整備面のデメリットを改善し、メカニックやエンドユーザーが手を入れやすいようなバイクを目指した。簡単にステムやハンドルを変えられるのは、当然だができなければ困る。それらはエアロダイナミクスとトレードオフする問題などではない。

安心して使えるディスクロード像とは何だろうか。それらはひとりひとりのサイクリスト達の中に定義されるが、私はあらためて考えそして想像してみた。

  • 重量が増えないこと
  • エアロダイナミクスが悪化しないこと
  • 今まで通りの使い方ができること

今までどおりの使い方とは、簡単なパーツ交換、メンテナンス、輪行、車への詰め込みが今までどおり何ら変わりなくおこなえるということだ。

これらの要素を満たす1台を考えてみると、新型VENGEはすべてを満たしている。重量面はまだまだこれから削減の余地があるが、7.1kgでCLX64を取り付け時なのでCLX50に変更するとさらに200gは軽くできる。今回新型VENGEを深く理解したことで、私の中の「ディスクロードがなんたるか」はより明確になっていった。

新型VENGEの登場で、私が疑っていたディスクロードは「使える機材」という確かな認識へと変わっていった。そしてディスクロード1台目の候補がやっと出てきたのだ。ディスクロードバイクの時代は、新型VENGEと共にこれから始まっていく。

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あとがき

今回の記事の内容は少し毛色が違った。いつも見てくださっている読者の方々は驚かれたと思う。いつも身銭を切って細々と機材インプレッションを書いていたのだが、今回はアジア圏のメディア会場に参加させて頂いた。冒頭でも記したが中国、台湾、フィリピン、日本の雑誌やWEBメディア、かの有名な安井行生氏、竹谷賢二氏といったそうそうたる顔ぶれがひしめく中、ポツンと私なんぞが参加させて頂いたのだ。

当然のことながら、発表時期を守って記事を書かねばならない。

私も一応IT系の通信業界でお客様情報を扱うから、コンプライアンスを順守することはしつこく言われている。今回の新型VENGEの公開時期についても、もちろん発表時期を守る書類にサインをした。実は4月の時点で海外のプロレース会場では新型VENGE DISCが投入されていた。情報をキャッチしながらも公開しなかったのは、今回の記事をしっかりと読者に対してリリースしたいという思いがあったからだ。

ローンチに合わせて、いつも読んでくださっている読者の方にメディアや雑誌とは違う「サイクリスト目線」を届けたかった。今回スペシャライズドさん(今回相手が見えるようになったのであえて敬を付与)側から個人的に声をかけて頂いたときは正直戸惑っていた。

確かにロード(SL2,3,4,6)、シクロクロス(SW CRUX,CRUX PRO, CRUX E5)、MTB(EPIC WC, StumpJamper)、ホイール(CLX32,40,50,62)、シューズ(10年以上SW)とありとあらゆるS-WORKS製品を買って使ってきたから、たぶんこれほど試したサイクリストはそう多くないと思う。ただ、思ったことを好き勝手書いてしまってきていたから、SL6に関しては色々と多方面に迷惑をかけてしまっていた。

普通であれば「ホサれて」しまうところだが、今こうやって記事を書いている。メディア向けローンチ会場から帰ってきて、いろいろな事を思い出しながらも、時代は変わったものだ・・・と思ったのが正直な感想である。しかし業界が違えば同じようなアマチュアを取り組んで、メディアとは違う角度から消費者にアプローチをおこなっているメーカーや団体もある。

金融業界とIT業界だ。

IT業界では大手メディアに交じって、ブロガー向けに先行して新製品のローンチを行っている。例えば富士通のスマホがそうだった。SONYも同様な取り組みを行っている。また金融業界では金融庁主催(!)でインデックス投資ブロガー達を集めた意見交換会なども行われている(私も2010年頃からインデックス投資とBLOGをこっそりと実施)。

金融庁は個人投資家との意見交換会を何度か実施している。金融庁は実際に個人投資家によるブログでの発信力と影響力に期待しており、ブロガーには既存のメディアが発信できない情報を発信してもらいたい、とまで言っている。

このような新しい情報の流れは、自転車業界にも今後起こっていくのかもしれない。SNSやメディアのありかたの変化により、ユーザーの意見を吸い上げる取り組みは、いまだこの2つの業界ほではないが、自転車業界にもこのような開かれた流れがこれから訪れていくのだろう。

SNSやWEBの発展によりメディアのありかたが変化する中、自転車業界においてはスペシャライズドが先駆け的な存在になるのかもしれない。「メディア」が発信する情報と「カスタマー」が発信する情報が入り乱れ、新しい情報のあり方を考える時代がやっと訪れようとしている。ユーザーはどちらを求めているのだろうか。答えは両方だと思う。あふれる情報のなかから、自分の感性と感覚で「情報を取捨選択」する能力がユーザーには求められるのかもしれない。

その情報の出所はメーカーにゆだねられはするが、判断する切り口の材料を増やした今回のスペシャライズドの取り組みには感謝しかない。私は情報を集め、いつも通りのトーンで書き、情報の1つを提示したにすぎない。結局、情報を取捨選択し、最後にお金を払って機材を買う判断をするのはユーザーたちだ。

ローンチは各社一斉にメディアで発表される。その発表の中にはバイクの進化、改善点といった「横並びのカタログ情報」しか登場しない。事実、ローンチ当日の情報は、他のメディアと当ブログで公開した情報に大差がなかった。では次にユーザーが求めてくる情報はなんだろう。「使ってどうか」という人間が介在した感覚の情報を求め始めていく。

改善点や新機能が加えられたプロダクトは、使用したユーザーに対して「どのような印象と影響を与えたのか」そこが知りたいのである。私が目指すところは、それら”無”ともいえる言葉にしにくい感覚を、いかにわかりやすく、いかにおもしろく読者へ届けられるかだ。

それら無形の感覚を文字にしていく産みの苦しみこそ、
インプレッションの本質だと思っている。

情報提供: SPECIALIZED

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