10月から2月までの5ヶ月間、ロードバイクに1ミリも乗らずZWIFTばかり。3月から始まるロードシーズンインが目前せまりつつあるなか、機材を準備していると「あ、機材が死んでた・・・」ということに”今年も”直面した。
恒例です。
学習能力がなく、毎年同じこと繰り返してるということを自分でもよく理解している。ただ、どうしても大事なことを先延ばしにしてしまうタイプだ。プロのように専属メカニックがいればよいのだが、普通のサイクリストはそうもいかない。
自転車機材はメンテナンスフリー(点検の必要が一定期間不要)ではない。むしろ、シビアコンディションでは3ヶ月おきにグリスアップが必要なパーツもあるし、チェーンは土日に走り込めば、毎回洗って少しでも抵抗を減らす必要がある。
今回の記事は、実際に失敗した体験を元にシーズンイン前にやっておきたい7つのメンテナンスを勝手にまとめた。来年も同じ轍を踏まないようにする意味もある。もちろん、自転車機材はいくつもの部品から成り立っており、7つだけでは足りないかもしれない。
そのため、メンテナンスの中でもシーズンイン前に特に実施しておきたい内容をまとめた。
ペダルグリスアップ
頻度:3ヶ月に1回
トラブル例:グリスが抜けて回転が良い(よく回るのは悪い気分ではない)。鉄球とシャフトが錆びて、ゴリが出たまま”あえて”使い続けたところ、シャフトに傷が入りペダルをまるごと交換するハメになった。レース前で入手ができず、メルカリで中古を高つかみするハメになった。
わたし自身が愛用しているシマノペダルに限定して話を進めるが、シマノペダルは工具さえあれば個人でも分解して清掃、グリスアップすることが可能だ。メンテナンスというと、バイクの変速系や汚れといった目に見える部分ばかりに行きがちだ。
ペダルはライダーとバイクをつなぐ重要な機材であるにもかかわらず、ペダルを購入した後にメンテナンス自体を一切しない、していないという人は多いようだ。
シマノのペダルを分解すると気づくのは、非常に原始的かつシンプルな構造であることだ。ゴムパッキンがシャフトにかぶさり、ベアリングの鉄球の玉アタリを調整するナットだけで構成されている。3ヶ月ほど雨風の中つかっただけで水が中に侵入して汚れやすい。
一番厄介なのは、「グリスが抜けて回転がよく感じる!ヒャッホー!」という状態だ。たしかにペダルはよく回るが、シャフトにダメージが及んでいる可能性がある。ゴリが発生している場合は、最悪シャフトを変えるか、ベアリングの鉄球を変える必要がある。
最近では、ベアリングの鉄球を1シーズン毎に変えてる。Amazonで購入できるので予備を常に持っておくといい。というのも、メンテのときに転がっていって高確率で無くす。シャフトに問題がなければ、ベアリング交換、グリスアップをするだけでもペダルは長持ちする。
シマノのペダルはメンテナンスをしないとグリスが徐々に抜けていくためできればシーズン中1度は中を開けてグリスアップしたほうがいい。
¥880
¥2,504
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¥1,236
ペダルを毎回ショップに持ち込むのは手間がかかるため、工具さえ揃えておけば気の向いたときに整備できる。ただし、作業に慣れていない方はショップに持ち込んで対応してもらおう。分解マニュアルは以下の通り。
https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RAPD001/DM-RAPD001-03_JPN.pdf
ベアリング交換
頻度:6ヶ月に1回ぐらい(メンテナンス次第)
トラブル例:冬の間、数ヶ月間ロードバイクを保管しておいたところ、ヘッドベアリングのグリスが乾き、さらにゴリゴリになっていて、ベアリングが死んでいた。メーカーに注文したが予備在庫がなく、無理やりグリスを入れて使用した。
長期間使わないうちに徐々に侵食されていくのがベアリングだ。特にヘッドベアリングにゴリが出やすく、ヘッドベアリングを覆うダストカバーはお世辞にも防水性が優れているとは言い難い。したがって、雨や汗で真っ先に侵食されていく。
濡れては乾き、濡れては乾きを繰り返し、長時間放置するとグリスは水気を失い固着してしまう。最終的には錆びてしまい、回らなくなってしまう。
ボトムブラケットのベアリングも同じだ。洗車する際に水が侵入しやすい。グリスアップをこまめにすればよいが、クランクを外す必要があるためメンテナンスが行き届きにくい部分だ。できれば、シーズンオフにグリスアップしておくほうが望ましい。
AEROADのBBINFLITEのベアリング、PRINCETON CARBON WARKSのTACTIC RACINGのハブベアリングも定期的にメンテナンスしていたが、3月~9月の6ヶ月でサビが出た。そのため、シーズンインに合わせて全てのベアリングを交換している。
バーテープ交換
交換頻度:破れる前、4~6ヶ月に1回
トラブル例:アルミハンドルで長期間バーテープをつけていたところ、手汗による塩害でアルミにダメージがおよんだ。
