マウンテンバイクの国内シリーズ戦「Coupe du Japon(クップ・ドゥ・ジャポン)」が4月12日(土)、兵庫県の菖蒲谷森林公園で開幕した。
昨年の開幕戦も菖蒲谷で行われた。昨年はチャレンジクラスで初レースが菖蒲谷だった。コースはとても難しく昨年は北壁も、難易度の高い下りも3箇所あったため苦しんだが、なんとか勝てた。今年はマスタークラスで菖蒲谷を走った。
昨年の菖蒲谷の難易度が高すぎたため、今年はマシに感じたがそれでもCJで八幡浜と並んで一番むずかしいと感じる。ただ、CJよりも一番難しいのは小野さんが主催するMチャレの亀岡だ・・・。
下りで、まじで死ぬかもしれないという去年の菖蒲谷の感じは今年は無かっただけ、今年はマシだった。なので今年の菖蒲谷は下りも楽しんで走れた。そう思えるのも、菖蒲谷を走り込んで小野さんをはじめとした菖蒲谷ローカルの皆様に色々と教えてもらったのが大きい。
この一年、菖蒲谷が成長させてくれたと思う。
レースレポートの前に、ピーキングのために減量と食事制限、高強度を入れた練習をしていたが、やはり免疫力が今回も低下してレース直前にまた肺炎にかかってしまった。咳が止まらず、レントゲンを撮ったところ肺が白い。呼気を測定するとまた70歳レベルだったのでレースをやめようかと思った。
いつも練習してくださる仲間と走りたかったが、やっぱりダメかもしれないと弱音を吐く。しかし、準備はしてきたし、走るのは楽しいのでリザルト関係なく菖蒲谷を楽しもうと思った。当日も体調が良くならず、調子が合わせられなくて、メンタルはかなりやれていたが。
あとは、練習中のボテコケで親指にヒビと割れかけ?、靭帯が炎症しているだかなんだかで、体の調子はマジで良くない。ロードなら出走やめてるレベル。パーフェクトな状態でレースに挑みたかったが、MTBはまだまだ下手くそでハードなクラッシュをしてしまう。
なお、練習中や試走の段階でもボディプロテクター、ニーガードなどフル装備で走ってコレ。結構転んだりするので、うまくはないけどボチボチ走ることにした。
菖蒲谷 XCO MM40 優勝、総合2位
試走で走り込んでわかったのは、スピードコースということ。昨年の菖蒲谷は、北壁やら、キャニオンやら、スタート直後のあり得ない下り(ガケ?)やらで恐怖しかなかったが、今年は全体的にスピードコースだった。
ただ、要所要所でテクニカルなセクションは顕在でつなぎが悪いと総合的なスピードが落ちる。スピードコースは登り、下りよりも、『つなぎ区間』でどれだけスピードを上げられるのかがキモになりそうだと分析した。登りと下りが早くても、つなぎ区間が遅いとトータルのスピードは遅くなる。
現状のパワーでいうと、同一カテゴリの岡本さん、皿谷さん、コージさん、大賀さんより確実に劣っている。別の場所でアドバンテージを稼がないと。それでも、レースで勝負するためにはどう走るべきかをよく考えながら、レースを頭の中で組み立てた。
試走はしたが、気分がかなり悪かったため大事をとって、1時間ほど馴染のパンプトラックで遊んでから睡眠することにした。車で仮眠してレース時間までやり過ごす。ウォーミングアップはシクロクロスと同じ方法で行った。
スタートは4番目で前列スタート。岡本選手の横から。左側からスタートしたかったが、やはり皆同じことを考えていたようで一番左はリスクもあるし避けることにした。
スタート直後の登りは30秒もないが500W近く出ても集団はバラける感じはない。ただ、何回も周回をこなせば、徐々にダメージが蓄積されていくだろうという感じだった。木の根っこはマトモに受けるとタイムロスするので、できるだけ飛んで回避する作戦。晴れだとこれができるが、雨だと滑りまくるだろう。
パッと後ろを見ると、吉元選手がすぐ後ろにいる。その後ろには多分皿谷選手。2024のロードのマスタークラスの覇者なので足がかなりある。MTBも早いため警戒していたが、こんなに早く追いついてくるとはさすが。1つ目のコブを飛んでから、もうひと登りして下っていく。
わりとパックは大きく、5〜6名は後ろにいたと思う。ただ、池の周りから始まる登りは、ジープロードから先は単独で行って下ったほうが有利。フィードからジープロード、下りが始まる区間までを1つとして考えて6倍目安で淡々と踏み続けた。
計算通りにいけば、毎周回下りで回復できるので、6周回すべての登りで6倍目安で走った。実際にはパワーメーターをチラ見シながらだったから、5.5倍ぐらいだったと思う。このときに後ろを見ると、吉元さん、皿谷さん、宮崎さん、大賀さんが迫ってきているのが見える。
しかもかなり近い。ワンミスすれば間違いなく追いつかれる。ジープロードの先に進むと、一箇所嫌な岩と根っこ区間がある。ラインは3つあるが、バランスを崩しても足をつきながらクリアして、クリートキャッチできる練習をしていた安全なラインを通した。
前回の耐久レースでも使ったが、今回はミスが0ですべて乗車クリアできた。先行する岡本選手は格が違いすぎるが、追うにしても確実にオーバーペースになりラップが乱れ、リスクが高すぎるのでペースを刻むことを意識して走る。
下りは苦手だったが、菖蒲谷ローカルの皆様から色々と教わって最短ラインを走れたと思う。下りでも飛べる場所は飛んで、落ち込みの部分もスムーズに走れたと思う。下りきってから、砂利道から入る手前で見ると、後ろと差が開いていることがわかった。
