IT技術者ロードバイクの質問箱です。ご質問をいただいた中からピックアップして記事化します。https://t.co/83fP3DJXDr
— IT技術者ロードバイク (@FJT_TKS) 2018年3月19日
思い出したように回答する質問箱です。
とはいいつつも頂いた質問が釣りだろうとなんだろうと、基本的にマジレスしていくこの企画。前回から時間がかなり経過してしまいましたが一つ一つお返事していきたいと思います。
カーボンクリンチャーのおすすめは
CLX50とコスカボUST悩みますよね。「ゲテモノ機材」と言われてきた黎明期からカーボンクリンチャーを使ってきて何度も失敗してきましたが、今最もお勧めできるのはコスカボUSTです。おそらくコスカボUSTと競り合えるリムって、ENVE M525かM50、現行のアイオロスぐらいかなぁと考えています(リム単体で言えば)。LWの新型リムはやっちまった感があります。というよりもENVEはMAVICに買収されてますね。技術の融通があればよいのですが。
他にはCLX50が最有力候補ですが、雨天のブレーキ性能があまり期待できません。爆雨の中開催された実業団西日本ロードクラシック水泳大会(?)においてコスカボUSTを使用しましたが、時速70km/h近く出ててもブレーキがよく効きました。ホイールテストという観点から見ても「雨天のレースで使える」という事実は大きいです。他よく効くのはBORAのAC3かな。雨天制動、基本制動はAC3の方が上です(体感で)。
シューの選択も重要です。選択するシューによってブレーキのフィーリングは大きく変わってしまいます。スイスストップの黄色はそれほど効かないし、リムに黄色いブレーキ跡つくのでお勧めはしません。使うならブラックプリンス、もしくはカンパの500Xが良いかなと。シマノのカーボンシューもあまり効きません。私はカーボンクリンチャー使い始めてからずっとカンパ赤シューの500Xです。
ちなみにディスクブレーキのホイールを考えたら、ブレーキの効きを気にしなくてよいので軽いCLX50です。というわけでVENGE用にCLX50 DISC買いました。またインプレしてみます。
「こかん」にできものができました
この話題は3Aマグミットでも書きましたが、わたしもです。悶絶の末、治しましたが。この問題のやっかいなところは、「フィジカル元気なんだけど、デキモノ痛すぎてパワー出せない」ということです。体が元気なのに、デキモノのせいで集中できません。
これって、笑う人いるかもしれませんが(そこのあんたや!)、経験したことのない人にはわからない話題です。
(お昼中の人には失礼しますが)私は2パターンありました。坐骨の部分のデキモノと、もう一つは「ぢ」です。勇気を出して書きますが、「ぢ」です。自転車乗りには結構多いとのこと。でも話題が話題なだけに、あまり触れられることもなく一人で悩む問題でもあります。
デリケートな部分だけにデリケートな話題です。で、最速で治す方法は、病院に行くことでした。ボラギノールやオロナインは効きませんでした。医者から処方された塗り薬と、飲み薬ですぐ直りました。すぐ治ってしまったのでので、医者を目指そうかと思ったぐらいです。あと病院で乗り越えなきゃならないのは、、、まぁある意味良い経験でした(意味深)。
チューブレスタイヤの相性
様々なタイヤをテストした結果を先書きます(長くなるので)。コスカボUSTで使えたタイヤはMAVIC、ハッチンソン、スペシャ、IRC、マキシスの4社です。地雷がシュワルベ、ガバガバで不安なのがヴィットリアです。MAVICのあの独自寸法は、IRCやほかのタイヤメーカーにも公開してるらしいとの話を聞きました。これらタイヤの円精度が高いブランドであれば、普通にUSTで使えます。
マビックタイヤの製造元はハッチンソンであると公開されています。チューブレスタイヤメーカーとしてIRCも老舗です。そして国産タイヤであり精度も高いので、USTで使えます。申し訳ないのですが、非常に個体差が激しかったのがシュワルベでした。ひとつはガバガバ、ひとつはキツキツでビードが落ちずに切りました。
改良しないと実践で使うのは少々厳しいかなぁ、という印象です。ヴィットリアは取り外しが楽なのですが、あの「タイヤがはまる音」がまったく鳴らないので少々不安です。あとVittriaはパンク耐性が低いので、一発レース用でしょうか。兼松選手はVittriaのTLを使用してますが、あのレベルになるとパンクの神も気を使って降ってこないらしいです。
おすすめのアルミフレーム
鉄板はキャノンデールのCAAD10です。だれもが認めるアルミフレームといえば、CAAD10が思い浮かびます。かれこれ30年以上にわたってキャノンデールはアルミフレームの開発をしてきました。「世界一軽量なアルミバイク」「世界一の剛性バランスを持つアルミバイク」「世界一快適なアルミバイク」と、とにかくキャノンデールは本気でCAADシリーズを作り続けています。