カーボンなら大丈夫かとは思うが、バーテープの両面テープなどの劣化は思っているよりも激しい。まだ使えそうだからといって、交換の頻度が低いのがバーテープだ。これまで「もったいないから」と擦り切れるまで使ってしまっていた。
ケチって使い続けるとまずいのがアルミハンドルの場合だ。バーテープを巻きっぱなしで、3年ほど交換しなかったところ、汗による塩害でアルミが腐食していた。強度的にも問題があるだろうし、機材はよい状態とは言えない。バーテープはこまめに交換して、きれいな状態で使うほうがグリップ感もまして良い。
パワーメーターの電池交換
交換頻度:乗る距離にもよるが、2ヶ月に1回
トラブル事例:電池をケチったのと、LOWバッテリーに気づいていたものの家に帰って風呂に入ったらバッテリー交換を忘れた。その結果、練習でパワーメーターが使えず、ログが取れず、思うような練習ができなかった。ローラー用の電池交換を怠り、出社前のタイトな時間を無駄に消費した。
結構ヘコむのがパワーメーターの電池が切れることだ。いまや、パワーメーターは競技者や選手でなくとも取り付ける必需品になった。パワーメーターがないとトレーニングができないという人も多い。
パワーメーターの電池(やバッテリー)が無くなると、練習のログが取れないため練習が台無しになった気分になる。また、LOWバッテリーの場合は、値がスパイクしたり変な値が出たりと良いことがない。充電式ならともかくとして、コイン電池は安いから潤沢に揃えておこう。
シーズン前に新品の電池に交換し、ツールボックスに予備の電池を準備しておきたい。
チューブ交換、シーラント交換
トラブル事例:ラテックスチューブ入りのホイールを、空気が抜けた状態で長期間放置していた。春先に思いっきり空気を入れたところ、パンクしていることに気づいた。タイヤの中でタイヤが張り付き、引っ張られて破けた模様。そのため、ラテックス系のチューブを長期保管しておいた場合は、タイヤパウダーを使って再取り付けする。
¥711
タイヤチューブの交換というよりも、一度取り外して、パウダーを振りかけてから再取り付けしておいたほうがいい。以前、タイヤ内部にチューブが張り付いていたことがあった。長い間放置すると、状態が変わってしまうことがある。
また、ラテックス系のチューブは伸びてしまうことがある。ダルダルに伸びたチューブは、伸びたゴム紐と同じで縮む力が弱い。チューブとしての性能は期待できるが、チューブは均一ではない状態のため交換したほうがいい。
また、チューブレスタイヤを使用している場合はシーラントを交換しておこう。シクロクロスであればシーズン中に何回か交換するため、タイヤ内部への張り付きは軽微だ。しかし、どんな状況であれ長期間シーラントを放置し続けると、エイリアンの巣みたいな状態になる。
こうなると、水で洗い流せずシーラントリムーバーが必要になる。
¥1,881
そもそも、シーラントの鮮度のいい状態であれば、水で洗い流すだけで済む。「鉄は熱いうちに打て」ではないが、「シーラントは鮮度が良いうちに洗い流せ」ということを念頭に置いて、新しいシーラントに替えておこう。
面倒ではあるが、予防が大切だ。
ブレーキパッド交換・入替
交換時期:0.5mmに達するちょっと前
トラブル事例:いつの間にかフロント側のパッドが無くなっていた。気づいていたが、ケチって交換することを怠った。その結果、パッド台座がディスクローターに擦れてしまい、ディスクローターに傷が多く入り込んでしまった。結局、パッド、ディスクローターを変更する事になり出費がかさんだ。
ブレーキパッドはいつの間にか減っている。ただ、交換時期が難しい。理想は、定期的に前後のパッドを入れ替えることだ。わたしは月1回洗車の際に前後のパッドを入れ替えている。そうすることで、フロントパッドの減りが早い問題を解消している。
自動車もタイヤローテーションするように、ブレーキパッドもローテーションしておくといくらかパッドの寿命も伸びる。パッドは無くなるまで使うものではなく、残り0.5mmで交換することをシマノが推奨している。
¥1,830
ブレーキオイル
ブレーキオイル自体を交換することを知らない人もいるそうだ。ブレーキオイルは「黒くなってから交換」が基本だ。しかし、そもそも「黒くなっているかわからない」ためシーズン前にかならず交換している。
ショップに持って行くと交換してくれるが、自分でも簡単にできるためブリードキットを備えてそなえておけばいい。
¥4,356
なお、エアー抜きの際に大人用のリモコンバ○ブを使うメカニックもいる。
気分がアガるひと手間
ガラスコーティングや特殊な施工は最後の最後でやっておきたい。全てのメンテナンスが整った上で仕上げとして行うのがおすすめだ。
まとめ:買うだけが準備ではない
ここまで紹介した内容に共通していることは、全て既存のバイクに対して行うものだ。決して新しい機材を追加購入しているわけではない。今使っているバイクを状態良く、末永く使えることを目的としている。
大量消費、大量生産の時代だが、決して新しい機材を買うことだけが来るシーズンへの準備ではないのだ。
¥4,790