ロードバイクのブラケット位置による操作性の違いについて

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シクロクロスのポジションはロードのそれとは似て非なるものである。たかがポジションと言えど、最適なものはなく、常に追い求め続けている。かく言う私もシクロクロスのバイクにおいて、最適なポジションが出せているとは言い難い。

先日、シクロクロス車からロードに乗り換えて思ったことがあった。『自分の自転車じゃない』と。慣れ親しんだロードのポジションが慣れない。ハンドルは遠く、ブラケットは送られ過ぎている。これは乗りにくい。

なぜそのようなことが起こるのだろうか。

まず、ロードバイクは速く走ることを目的とした機材である。シクロクロスよりも圧倒的にスピードが速い。ただ、コーナーリングは緩やかで大幅な減速は生じない。早く進ませる上で一番の敵は空気抵抗だ。

だからできるだけ状態の位置を下げて空気抵抗を受けないようにする。従って、優先されるポジションは下ハンドルを持った時の位置と、ブラケットを持った時の位置でおよそ最適化される。それらのハンドルの位置は二つのハンドル位置を考慮しなくてはならない。

また、ロードバイクには見た目という問題もある。水平ステムはカッコ良いが、操作性を奪う。何を犠牲にして、何を得るか、ロードバイクの場合は自転車を操る事とかけ離れたセッテイングがなされることが多い。

対してシクロクロスのバイクはどうだろうか。冒頭の私のシクロクロスバイクのブラケットの位置はロードバイクのそれとは異なる。実は、この位置は初めは違和感があった。しかし、シクロクロスバイクに見られるこのブラケットの位置には理由がある。

別のシクロクロスバイクを見てみよう。

こちらはあるプロ選手のブラケットのセッテイングだ。かなりしゃくったキツイ角度に設定されている。続いて別の選手。

やはりブラケットの角度がしゃくられている。なぜ、このようなセッティングをするのだろうか。海外のシクロクロスのサイトで幾つか調べてみると以下のような理由が挙げられていた。

  1. ハンドリング性を高めるため
  2. 後輪荷重にするため
  3. シクロクロス車っぽいから

三番目はともかくとして、どうやら有力な理由はコーナーリングに大きな影響を与えるハンドリング性を高めるためのようだ。理由を考えてみる。自転車のフォークは地面に垂直ではなく、75°といった地面に対して斜めの角度を持っている。

この独特の角度をもつフロントフォークを快適に操作したい場合17°のような寝たステムと、6〜8°のステムどちらが扱いやすいだろうか。間違いなく後者である。

別の見方をすると、例えばこんな想像をしてみる。車の円形のハンドル「だけ」渡されてハンドルを切ってというと、誰しもが胸の前で手を前ならえの様にしてハンドルを切るだろう。無意識であれ、ハンドルを正面にしてハンドルを切る。

この時に、フリスビーを投げるような角度でハンドルを切る人はいない。胸の前で体に向かい合う方が操作しやすいからだ。

この無意識行う操作しやすい位置はブラケット位置と、ステム角度が立っている状態に違い。先ほどの私のロードバイクの写真のような寝たステムはまるで、バスの運転手のハンドルだ。対して、シクロクロスのマシンはF1のハンドル位置に違い。

これは、ハンドルを切る時に感じた肩の動く量を見て思ったことだ。フォーク角度に対してブラケットが起きれば起きるほど、肩の前方向の動きは少なくなる。対して、バスのハンドルのように、大きくて寝ていればその分肩の前後の移動が多くなる。

前輪の操作性を意識するならば、間違いなくシクロクロスバイクのように、ブラケットは起きていた方が良い。セッティングは千差万別であろうが、ややしゃくり気味にして、そこから最適な角度に送って行くセッティングの方が良さそうだ。

今だ私も試行錯誤中だが、ステアリングを考慮したセッテイングは非常に奥深い。一番重要なのは見た目なんかでなく、操作しやすい位置なのだ。

今悩みの種は、ロードバイクのステムとブラケット位置。これは送りすぎているし、操作しにくい。冬場にシクロクロスでバイクテクニックを磨き、ロードバイクのセッテイングにも活かして行きたい。

ただ、似て日なる機材であることは間違いないが、双方の良いところを取り入れ最適値を探すことはロードバイクばかり乗っていた井の中の蛙の私の中ではわからなかったことだ。

見た目も良いが、バイクを操るという本質も忘れてはいけないものである。

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