アルミフレームではどこにも負けたくないという思いがひしひしと伝わってきます。
CAAD10は素材に6069 T6アルミを採用しており、フレーム重量は1130gとアルミにしては相当軽いです。フォークはフルカーボンフォークで重量は390gです。フレームとフォーク合計で1,520gです。ちなみにカラーオーダーも可能ですし、レース用機材でアルミフレームを買うとしたら、CAAD10以外を選ぶ必要はないと思います。
というのもクリテリウム用にアルミフレームを所有している人は結構います。クリテリウムのレースでバイクを壊すのが嫌なので、CAAD10のアルミフレーム購入している人がいます。10万ちょっとで買えますので、カーボンフレームを破壊して直すより確かに良いかもしれません。
あと最近のキャノンデールはジオメトリーも素晴らしいので、女性用としても安心してお勧めできます。
シクロクロスのおすすめバイク
シーズン前に記事化してしっかり書いておきたい話題です。結構みなさん悩まれていますよね・・・。「とりあえずCXに参加してみたい!」ということであれば私はディスク仕様のバイクをおすすめします。以前はカンチブレーキが主流でしたが、もうディスク使うと戻れません。
色々なシクロクロスの機材を試しましたが、初めはアルミx105xチューブレスクリンチャーで良いと思います。ちなみにシクロクロス全日本チャンピオンにもなった沢田時選手はアンカーのアルミでした。竹之内選手はTOYOのクロモリやカーボンハイブリッド使っていました。
CXは重量じゃないんだなぁ、パワーとテクニックなんだな・・・、とレースを走るたびに痛感しています。実際のところフレームやホイールでは大きな差は生まれないようです。機材面に限って言えば、タイヤ選択と空気圧が重要と言えます。
初めてでも良さそうなブランドをあげると、スコット、TREK、キャノンデール、スペシャ、メリダ、キャニオン、アーサー、TOYO、アンカー、ジャイアントかなと思います。スペシャのCRUXやTREKのcrockett、BOONEは定番です。自分で整備できるならキャニオンのインフライト。リドレーはちと硬いかな。サイズはリドレー、ジャイアントは170cmの日本人が乗るには大きい印象です。
女性でまともに乗れるサイズはTREK BOONE、キャノンデールのSUPER-X、TOYO、アーサー、SCOTTが思い浮かびます。
シクロクロスの楕円
シクロクロスの楕円いろいろ出てて使いましたが、全くお勧めできません。チェーンのトルクのムラもあるし、なによりメカトラ多いです。チェーンキャッチャーにも合わなくなるし、使う理由全くないです。目新しくて、そそられましたが、実戦投入する意味ないと結論付けました。
会場でも、サプライヤーのシバリが無ければ使っている人ほとんどいません。
ユーチューバーにはならないのですか?
少し考えたことがあるのですが、私は文章を書くことが好きなので、文字に注力したいと思っています。でも、時代は動画になっていくのかな。
マビックのベアリング
昔はそんなことを思っていた時期もありました。でも、もともと回転が良い部品(ベアリング、BB、プーリー、ハブ)に対する投資リターンってとても低いです。質問者さんがいろいろやりつくしたのならば、趣味のひとつとしてやってもいいと思います。しかし私はほかの機材に投資したほうがいいかなと考えています。
剛性が違う前後のホイールを変える
ホイール剛性に関して言えば、最近の実験を見ているとある程度の剛性があれば、あまり意味がないものとして扱われているようです。というのもホイール、フレーム、タイヤすべてに剛性がありますが、これらを1つの「システム剛性」としてとらえた時、タイヤが剛性に対して支配的すぎて、他の剛性をスポイルしてしまうそうです。
という記事を書いたので、もしよければご覧ください。
家事と妻の練習のバランス
練習仲間のS賀さんは、奥さんと並んでローラーしているそうです。我が家は別々です。いろんな家庭がありますね。S賀さん夫婦は相手がいるから頑張れるそうです。対して我が家は「一人で集中したい、邪魔されたくない」という共通認識でした。お互い部屋に入るとにらむ習性があるようで、絶対に部屋には入っていけない暗黙のルールがありました。
どちらのパターンが採用されるかは、夫婦の取り組み方によると思います。
家事分担についてですが、とても重要な話題です。夕飯は一緒に食べるのが楽しみなので、夕飯ができあがる時間を聞いて、その時間までにメニューをこなします。夜に私がローラーしている最中にご飯が作られる感じです。
妻がローラーしている時は、私は洗濯や食器を洗ったり、風呂に入ったりしていました。
一気に酸欠になる
体は正常で、心身は健康という前提であれば、逆に追い込めているという事ではないでしょうか。もしくは負荷が高すぎるか、どちらかだと思います。酸欠で、気を失いそうになるのはVo2MAXのゾーンでインターバルする際はしょっちゅうです。
