「かかっている」とはどのような状態なのか

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トルクと回転と自分の脚質から「かかっている」を考察して、ことばで表現してみる。

出力は回転とトルクの積だから、小さなトルクでもぶん回せばパワーは出る。対照的にトルクが大きければ回転が遅くても同じ出力を出せる。とすると頭の中に描かれる双方のグラフが交差する地点が最適なケイデンスとトルクになる。ここで「?マーク」が出たらその捉え方は正しい。

双方の定義をもう少し正しく言えば、バイクのギア比を変えずにローラー側の負荷を複数試している。もしくはローラー側の負荷を一定にして、バイク側のギア比を変化させても良い。私の場合はピストで四本ローラーだから、ローラー側で負荷を変えている。この場合、負荷A(おもさ+1)と負荷B (おもさ+2)で考えてみる。

おなじ300Wを出すにしても、負荷Aはケイデンスが高くトルクが小さい。対してBはケイデンス低くトルクは大きい。今まで30秒インターバル中のケイデンスは110-120rpmだった。しかしものすごく辛くて次第に脚が目標の回転についていかなくなる。

大変興味深かったのは、私が最も快適に回せる95-100rpm(練習もレースもこの回転域の出現頻度が最も多い)になるようにローラー側の負荷を変えた。そうすると、めちゃくちゃ楽にメニューがこなせた(これはこれで問題なのだけど)。30×30は400W以上で調子に合わせてやってるけど、トルクとケイデンスがしっかり合えばもう少し上を狙える実感がある。

トレーニング中は負荷Bを選択してきたが、28分目に負荷Aに変更した。黄色のグラフはケイデンスで、125rpm付近まで上がっている。その他は負荷Bで統一されているのでケイデンスは100rpm付近。しかしこの負荷Aはケイデンスで出力を上げねばならない。このとき「抜ける感じ」が顕著に感じられた。

おそらく、パワーが伝わっていない踏めてない感覚と近い。私の感覚で行けば120-125rpmは回し過ぎだ。さらにパワーを求めるなら、100rpmほどでトルクを上げられる条件に変えると出力を上げられる。出力を上げるというよりは、自分自身の身体能力に対して最適なケイデンスと、トルクがかけられるスイートスポットのようなものか。

この絶妙なトルクとケイデンスの関係がマッチした時「かかってる!」という表現に達するのだろう。

「かかっている」という表現はとても曖昧だ。しかし、実験を元に回転とトルクが最適になった状態が「かかる」と定義してもおかしくない。実際にかかってパワーも出ている。ケイデンスが高すぎてもトルクが抜けてしまうし、かといってトルクが大きすぎては、回転を上げられない。その絶妙なスイートスポットこそが「かかる」の正体ではないか。

最後は512Wまで上げて終わり。いつもは20本目はタレタレで480Wぐらいまでしが上がらない貧脚なのだけど、実験しながらローラーをやるのは楽しい。原理がわかれば、そこから考察をしていくだけだ。まだまだ知らないことはたくさんある。

自分は何も知らない、と本当に認め、自分の頭で考えて、自分の結論をだす。それが間違えててもいいと思う。今度はそれが何故間違えていて、何故正しい答えは正しいのかを考える。自分で出した結論がそもそも存在しなければ、正しいとされる結論の理解も深まるわけがない。そのような思考の折衝は自転車に限らず、普段の生活から、仕事まで役立つも思う。

間違いや、失敗を恐れずに、考えてみよう。

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