砂利からパンプトラックへ入る道は、試走の時に小野さんと何度もラインを確認して漕ぎ数が少ないラインを毎回通せた。パンプトラックも良いスピードで通過できたが、1つ目のコブを飛ぶのが正解だっただろう。案の定、中仙道くんはその方法で華麗にこなしていた。
今回もフィードでniwaさん(AXMTBteam)や平尾さん(Champion System Japan Test Team)から冷たい水を毎周回頂戴しました。他チームながら、単騎で挑んでいる私としては聖水がありがたい。いつも本当にありがとうございます。
今回はドリンクよりも水がほしかった。というのも、レース中に気持ち悪くなって2回吐いてしまった。体調が万全でないことがわかる。スタートに戻ってくると、タイム差を教えてくれるがどうやら1周で30秒ほど岡本選手と差が開いていく。
逆に後続とも段々とタイム差が開く。意外と下りで追いつかれないようで、それならば登りと平坦区間で踏み続けるしか無いという感じだった。
池の先の上り区間で、毎回ラダーを通る時に後続を確認する。皿谷選手と宮崎選手が連なって追ってくる。下りは皿谷選手と宮崎選手のほうが圧倒的に早いだろう。その差を埋めるには、平坦や登りしかない。
パックになると相手に合わせて走るだろうから、ここは単独で突き進んだほうがよいと考えた。
作戦が功を奏したのか、周回を重ねるたびに後ろとの差がどんどん開いて登り区間では見えなくなった。ただ、岡本選手ははるか先に行っている・・・。ここから気を緩めずに、セクションをこなす。すべてのコーナーや下りのラインを機械のように正確にトレースすることを心がける。
ワンミス、ワントラブルでXCOはすべてを失ってしまうから、100%ではなく80〜90%で丁寧な走行を心がけた。そのかいあってか、ラップタイムは10秒以内に収まった。後半でたれてきたが、大きくズレなかったのはCXで散々やってきた賜物だろう。
30代の岡本選手とのタイム差は大きく開いてしまい、惨敗だったがカテゴリは優勝、全体でも2位だった。正直なところ自分の今の力では、30代の皿谷選手と宮崎選手に勝てないだろうなと思っていた。現ロードのマスターチャンピオン皿谷選手には、本業のロードでも勝てやしない。

ロード時代、JBCF E1の広島で5人に絞られたとき。皿谷選手も。松木さんと高岡さんも居るが合成ではない。
しかし、今回は運が良く1分差だった。この差は力の差ではなく、後続スタート位置による混乱の差だろう。今回は、自分の条件がよく、たまたま運が良かっただけだ。決して能力や走力の差ではない。これにぬか喜びせず、甘んじず、練習を積み重ねなければ。
ラップタイムは以下の通り。
- 12:23
- 12:21
- 12:27
- 12:31
- 12:33
- 12:33
ラップタイムは最大10秒以内だったが、後半にかけて確実に崩れてしまったのは反省だ。後半に疲れてきて下りでラインをミスったり、ドロップ前のラインを間違えたり、根っこ区間を飛んで処理できなくなっていた。CXのように5秒以内でまとめたいところ。
疲れてきてからの処理が雑になる。結果的にタイムロスにつながる。とはいえ、小さなミスもあったものの、大きくタイムロスするようなミスが無かったのは少しは成長したようだ。前回はレース中に何回も転んでいた。
機材は今年からS-WORKS EPIC 8に。2025のワールドカップで勝ちまくっているバイクとホイールと全く同じなので、言い訳はできない・・・。997gのホイールは確実にアドバンテージだった。
タイヤは相当悩んだ。VittoriaとSPECIALIZEDの新型タイヤも試したが、初戦は乗り込んでいたタイヤから感覚を変えたくなかったから、昨年と同じSCHWALBEの構成にした。今後はタイヤテストや空気圧テストを重ねてベストを見つけ出したい。
ボトルにはにはサウルスドリンクを入れた。
¥2,722 (¥680 / 袋)
- バイク:SPECIALIZED S-WORKS EPIC 8 Mサイズ
- ホイール:Roval Control World Cup
- ショック:ROCKSHOX Flight Attendant 120
- サスペンションセッティング:F 58psi(12クリック)、R 133psi(8クリック)
- サスペンション潤滑剤:WPL Forkboost Lube
- R タイヤ:SCHWALBE レーシングラルフ スーパーレース 2.35、1.28bar
- F タイヤ:SCHWALBE レーシングレイ スーパーグラウンド 2.35、1.20bar
- タイヤインサート:Vittoria AIR-LINER LIGHT
- グリップ:Ergon GE1 Evo Factory
- チェーンオイル:モルテンスピードワックス
- ジャージ:サンボルトシームレスレーシングセパレートワンピース
- シューズ:Suplest XC
- ドリンク:サウルススポーツドリンク
- メンテナンス:RINGOROAD
開幕戦をカテゴリ別勝利できて安心したが、まだまだ始まったばかり。身体も完璧とは言えない。年齢も重ねて、病気にかかりやすい。まずは、身体を万全にして良い走りをできるようにしたい。
今回も、いろいろなところから応援を頂きありがとうございました。レースは以下に出場予定です。次回も頑張ります。
¥2,722 (¥680 / 袋)