最近よくあるのが、ローラーで追い込み過ぎた後の風呂が不安です。「20分経っても風呂から出てこなかったら確認しに来てほしい」というぐらい追い込む時があります(風呂で寝そうになる)。酸欠というか、インターバル最中に鏡で自分の姿を見ても明らかに白目むきそうになっています。
なぜここまで追い込む必要があるのかと言えば、強度上げてコンフォートゾーンから抜け出さないと強くなれないそうです。とにかく限界的練習をしなくてはと、いつも思っています。このあたりの「限界的練習」の話は以下の本に掲載されています。
文藝春秋
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recoveryタイツ機能ウェアについて
私は毎日仕事中もrecoveryウェア着ています。いろいろ試したのですが、脚先からひざ下までを覆う靴下タイプが良いです。一度くるぶしから上のタイプを使用していたのですが、逆効果でした。くるぶしから下の足で血流が滞ってしまい、合いませんでした。具体的に使用しているタイプは、
ザムストのこれです。というのもめちゃくちゃ耐久性が高いです。3足をローテーションしていますが、2年以上やぶれずにつかえています。平日の仕事の際は毎日です。ザムストはご存知の方も多いと思いますが、医療メーカーとして整形外科向け製品を45年にわたり開発・製造している日本シグマックスが1993年に設立したスポーツ向けブランドです。
少々値段は高いですが、毎日使うものですし、良い品なのでケチる必要はありません。このHA-1をローテーションしています。
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シクロクロスやMTBのスキル練習
私がこの回答をしてしまうと、関西MTB界の大御所たちに怒られそうですが、ここ数年ロード出身の私にBMXやMTBやCXのトップライダーさん達から、本当に様々なレクチャーを頂きました。という意味ではほんとうに良い環境に感謝せねばなりません・・・。
今年の冬の間、MTBアジア選手権日本代表の沢田時選手と何回か走り、色々と教えてもらいました。フィジカル面で言えばインターバルやSTT以上の高強度が多いようです。あと筋トレとお勧めがケンスイ。チンアップです。もちろんパワーメーター使っていました。パイオニアでした。
同じく中原選手も高強度のインターバルメインのようでした。二人ともMTBライダーですが登り区間は(超あたりまえですが)私なんかより圧倒的に速いです。たぶん5.5~6倍近く出してる感じだなーと思いました。
で、肝心のスキルトレーニングですが、子供のころから野山を駆け巡っていたらしく、勝手に身に着いた部分もあるようです。そこで私のような「人生の途中からトレイルに迷い込んだおっさんたち」はどうすればよいのでしょうか。子供のころにしか身につかないような「こうやって、こう」のような技術は、私のような途中参加のような人間にはとうていできません。
では私の場合どんな練習をしていったのか思い出してみると、「うまい人の後ろについてひたすらラインをまねて走る」が最も効果がありました。トッキーとヨシくんが試走している時に、「後ろ走ってもいいですか」と断りを入れてから、邪魔にならないように試走中走りました。
「同じラインを、同じスピードで走る」って結構難しいです。バイクの傾きや、タイヤへの荷重、踏み込みですぐに離されてしまいます。
この「うまい人のラインをまねる」と脳内に「アハ体験」が頻繁に発生する感じが得られます。アハ体験は日本語の「あはははは!」ではなく、ドイツ語のAha-Erlebnisです。ドイツの心理学者カール・ビューラーが提唱した心理学上の概念で、未知の物事に関する知覚関係を瞬間的に認識する体験を指しています。
「そのラインがあったか!」というひらめきと言えばよいでしょうか。うまい人のラインをトレースするときに、「わたしならココを通っていた」というラインから、新たなラインが見えてきて、0.1秒ほどの短い時間のあいだに、脳の神経細胞がいっせいに活動して物事の見方が変わってしまいます。
この貴重な時間は、試走の段階しか使えないのであまり頻繁に試すことができません。それ以外には砂場を使った8の字ターンが良いと思います。ただ走るだけではなく、毎回同じミゾに、寸分くるわずフロントタイヤを差し込む「遊び」を繰り返しました。
ロードで言うなら、「白線の上」じゃなくて「白線とアスファルトの境界線」にフロントタイヤを通すイメージです。白線の上を走るというのは精度が低くガバガバすぎて、コントロールしているうちに入らないようです。「タイヤ一本分のわだちにフロントタイヤを正確に入れられる」という事ができるようになってから、楽しくなりました。
あとは使いやすいハンドルとステムでしょうか。今は380mmのハンドルを使用していますが、シクロクロスでは420mmを使用しています。またステムは100mをロードで使用していますが、シクロクロスは60-80mmの間です。
あと良かったのが、「転ぶこと」です。これはロードの落車とはまた違う話でとらえる必要があります。練習ではタイヤの限界値を知るために果敢にコーナーを攻めるようにしています。はじめは片足を外して定番のターンをしながら、タイヤの限界値を探っていきました。次は両足でコーナーリングしながら、タイヤが抜けるポイントまで攻めていきます。
転ぶのが怖かったのですが、芝生や砂で練習するのであまり痛くはありません。冬の間練習仲間たちと砂場で練習しているのですが、おそらく昨年はシーズン中練習で70~80回は転んでます。レース中は10~20回はこけて、ディレイラーもげました。ロードだと大問題ですが、シクロクロスの場合は観客が喜びます。文化が違うのでしょうね。
安全な芝生や砂で自分の限界をさぐりならがら、恐怖心を捨てるのがよいのかもしれません。
ロングライドでハラを下してしまう
スポーツ栄養学の本にこの件について記されています。おなかを冷やすこともそうですが、食べ物によっても下痢が多くなるようです。そして間違ったカーボローディングでも下痢するようです。このあたりの話は、スポーツ栄養学を読んだ方がいいかもしれません。
嫌な過去を乗り越えたい
あー、こういう話嫌いじゃないです。でも、過去も変えられないし、未来もわからないのだから、その狭間である今を一生懸命生きるのが良いと思います。「こぼれたミルクを嘆いても、決して元には戻らない」なんて言葉はよく本に書いてありますね。未来もわからないし、過去も変えられないから、今を生きてください(あれ、このブログは何のブログだ・・・)
中傷についてですが、いまでも心無い言葉を送ってくる人は一定数います(そっちの方が多いかな)。というより、言われ過ぎて慣れてしまった・・・というほうが正しいかもしれません。当ブログの黎明期の頃は「コメント欄」がありました。覚えていらっしゃるかたも多いと思います。
コメント欄が無くなったのは、誹謗中傷が原因でした。元々はコミュニケーションのために設置したのですが、違う使われ方をしてしまいました。ネットにおいて「匿名」VS「記名」では勝ち目がないことは明らかです。記名は存在しているだけで不利です。そうこうしているうちに、コメント欄を廃止しました。いまではFacebookページで「記名」で書き込んでくださる方たちとやりとりを楽しめるようになりました。
記名でコメントすることってなかなか勇気がいることです。その敬意も表し、すべてに目を通して、私はできるだけ返信したりコメントしてます。ネットの誹謗中傷をするひとって暇なのかもしれません。基本スルーで真に受けない方がよろしいかと。あなたの貴重な時間を、不毛なやり取りに費やす必要などありません。
たまにはいいことも
誹謗中傷とは打って変わって、こんな応援をいただくこともあります。本当に嬉しいです。。。確かに自分の言葉で、ストレートに書くとそれに乗っかってくる(乗っかりやすい)人は多いです。会社の会議でもそうですが、資料にあれこれ言うのは簡単です。荒探しも簡単。たいていなんにも考えてない人が、「言いたいだけ」の場合がほとんどかなと思っています。
そんななかでも、「こうしたら更に良くなる」や「こんな技術もある」や「こんな方向性はどうだろう?」といった、建設的な話題を提示してくれる人もいます。人間がアウトプットしたものに対して、どのようなコメントをしてくれるか「される側」をこれだけ長く続けていると、いろんな人がいるもんやなぁ、、、つくづくおもいます。
私は、↑のコメントをくださった方が一人でもいるうちは、その方々のために書いていこうと思います。
まとめ:意外と続いてる
IT技術者ロードバイクの質問箱です。ご質問をいただいた中からピックアップして記事化します。https://t.co/83fP3DJXDr
— IT技術者ロードバイク (@FJT_TKS) 2018年3月19日
基本私の考えでよければ、なんでもこたえるコーナーです。不定期ながらも思ったよりもコンスタントに続けられています。というのも、やはり皆さんからの面白い質問があるからで実はあと170件溜まってます(汗。「ググれ」とか「自分で考えろ」という回答もできるのですが、「質問」されることは考えるきっかけを与えてくれます。
1人の読者さんの質問に対し、自分の時間を割いて考えて書いているのですが、結構楽しいですな。なるべくのこりの170件にも回答しています。いまのところ100は超えたかな。10件ずつ解凍してもあと17回たのしめるわ。
すべてに目を通していますので、ぼちぼちやっていこうと思います。
文藝春秋
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